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2021.1223 O.A 邦楽 [chord 5]

・恋人がサンタクロース/ 松任谷由実
・安奈 / 甲斐バンド
・クリスマスキャロルの頃には / 稲垣潤一
・サイレント・イヴ / 辛島美登里
・クリスマス・イブ / 山下達郎
~今回は邦楽一般。 定番のクリスマスソング特集です。
セレクトは村田氏。出演 村田氏 & midoriでお送りします。

ナガコンブの長〜い話 vol.1(黒田 寛編) [fun science]

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そろそろお正月。「おせち」にも登場する縁起物のコンブのお話。「よろこぶ」の語ろ合わせから「喜ぶ」、「養老昆布」ともかけるので不老長寿の願いが
こめられていて、おせちでは「昆布巻き」としてお重を飾りますね。
道東ではいくつかの種類のコンブが採られています。最も有名なコンブがナガコンブ。長さが10m以上に、長いもので20mにもなるコンブです。
若い頃のナガコンブは「さおまえ」と呼ばれています。道東では他に、厚葉コンブ(ガッガラコンブ)、オニコンブ、ネコアシコンブという種類のコンブがあります。
コンブ漁業ですが、夏を中心に行われます。漁師さんが朝から小舟を出して、海中のコンブを収穫した後、トラックにコンブを積んで、
砂利を敷き詰めたコンブ干し場まで運び、そこでコンブを広げて乾燥させている光景、見たことがある方も多いはず。
コンブ漁業ですが、釧路周辺で本格的に盛り上がり始めたのは、明治時代に入ってからなのだとか。
釧路~仙鳳趾の海岸に北日本からコンブ漁民が移住し始めたのが明治の初め。国策で、移住が進められたようです。
目的はいくつかあり、主に、中国に輸出するコンブの増産だったそうです。
中国では一体このコンブはどう利用されたのでしょう?一つには、刻み昆布として日本から輸出され、中国では野菜の代用として食べられていたそう。
また、当時中国では、コンブをヨード(ヨウ素)の補給にも使っていたそうで、ある地域では、甲状腺の風土病の薬として使われていたようです。
このヨード不足ですが、今でも、日本以外の国々、特に、発展途上国では深刻な問題で、撲滅されていないそうです。
一方、「日本人の食事摂取基準2010年版」によると、「日本人にヨード不足が起こる可能性は限りなくゼロに近く、むしろ過剰摂取に注意」と書かれていると・・。
それは、コンブやノリ、ワカメ等の海藻を食べる機会が多い日本の食文化に起因していると考えられます。
さらに、海藻には、水溶性食物繊維(アルギン酸とフコイダン)が多く含まれれているので体に良いということは、よく知られている事実。
実は、日本人の腸内には、海藻を消化する酵素遺伝子をもつ腸内細菌がいることが、2010年に、Natureに掲載されました。
要するに、外国の人は生の海藻を食べても体内で消化できないことがほとんどの様ですが、日本人は特異的にこれを消化できるということ。
その理由は、太古から日本列島に住み、海藻を食べてきたその歴史が、私たちの体に代々刻まれているというわけです。

釧路湿原の偉大さ~1(照井 滋晴編) [nature treasure]

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IMG_3390.jpg釧路湿原は私たちの生活を守り、豊かにしてくれています。
そのため、私たちの生活に恵みを与えてくれている釧路湿原を守り、後世に残していく必要があるのです。
そして、それはキタサンショウウオを守ることにもつながるのです。
私たちの生活するエリアのすぐそばにある釧路湿原、日本最大の湿原です。
その広さは約2.6万ヘクタール。100m×100mが1hなので、2.6万ヘクタールというと16㎞×16㎞くらいの面積です。
ただ、今から約70年前の1950年頃には、約3.2万ヘクタールだったそう。かなりの面積の湿原が失われているのです。
その原因は、現在の湿原周辺部の宅地化や農地化、道路建設などの開発が挙げられます。
さかのぼること約2万年前。最終氷期と呼ばれる氷河期の最も寒かった時期。
現在と比べると平均気温で7度くらい寒かったと言われていた頃。
当時は、海の水面が現在よりも約100m低く、現在海のあたりも陸地だったと言われています。
その後、温暖化が進み、海面が上昇。これを縄文海進といいます。
約7000年前は最も海が広がった時代で、現在の釧路湿原のエリアは海になっていました。気温も今より高かったとのこと。
以降、だんだんと海が下がり陸化が進み、約3000年前には釧路湿原の主要な部分は湿原化していたようです。ですから、釧路湿原の歴史はまだ3000年位なのです。
今から約140年前の1880年代、流域の開発が始まり、1940年代後半には戦後復興に伴い森林伐採が進みました。
そして、1960年代から農地開発と河川改修が始まり、だんだんと釧路湿原の乾燥化がすすみ、湿原の面積が減少してきたのです。
釧路湿原はそこにあるだけですが、観光やバードウォッチング、散策、写真撮影、釣りなどのレクリエーション面での経済的な価値を有しています。
この価値を具体的な金額として環境省が報告書を作成しているのですが、釧路湿原の場合は1年間に湿原1ヘクタールあたり約43万~90万円の価値を持っているとされているそう。湿原を1.7万ヘクタール換算しているので、釧路湿原には観光やレクリエーション面だけで年間73億~153億円の経済的価値があるとされているのです。
また、釧路湿原が健全な生態系を維持することで多くの野生生物に生息・生育地を提供しています。例えば、商業的価値のある生物に繁殖環境を提供する生態系は、
それ自体が経済的に価値のあるものと考えることができます。 漁業資源であるサケやサクラマスの自然繁殖地を提供する環境は価値があり、観光資源になるタンショウの繁殖場所としての釧路湿原には価値がありますよね。。。「いわば、釧路湿原はそこにあるだけで色々な面で価値があるのだと思っていただけると嬉しいです。」
※写真は照井滋晴氏からお借りしました。