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釧路湿原の偉大さ~1(照井 滋晴編) [nature treasure]

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IMG_3390.jpg釧路湿原は私たちの生活を守り、豊かにしてくれています。
そのため、私たちの生活に恵みを与えてくれている釧路湿原を守り、後世に残していく必要があるのです。
そして、それはキタサンショウウオを守ることにもつながるのです。
私たちの生活するエリアのすぐそばにある釧路湿原、日本最大の湿原です。
その広さは約2.6万ヘクタール。100m×100mが1hなので、2.6万ヘクタールというと16㎞×16㎞くらいの面積です。
ただ、今から約70年前の1950年頃には、約3.2万ヘクタールだったそう。かなりの面積の湿原が失われているのです。
その原因は、現在の湿原周辺部の宅地化や農地化、道路建設などの開発が挙げられます。
さかのぼること約2万年前。最終氷期と呼ばれる氷河期の最も寒かった時期。
現在と比べると平均気温で7度くらい寒かったと言われていた頃。
当時は、海の水面が現在よりも約100m低く、現在海のあたりも陸地だったと言われています。
その後、温暖化が進み、海面が上昇。これを縄文海進といいます。
約7000年前は最も海が広がった時代で、現在の釧路湿原のエリアは海になっていました。気温も今より高かったとのこと。
以降、だんだんと海が下がり陸化が進み、約3000年前には釧路湿原の主要な部分は湿原化していたようです。ですから、釧路湿原の歴史はまだ3000年位なのです。
今から約140年前の1880年代、流域の開発が始まり、1940年代後半には戦後復興に伴い森林伐採が進みました。
そして、1960年代から農地開発と河川改修が始まり、だんだんと釧路湿原の乾燥化がすすみ、湿原の面積が減少してきたのです。
釧路湿原はそこにあるだけですが、観光やバードウォッチング、散策、写真撮影、釣りなどのレクリエーション面での経済的な価値を有しています。
この価値を具体的な金額として環境省が報告書を作成しているのですが、釧路湿原の場合は1年間に湿原1ヘクタールあたり約43万~90万円の価値を持っているとされているそう。湿原を1.7万ヘクタール換算しているので、釧路湿原には観光やレクリエーション面だけで年間73億~153億円の経済的価値があるとされているのです。
また、釧路湿原が健全な生態系を維持することで多くの野生生物に生息・生育地を提供しています。例えば、商業的価値のある生物に繁殖環境を提供する生態系は、
それ自体が経済的に価値のあるものと考えることができます。 漁業資源であるサケやサクラマスの自然繁殖地を提供する環境は価値があり、観光資源になるタンショウの繁殖場所としての釧路湿原には価値がありますよね。。。「いわば、釧路湿原はそこにあるだけで色々な面で価値があるのだと思っていただけると嬉しいです。」
※写真は照井滋晴氏からお借りしました。

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