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2024.0222 O.A BAND  [chord 5]

・暗闇でDANCE / BARBEE BOYS
・チャンス到来 / BARBEE BOYS
・もォやだ! / BARBEE BOYS
・MIDNIGHT CALL / BARBEE BOYS
・帰さない / BARBEE BOYS
・負けるもんか / BARBEE BOYS
~今回はバンド編です。BARBEE BOYS特集です。
セレクトは河口氏。出演は、河口氏&midoriでお送りします。

道東のホッカイエビ〜耳学問(黒田 寛編) [fun science]

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<ホッカイシマエビ>は地方名で、<ホッカイエビ>が正式な名称のエビについて。
「私の共同研究者に伊藤明さんというエビ博士がいまして、その方が、厚岸周辺のホッカイエビの分布パターンと生息域について、海の環境との関係を調べた研究を昨年9月に出版されました。私自身は海水温や海流の専門家でエビの専門家ではないのですが、伊藤さんが研究を進める中で色々と相談されることがあり、その際に聞いたホッカイエビの話をしたいと思います。」
ホッカイエビ、生きている時と売られている時では全く色が違います。売られている時は茹でて売られているので赤に近い濃いオレンジ色のイメージ。一方、生きている時は、緑色っぽい色をしていて、白色あるいは黄色っぽい縦じま模様があります。大きさは、大きいもので12~13cm位。
道東ではどのような地域で漁獲されるか・・・厚岸周辺、根室地方の風連湖や野付半島周辺、そしてオホーツク海側のサロマ湖や能取湖。
ホッカイエビ漁場の中で最も有名なのが野付半島での「打瀬船」を使うエビ漁。明治時代から続く伝統漁法であり、打瀬舟の情景は北海道遺産にも選ばれています。
スクリューのついた近代的な動力船ではなくなぜ古風な打瀬船を使ってホッカイエビを漁獲するのか?
アマモが茂った水深1~6mほどの場所を好むホッカイエビ。アマモは幅が5mmほどで長さが長いものだと1mくらいある海草。そこにスクリューのついた動力船で入ると、アマモが絡みつき、アマモ場は荒れる・・・良いことがありません。ですから、打瀬船を使って風の力で船を動かして網をひぱってアマモを傷つけないように漁獲しているわけです。厚岸では、打瀬船による曳網は行わず、餌を入れたエビ籠でホッカイエビを漁獲しています。
ホッカイエビの生態の特徴は何といっても性転換すること。成長の過程でオス・メスの性(gendar)が入れ替わることです。基本的な成長パターンは、卵から孵化して0歳までを未成熟なオスの状態で過ごし、1歳でオスとして成熟し繁殖活動に参加。その後、2歳になると今度はメスに変身して繁殖に参加。ですからオスよりもメスの方が大きく、メスの方が商品価値も高くなるのです。大きなホッカイエビをたくさん漁獲してしまうと、メスばかり漁獲することになり、オスとメスのバランスが崩れてしまいます。
「先にお話しした伊藤明さんの研究を要約すると、卵を抱えたメスは厚岸湖内やその近くのアマモ場に分布していて、春になると、そこで卵を孵化させます。比較的水温が高く塩分が低い場所を選んで孵化させ、孵化した幼生の高い生残率と成長のための良い条件を担保しているのではなないかと考えられています。そして、少し大きくなった稚エビや小さなオスエビは厚岸湖内やその近くにたくさん分布していて、厚岸湖内やその周辺のアマモ場がホッカイエビの資源を維持するための重要な役割を果たしていることがわかりました。」
さらに、ホッカイエビは成長するにつれて生息域を変えるそうです。厚岸湖やその周辺のアマモ場から離れて、少し距離のある厚岸湾沖側のアマモ場やホンダワラ(海藻)がはえた場所に徐々に分散していくと・・。これに加えて、伊藤さんの研究でもう一つわかったことは、厚岸湖と厚岸湾の間付近に位置するあるアマモ場には、全ての成長段階のホッカイエビが生息している場所があり、このようなホッカイエビの揺りかごのような重要な場所をどのように保護していくのか?ということが今後の資源管理の重要なポイントになると指摘されているとおっしゃっていました。
※写真と資料は黒田寛氏にお借りしたものです。
※音声はこちら・・・https://open.spotify.com/episode/2FJZssxGI7TClc4us9kGDv

寒い冬に春からの調査研究を考える(照井 滋晴編) [nature treasure]

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この時期は、春からの調査に向けて、一緒に研究をしている研究者の方々と共に春からどのような調査・研究に取り組むかを相談したりしているそう。 打合せでは、まずこれまでの調査研究でわかったこと、そして次に明らかにしたい課題を整理。 要するに、キタサンショウウオの何がわかっていないのか?どんなことを明らかにしたいのか?ということを話す感じと。 よくわかっていないことと言えば、キタサンショウウオはどこで冬を越すのか?ということが一つ。また、越冬に限らず、繁殖期以外の時期にどんな場所を生活の場として利用しているのか?そして、どれくらいの範囲を生活圏にしているのか? そのようなこともまだまだデータが少なくてわかっていないのです。 そのように課題を挙げ、次にその課題を解決するためには、どのような調査をすれば良いか?ということについて話し合いをするそうです。
例えば、越冬場所や行動圏といった課題を解決するためには、どうすれば良いでしょうか? 最も確実なのはキタサンショウウオをストーカーのように追いかけること。 これができれば、越冬場所も行動圏も好きな環境もすべて明らかにできます。その方法の一つに、標識再捕獲法というものがあるそう。捕まえたサンショウウオに標識を着け、捕まえた場所に返し、後日もう一度捕獲することで、同じサンショウウオがどれくらい移動するのかを推定。「この方法だともう2回以上同じサンショウウオを捕獲しなければならないので、たくさんのデータを得ることがなかなか難しかったりします。 もちろん不可能というわけではなく、過去の研究ではこの方法でキタサンショウウオが繁殖池から100mくらい離れたトラップで捕獲されたことがあり、キタサンショウウオが少なくても繁殖池から100mは移動することが明らかになっています。 これはとても大事なデータで、このデータからキタサンショウウオを守るためには繁殖池から少なくても100mの範囲は生活圏になっているので守った方が良いということが言えるようになります。」ただ、この方法では行動圏を推定することはできても、移動のルートや好みの環境など詳細なことはわかりません。この様な問題を解決するためにはリアルタイムで居場所を特定する方法にしなければいけません。そのための方法の一つに発信機調査というものがあると・・・。 ラジオのような電波を発信する発信機をサンショウウオにとりつけ、そこから出る電波を受信器の音の強弱を頼りに追跡するという調査。
「でも、1個あたり数万円と高額なうえに、始めてしまうと電池が切れるまで毎日調査に行かなければならず、労力もかなりかかります。 キタサンショウウオでも過去に実施され、それなりの日数と距離を追跡できていたのですが、あと一歩で越冬場所などを完全に明らかにするまではできず、悔しい思いをした記憶があります。」
それ以降、予算や時間の関係で進めることができていなかったそうですが、次年度は再び発信機による追跡調査にチャレンジしてみようかという話も出たそう。何かもっと効率的にできる方法が見つかれば良いのですが・・・。
※写真は照井滋晴氏からお借りしました。
※音声はこちら・・・https://open.spotify.com/episode/6Bg8VKn0alDM67rjxZXIL9