SSブログ

2023.0406 O.A BAND [chord 5]

・タイムマシンにおねがい / サディスティック・ミカ・バンド
・黒船(嘉永六年六月二日〜四日) / サディスティック・ミカ・バンド
・塀までひとっとび / サディスティック・ミカ・バンド
・颱風歌 / サディスティック・ミカ・バンド
・さようなら / サディスティック・ミカ・バンド
~今回はバンド編です。サディスティック・ミカ・バンド 特集です。
出演は、河口氏&midoriでお送りします。

ラニーニャ現象(中山 雅茂編) [fun science]

IMG_6816.jpg IMG_6817.jpg IMG_6818.jpg IMG_6819.jpg
3月10日に気象庁が「2021年秋から続いていたラニーニャ現象は終息したとみられる。」と発表。そこで今回はラニーニャ現象について。
「エルニーニョ現象」という言葉は聞いたことがある方も多いかと思いますが、「ラニーニャ現象」は、それとは逆の現象です。
どちらの現象も、太平洋の赤道域でも、日付変更線付近から南米沿岸にかけての海面水温が、平年よりも高くなるか、低くなるかという現象をとらえた言葉です。
気象庁では、エルニーニョ監視海域を定めています。北緯5度から南緯5度、西経150度から西経90度で囲まれた海域。ハワイのはるか南の赤道域からガラパゴス諸島の
あたりまでの横に長い海域の状態を見ていることに・・・。
この海域の海面水温、基準値といい、前年から30年間の各月の海面水温を平均した値を基準値を計算します。この基準値との差を求めるのですが、さらにこの基準値との差を5ヶ月移動平均といい、対象の月の前後2ヶ月を含めた5ヶ月の平均を計算。これが6ヶ月以上続けて+0.5℃以上となった場合をエルニーニョ現象、-0.5℃以下となった場合をラニーニャ現象としています。
「どうしても季節の変化や暑い年や寒い年がありますよね。そのような極端な過去の状態と比較するのを避けるために、過去30年間の値を平均して比べています。
また、海面水温のひと月やふた月の短期間の温度変化をとらえるのではなく、1年程度続く現象をとらえるため、まずは調べたい月と前後2ヶ月を含む5ヶ月の平均を調べ、さらに、その現象が6ヶ月以上続くかを調べているんですね。」
その結果、温かい状態が続いている場合だといえる時を「エルニーニョ現象」、冷たい状態が続いている場合だといえる時を「ラニーニャ現象」と呼んでいます。
今回、気象庁は「2021年秋から続いていたラニーニャ現象は終息したとみられる。」と発表。このラニーニャ現象が日本の天候にどの様な影響を及ぼしていたのでしょう?
ラニーニャ現象が発生していると、太平洋の赤道付近では、東風が普段よりも強くなり、西側に暖かい海水が厚く蓄積。逆に東側では冷たい水が湧き上がってきます。
結果、南米大陸側の海域の海面水温が低くなります。それとは逆に、西側に暖かい海水が集まっているので、インドネシア近海の海上では積乱雲が発生しやすくなります。
このため、日本付近では夏は太平洋高気圧が北に張り出しやすくなり気温が高くなる傾向となり、日本列島の南の方では湿った気流の影響を受け降水量が多くなる傾向に。
冬は、西高東低の気圧配置が強まり、気温が低くなる傾向があります。そこで、気になるのはこれから・・・。
気象庁の発表では、「今後、春は平常の状態が続く可能性が高い(70%)。夏はエルニーニョ現象が発生する可能性と平常の状態が続く可能性が同程度である(50%)。」
果たしてどうなるのでしょう?

マリモ研究情報〜マリモの年輪〜(尾山 洋一編) [nature treasure]

写真は神戸大学大学院工学研究科 中山恵介教授 提供1.jpg 写真は神戸大学大学院工学研究科 中山恵介教授 提供2.jpg
2021年11月に国際学術誌に掲載されたマリモの年輪に関する研究について。
この研究は、神戸大学の中山恵介教授の研究グループと共同で実施した研究。神戸大学医学部が所有している医療用のMRIを使ってマリモの内部を調査したのです。
マリモの内部を調べるため、できるだけマリモを壊さないで内部を調べたいということで、神戸大学からの提案で非破壊で計測ができるMRIを使おうということに・・・。
「この研究が上手くいったポイントは、何といっても神戸大学医学部のMRI技師さんの匠の技です。MRIで物質の内部を撮影するためには、その物質に合わせて撮影条件をチューニングする必要があります。技師さんが時間をかけて一生懸命チューニングしてくれたおかげで、マリモの綺麗な内部構造を撮影することができたんです。
撮影するだけでも物凄く大変なんです。」
撮影されたマリモの内部を見ると、色の濃い部分と薄い部分がバームクーヘンの様に等間隔に並んでいる様子が確認できたそう。MRI画像は、水分が多いと濃い色に、
水分が少ないと薄い色に・・。この色の濃淡の差はマリモの内部に含まれる水の量の違い、つまり、マリモ同士が絡み合う密度の違いを表している事になると尾山氏。
それが等間隔に並んでいるということは、何らかの周期性を表している考えることができるそう。
「そこで気が付いたのが、マリモは回転しないとボサボサになってしまうこと。夏のマリモは表面が滑らか。これは、マリモが回転し、マリモ同士が擦れあうことで表面が磨かれるためです。一方で、冬のマリモは表面がややツンツンしています。これは、冬は湖が凍ってしまうため、マリモを回転させる波が発生しないので、マリモの生長によって表面が毛羽立ったと考えられます。ですからマリモが磨かれる春から夏にかけての時期と、毛羽立つ冬の時期がこの様な密度差を生み出していると考えられたので、この密度差は年輪と解釈してよいだろうと考えたのです。」
実は、最初からマリモの年輪を見つけようとして研究したわけではないそうです。マリモは同じ大きさでも水中での重さが異なる場合があるので、密度が違うのでないかということで、内部の構造を見ようとしたのが研究の始まり。
マリモの年輪については、ブランドというヨーロッパの学者が1902年、論文の中でオーストリアで採取したマリモに色の濃い部分と薄い部分が交互にあると報告していて、おそらく年輪だろうと言っているそう。ただ、図とか写真は一切無かったので、本当にあるのかなと疑問に思っていたとおっしゃっていました。
また、実際に北大の阪井先生が出版した<マリモの科学>という本に『阿寒湖のマリモに年輪は見られない』と書かれてあったそう。「そんな時に、神戸大が年輪と
思われる画像の撮影に成功したのです。古くから存在が指摘されていたマリモの年輪が<本当にあった>という決定的な証拠を示したわけですから、びっくりしました。」
マリモの年輪に関する決定的な証拠を示した点でも貴重な研究なのですが、より重要な点は、阿寒湖のマリモが一年でどの位生長するのかという古くからの疑問に
答えられる科学的な根拠が得られたという事。生長率について様々な説が出ていましたが、今回の研究結果から丸いマリモは一年で1cm程度生長すると推定できたのです。
※写真は尾山洋一氏からお借りしました。(写真:神戸大学大学院工学研究科 中山恵介教授 提供)
※音声はこちら・・・https://open.spotify.com/episode/5H7bpJ3ZJvpnpmbIQhbxvf