SSブログ

art made from thinned wood [close to you <art編>]

1.jpg2.jpg3.jpg4.jpg5.jpg6.jpg7.jpg
間伐材ってどんなイメージをお持ちでしょうか?
この作品展は阿寒湖周辺の森において間伐目的に伐られた木材を使用し、阿寒湖畔で活動する作家によって制作された作品を展示しています。
間伐材は必ずしも彫刻に向いているとは言えないかもしれません。でも、会場にはそれらを駆使したユニークな作品が並んでいます。
出品作家は12人。今回で4回目になるそう。木彫が多いのですが、それぞれの作家の個性あふれるその世界を堪能することができそうです。
出品作家のお一人の小野敬大氏にお話しを伺いましたが、彼は油絵に、文章に、立体に、映像と彼が考える間伐材のイメージを異なるジャンルで表現しました。
一つは蕗の皮を原料とした和紙 富貴紙に油絵を描き、その額に間伐材を使用。
立体は間伐材を使い森を表現したそうです。この作品を取り囲むアクリルにもこだわりが・・・。
森というのは上から見ることができないですよね。そこで視点の制限を、見る人にあえて感じてもらおうと、上のアクリルは透明ではなく、
上から作品を覗き込むことができない様になっています。
また、映像作品は東京から移住なさったダンサーのTATSUO氏とともに2作品制作。
ともに本業ではないだけにとても苦労したそうですが、それが楽しかったとおっしゃっていました。
どんな空間が出来上がっているのかとても気になります。
「見応え抜群だと思います。ぜひ多くの方に間伐材というもの、そしてその魅力を感じていただけたら嬉しいです。」
※尚、写真は小野敬大氏からお借りしました。(展示前のものをお借りしています。)
(阿寒の森 間伐材アート展は12/11まで釧路市生涯学習センターまなぼっと幣舞 1F 市民ホールで開催中。)

2021.1208 O.A 釧路労災病院 脳神経外科 井須豊彦氏 [close to you <dr.編>]

IMG_3352.jpg IMG_3350.jpg
9年ぶりに改定とは言いつつもほぼ全面見直しで進化したしびれに関する本『プロフェッショナルが伝える しびれ外来』。
この本のことをメインに先生の思いを含めお話しを伺いました。まず、「初版の序」から一部をご紹介させていただきます。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
受験シーズンを迎えると、思い出すことがあります。北大医学部の入試前夜、39度台の熱が出て具合が悪くなりました。母親は心配して近所に住む国立病院の中の先生に診察をお願いしました。先生は夜遅くにもかかわらず、快く診察して薬を処方してくれました。不安でいっぱいの私の体に聴診器の感覚は、忘れられません。〜中略〜今から思うと、診察に疲れ、寝ようとしていた時に、突然、連絡があり、病院の仕事でもないのにご迷惑であったと察します。高校生であった私自身は、医者がどんな生活をしているかなんてわかりませんでしたので、単に、一人の受験生として救われた気持ちになりました。医療の原点を見た思い出であり、今でも、感謝しています。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
脊椎脊髄外科を志して25年以上、それだけのキャリアを持ちつつも、外来診療において外科医の思いを患者さんに正確に伝えることの難しさを痛感しているそうです。「この本は一般病院に勤務する外科医が最低限、外来診療で行わなければいけないことのみを載せています。
さらに私が最近積極的に診断し、治療を行なっている<手で触れてわかる腰痛>についても触れています。」
特徴は、外来診療の場において、どのように患者さんや家族と接し、診察を行うべきかを詳細に記載していること。
「私の診察法は独善的ではありますが、しびれや痛みの患者さんを診察する機会のある先生方の診療の参考になると思います。」と。
そして随所に「神経外科医のつぶやき」というエッセイが散りばめられています。ここには先生の思いがたくさん詰まっています。今までお話しを何度も伺いましたが、その中でおっしゃっていたことがさらに理解できる内容になっています。
医学書ではありますが、教科書的なものではなく、一般の方が読まれても理解しやすいように図や写真等も多用されています。
今までどういう思いで患者さんと接し、何を大事にしているのかを伝えることが出来た本になっていると思うとおっしゃっていました。
しびれの症状等で今までどこに行って良いのかわからないという方も多かったと思います。興味のある方はぜひチェックしてくださいね。

スポーツ合宿(西山 由佳子編) [varied experts]

ve1203 西山氏.jpg
冬の釧路と言えば例年、市外から多くのチームが釧路に合宿にやってくる季節。2019年度はアイスホッケーだけで年間50以上のチームが釧路で合宿したそう。
冬だけでなく、涼しい夏も、晴天が続く秋も、合宿する環境としては最高なので、冬を上回る数の合宿が行われているそうです。
釧路は気候の良さに加え、リンク以外に市民球場や湿原の風アリーナをはじめ運動施設が充実し、食べ物も美味しいのも魅力。ですからこれまでにアイスホッケー以外にスピードスケート、フィギュアスケート、カーリングの他、硬式野球、陸上、サッカー、バスケットボール、ハンドボール、テニス等の合宿も行われているのです。
合宿を誘致する事は地元への経済効果もあります。宿泊費や飲食費、スポーツ施設の使用料金、交通費の他、その様な消費によって原材料生産が増えたり、雇用者の所得が増え消費が伸びたりする波及効果も含まれると。それ以外にも有形無形の効果が期待でき、実際に効果が出てもいるそう。合宿中にチームが地元のチームと交流戦を行ったり、子供たちや指導者に講習をしたり、練習を公開してくれたり。実は件数が増えているのが陸上競技。昨年度、2020年度はコロナ下にもかかわらず倍増して15件となり、競技別でトップ。本年度も好調と。釧路市も陸上競技の合宿誘致に熱心。釧路を10年以上続けて訪れているマラソンの川内優輝選手にここでの合宿の魅力を語ってもらう動画を公開したり、道外で開かれた実業団の陸上大会で合宿誘致の為のブースを初めて設置したり。練習環境の良さをアピールしています。

さて、近年、観光とスポーツを結びつけるスポーツツーリズムが日本でも浸透しつつあります。その先進地の一つが沖縄。春にはプロ野球やサッカーJリーグなどのチームが数多く沖縄県内各地でキャンプを行い、その見学を目的の一つに訪れる観光客がコロナ前まで伸び続けていました。
釧路でも合宿誘致がさらに進めば、夏には避暑を兼ねて合宿を見学しに釧路を訪れ、他の観光地も回ったり、あるいは気候のいい季節に釧路に遊びに来て、観光先の一つに合宿見学も加えたりといった形で観光客数や交流人口を増やすことにつながる可能性があると西山氏。「以前、北海道新聞の経営企画部門にいた頃、道内プロスポーツのスポンサー業務や支援業務を主に担当していました。プロ野球の北海道日本ハムファイターズやJリーグ北海道コンサドーレ札幌、バスケットBリーグのレバンガ北海道などです。ファイターズやコンサドーレも毎年春、沖縄でキャンプするのは有名ですよね。名護キャンプに合わせて、ファイターズを応援している道内企業の関係者と名護の経済人との交流会を名護市で開いたりという事も行っていたので、毎年2月のキャンプシーズンには沖縄を訪れてました。今はコロナ禍でキャンプ自体、非公開で行われていますが、当時は6,7年前だったので、経済人の交流会の準備の合間を縫って1軍キャンプが行われている名護球場や2軍キャンプ地の国頭村をのぞきに行くと、北海道からも多くのファンが訪れていて、練習風景をじっくり楽しんだり、練習を終えた選手と言葉を交わしたり、暖かい沖縄でのんびり観光したりしていました。
感染が収束すれば、釧路にもこの様な人を呼び込めるかもしれません。今から、その為の仕掛けを準備していけると良いですね。」

2021.1203 O.A 「林田健司ライブツアー初日終わりで・・」 [varied stories]

田伏伸次さん(レコーディングスタジオクーパー代表)
https://studio-cooper.jp/

林田健司氏の30周年ツアーが始まりました。収録は11月23日。22日に大阪ライブが終わり大盛況だったそうです。
この放送の時には前日、東京でのライブが終わった頃でしょう。
健司氏曰く「こんなに頑張ったことなかったかも〜」とか。
石垣島で個人レッスン。さらにリハでは1日8時間を3日連続で・・・と。お聞きしただけでもライブにかける意気込みが伝わってきます。
「いや〜ホントにやりきる感がすごい。気合いの入れ方が違うと感じます。」とpopo氏。ライブは39曲。これだけお聞きしてもびっくりですよね。
30年を振り返ってのメドレーあり、さらに今回のNEWアルバムから・・・あり。
彼をサポートするメンバーも林田健司の世界をしっかり伝える様にリハを重ねたそうです。
「普通バンドマンはある意味個性のぶつけ合いみたいなところがあるのですが、今回は林田健司というソロアーティストを全面からサポートする感じが伝わってきました。さらに彼の曲は複雑で難しいですから・・・大変なんです。」
ライブの度にこれが最後とおっしゃる健司氏。今回はそれを特に感じるくらい力が入っていたそうです。
とは言ってもまたやると思いますけどね・・とpopo氏はおっしゃっていました。
いらした方も声は出せず、踊ることもできないという制限の中でも、楽しんでくれたと思いますと。
大阪・東京・札幌とメンバーも地域の方が入ったりして、その場所場所で違う雰囲気も楽しめるのかな?とも思いました。
さあ、残すは札幌ライブ。「ラストはきっとはっちゃけるでしょう。」とpopo氏。同感です!
※写真は田伏伸次氏からお借りしました。
1.jpg2.jpg3.jpg

2021.1202 O.A 洋楽 [chord 5]

・Rudolph The Red-Nosed Reindeer / BABY FACE
・Winter Wonderland / BABY FACE
・The Christmas Song / BABY FACE
・White Christmas / BABY FACE
・The Little Drummer Boy / BABY FACE
・It Came Upon A Midnight Clear〜The First Noel / BABY FACE
~今回の洋楽編、BABY FACE 特集です。BABY FACEのクリスマスたっぷりと・・・。
セレクトはToshi氏。今回の出演は、Toshi氏&midoriでお送りします。

道東沖の海の様子を人工衛星でみると・・・(中山 雅茂編) [fun science]

IMG_3347.jpgIMG_3348.jpg
IMG_3349.jpg道東沖での赤潮による漁業への被害が9月頃からニュースに取り上げられはじめました。
ウニやサケに被害が広がり、国内で最悪のケースにと言われています。
この赤潮ですが、水面や水中を漂う浮遊性の生物、プランクトンが原因です。
このプランクトンの色が赤っぽい場合、海が赤色っぽく染まるので赤潮と呼ばれます。
広い広い海ですから、これを調べる方法の一つが人工衛星の出番です。
今回の道東沖の赤潮の様子も、日本の人工衛星がとらえています。気候変動観測衛星「しきさい」という人工衛星。
この「しきさい」には、多波長光学放射計が搭載されています。そこで、人間の目で見えている可視光という領域から、
温度の情報が得られる熱赤外という領域までの光・電波を観測することができるそうです。
今回の赤潮の広がり同時に、海の温度がどの様になっているのかを観測しているそう。さらに、走査幅と言い、
地球の表面を1150kmの幅で観測、北海道3つ分位の幅を一度に観測することができるのです。
今回の赤潮の被害ですが、カレニア・セリフォルミスという種類のプランクトンが原因らしい・・・。まだまだ詳しい生態がわかっていないのです。
「しきさい」の人工衛星により、海のプランクトンの広がりと海面の水温分布を比較することができていると・・・。
JAXAの地球観測研究センターが、一般の方も見られる様にWEBで公開しています。
被害が報道され始めた9月〜10月にかけての画像では、道東のプランクトンの広がりと海面水温の境目がぴったりあっている様子が見られます。
根室の方から釧路の沖合、そして襟裳岬にかけて水温が15~16℃。浦河や苫小牧の沖合よりも水温が低いことがわかります。
襟裳岬から沖合に向けて、海水温の差がある潮目がくっきり残っていて、プランクトンの分布もこの潮目に沿って南の沖の方へ分布が広がっていく様子が確認できたそう。「赤潮と聞くと、高度経済成長期にリンや窒素・有機物の排出によって起きた等、昔、学校で習った事を思い出しますが近年の赤潮の原因はどうも違うようですね。違う種類のプランクトンだったりする様ですが、これまで赤潮があまり観測されていない海域や湾でも確認されているとか・・。気候変動との関係も指摘されています。」どの様なメカニズムなのか、詳しく解明されることが今後の対策に必要なことだと思われます。

温泉を科学する3〜阿寒湖地域の温泉(尾山 洋一編) [nature treasure]

IMG_3368.jpg IMG_3369.jpg IMG_3370.jpg
IMG_3371.jpg市内の温泉は海水が起源であるのに対し、阿寒湖地域の温泉は雨水が起源の火山性温泉。
実は水質によって大きく3つに分けることができるそうです。
一つは阿寒湖温泉、これは阿寒湖温泉街の温泉。もう一つは雄阿寒温泉、釧路から阿寒湖温泉街に向かう国道沿いにあるホテルの温泉。最後は雌阿寒温泉、これは釧路市ではなく足寄町にあります。雄阿寒温泉は重炭酸イオン(HCO3-)の割合が多く、雌阿寒温泉は硫酸イオン(SO42-)の割合が多く、阿寒湖温泉は両者の中間であることが特徴です。匂いで分かりやすいのが雌阿寒温泉。近づくと硫黄の匂いがします。これは硫化水素が発する匂い。
pHが5〜6の酸性の温泉です。なぜ硫酸イオンの割合が多いかというと、雌阿寒岳の火山ガスが雨水に付加されていたり、硫黄を含む地質を通って地上に出ているからなのだとか。雌阿寒温泉はその名の通り雌阿寒岳の恩恵を受けてできた温泉ということが言えます。雄阿寒温泉はなぜ重炭酸イオン(HCO3-)の割合が多いかというと、おそらく雨水が地中に閉じ込められている期間が長いから。
通常の雨水起源の温泉は数年から数十年を経て地上に出るが、尾山氏の研究から、雄阿寒温泉はおそらく数百年は地中に閉じ込められていた雨水だという結果が出ているそう。地中に長い時間閉じ込められると分解された有機物から二酸化炭素が供給され、重炭酸イオンの濃度が高くなります。
最後に阿寒湖温泉。ホテルなどで入浴できる温泉については、他の2つの温泉と比べると特徴らしい特徴を挙げることが難しいそうですが、自然に湧出している温泉については、実はまだよく分かっていないことが多いそう。例えば、ボッケと呼ばれる泥火山が見られる場所では、湖岸から90℃近い温泉が出ていて、pHも4程度の強酸性、塩化物イオンの割合が多いという独特の特徴を持っているそうです。類似の温泉は雄阿寒岳の麓でも湧き出ていて、「セセキモイ」というアイヌ名がついていると。
「阿寒湖地域で見られる塩化物イオンの割合の多い温泉は、雄阿寒岳の近くに位置しているという事は、あくまで僕の想像ですが、火山ガスが雄阿寒岳から供給されているのではないかと思うのです。」雌阿寒岳は活発な活動をしている火山であるのに対し、雄阿寒岳は非常におとなしい。
でも火山ガスが出ているということであれば、一見静かに見えても、実は静かに活動中の火山なのではないかと想像できるとおっしゃっていました。
尾山氏は阿寒湖地域の温泉を詳しく分析することで、阿寒カルデラのマグマシステムが解明できるのではないかと考えていて、現在も研究を進めている最中です。
※写真は尾山洋一氏からお借りしました。

hanyu hikaru exhibition [close to you <art編>]

IMG_3280.jpg IMG_3281.jpg IMG_3278.jpg
現在、羽生輝氏の展覧会が釧路市内3箇所で開催されています。
それぞれの角度から羽生氏の制作された作品が鑑賞できる内容です。美術館では、美術館所蔵の作品の大きな作品の他、少し珍しいと思われる作品が展示されています。
色合いはいつもの羽生氏のものですが、描いている対象が柿。とても渋い感じがします。ナイフを使っている雰囲気がなんとも言えず・・・。
小さな作品ですが、趣を感じる羽生氏のある一面を見せてくれています。
そして、海外でスケッチされた風景の作品も青の色合いがとても素敵。厳しい冬の寒さを描く羽生氏とはうってかわった側面を感じさせてくれます。
ザ・羽生輝といった大きな作品も見応え抜群。道東の冬の厳しい海とそこに暮らす人の息吹を感じる作品です。
「この風景はどこに行ったら見ることができますか?」という質問をよく受けるそうですが、羽生氏の作品は半分がフィクション。
実際にある場所、ある岩、ある番屋を組み合わせて、一つの大きな場面に構成されているで、描かれたその場所というのはないのです。
「厳しくて優しい方」と言われる武束氏の言葉通り、作品にもそのあたりが反映されているのではないかと私は感じるのです。
この冬、3館(美術館・芸術館・文学館)を巡ってそれぞれの羽生輝に触れてみるのも面白いと思いますし、この様な企画はまずないと思います。
IMG_3277.jpgIMG_3276.jpgIMG_3275.jpgIMG_3274.jpg
(羽生輝展は12/12まで釧路市立美術館で開催中)