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words that create art・・・2 [close to you <art編>]

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昨年にお送りした展覧会の第2弾。後半の作品を武束学芸員にご紹介いただきました。
今回も私と武束氏の勝手なおしゃべりが続いています。
まずは小林 一雄「風景」とても大雑把なタイトルにも感じますが、北大通りの賑やかだった頃が描かれています。釧路デパートや山下書店、金物屋さん、そして、とにかく歩道を歩く人の姿がすごい・・・1969年の作品です。
阿部 貞夫「樹林」道東の自然に魅了されて数々の作品を残しました。東京出身の彼は留萌の地に長く暮らし、その後釧路に移り、版画家関野準一郎、刷師の平井孝一の指導を受け、版画家として大きく飛躍。道東の自然、釧路の街等を題材とした版画を制作したのです。
森田 曠平「桃山おとめ」一見して作者がわかるような特徴的な目元の表現。そこに一目惚れして購入なさったのが釧路の鷹田善朗氏。武束氏との会話の中では着物の柄が気になる・・・描かれた藤の花、松、そして梅にはどんな意味があるのでしょう?
久本 春雄の素描 本来なら作家としては世に出したくはない作品だと思います。なぜならあくまでそれは本画のために描かれたデッサンだから。それにしても観察眼が鋭く、細かい。あらゆる方面から対象物と向き合い、そこから何一つ逃すことなく真実に迫ろうという雰囲気が伝わってきます。
作品に対峙するのはもちろんですが、作品横のことばからも何かを感じ取っていただけると思います。
誰かと一緒に、武束氏と私のように、勝手に妄想しながら作品鑑賞をなさる方法も・・・面白いですよ。
(美術をつくることば は2/4まで釧路市立美術館で開催中です。)

2024.0117 O.A 林田クリニック 院長 林田賢聖氏&新潟大学 医歯学総合研究科 榛沢和彦氏~1 [close to you <dr.編>]

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今回はzoomで新潟大学の医歯学総合研究科 先進血管病、塞栓症治療、予防講座特任教授の榛沢氏にご出演いただきました。以前から災害医療についてご紹介したい先生がいらっしゃると林田氏からお聞きしていて、やっとそれが実現した感じです。心臓外科医の第一人者であり、災害医療(特にエコノミークラス症候群等)にも熱心に取り組まれている先生とのこと。以前釧路でも講演なさったことがあるそうです。色々な海外の現地に赴き、エコノミークラス症候群の予防検診をなさってきたそうです。最初のきっかけは新潟県中越地震。車中泊が3万人ほど。エコノミークラス症候群がすごくあり・・というよりも突然死が多かったと。これはおかしいと調べに行ったところ、脚に血栓がいっぱい見つかり肺塞栓症に・・・はじめはその報告も信じてもらえず、苦労なさったそうです。それが今では車中泊でエコノミークラス症候群=危ないということが常識になったと思うとおっしゃっていました。
以下、少し前まで行われていたクラウドファンディングの榛沢氏の紹介文からのご紹介です。
ーーーーーーー私たちエコノミークラス症候群予防・検診支援会は新潟県中越地震で肺塞栓症による死亡者が出たことから地元の医療関係者などで結成され、エコー検査を行い車中泊経験者でDVTが多発していることを発信しました。その後の震災でもエコー検査を行い、東日本大震災避難所では多数のDVTが見つかり避難所の生活環境と関連あることがわかりました。またイタリアの避難所を視察した経験から日本の避難所に欠けている、水洗トイレ、暖かい食事を作るキッチン、簡易ベッドの3つを48時間以内に準備するTKB48を提言し避難所・避難生活学会を立ち上げ初代会長をつとめました。なお現在も被災地でエコー検査などを行っています。
私がこの研究を通して成し遂げたいことは、まず震災被災地で車中泊や避難所でDVT(足の深部静脈血栓)ができてしまい、それが残っている人たちの健康被害の予防です。DVTはガイドラインで6ヶ月の治療で終了して良いことになっています。しかし我々のフォローアップ検査ではDVTが20年近く残存し続けている人も少なくなく、その中に症状が悪化したり、肺塞栓症になる人もいます。さらに脳梗塞、心筋梗塞などの循環器疾患が多いのです。そこで定期的にエコー検査を行うと同時に動脈硬化の検査も行って指導して健康被害を予防したいと考えています。またエコー検査を続けることで世界的に少ないDVTの超・長期予後と合併症が検討できます。次にDVTは避難所環境と関係あることからDVTを指標にして避難所環境を改善したいと考えています。日本の避難所環境は先進国で最低レベルです。これは避難所環境を客観的に示す指標が無かったことも原因です。DVTは本人の意志で発症させることはできないため客観的に避難所環境を評価できます。避難所でDVTを検査することで災害対策本部が避難所環境を把握し改善することで災害関連死が予防できると思うのです。ーーーーーーー
現在、情報共有の重要性をとても感じていらして、さらに立法府との連携をとらないと変わらないと思うとも。災害救助法をかえないといけないと。現在の市町村中心でやっているとその力の差で準備が変わってしまう。それは不公平になってしまうこと。ですから県や道や都が中心になってできるようなカタチにしないと格差が出てしまうとおっしゃいます。「本当それは嫌というほど見ているんですよ。」
榛沢氏は今、質の高い車中泊というものを提唱しているそうです。ユーザーとメーカーと地方自治体とマスコミが協力しないと危険性の低い車中泊は実現できないと。ただ、我々が知っていなければならない知識として教えてくださったのは、セダンタイプだと大人2人が限度。幅は80cm、長さは身長プラス10cm。まずはスペースの確保。それから水分の準備。水分とるためには必ず近くにトイレがあること。我々が知ること、自治体やメーカーが準備すること、マスコミが知らせる。長野県はそれをhpでも公開しているそうです。