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2023.0504 O.A BAND [chord 5]

・東風 / YMO
・中国女 / YMO
・TECHNOPOLIS / YMO
・RYDEEN / YMO
・NICE AGE / YMO
~今回はバンド編です。追悼 坂本龍一 YMO 特集です。
出演は、河口氏&村田氏でお送りします。

くしろのさくら(中山 雅茂編) [fun science]

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気象庁が公開している「さくらの開花日」データをみると、釧路のデータについては1972年から記録が残っているそう。
https://www.data.jma.go.jp/sakura/data/sakura003_02.html
釧路では「えぞやまざくら」を観測しているのですが、1972年の釧路のさくら開花日は5月7日。
「釧路の最初の記録となる1972年だけを見ても、当時の代表的な記録と言って良いのかわかりませんね。そこで1972年から昨年までのデータをすべて、パソコンに打ち込んでみました。1972年 5月7日・1973年 5月12日・1974年 5月18日・1975年 5月22日といった感じです。」
1972年は5月7日に開花ですが、その後は十何日、二十何日・・といった感じ。昨年までの記録を全て確認すると、1972年の5月7日より早かったのは、2015年の5月6日。5月一週目、5月7日までに開花という記録は、この51年間で2回しかなかったということです。
ただ、ここ最近は、2019年5月9日・2020年5月10日・2021年5月8日・2022年5月8日と、5月の2週目でも前半の日が続いていると。
「もしかすると、さくらの開花がくしろで早まっていると、このデータからも確認できるかなと思いグラフを作ってみたら、やっぱり! という感じです。」
釧路の「さくら開花日」データは過去51年間分、もっとも早く開花した日が5月6日、2015年の記録。2015年以降は、5月2週目、5月14日まで開花しており、ここ数年は5月の2週目でも前半の日に開花するという記録が続いているそう。
では、さくらが満開になる日は?「さくら満開日」という記録も残っていて、釧路は開花日のデータよりも古い記録が残っているそうです。
釧路のさくら満開日の記録は、1954年の5月28日という記録から始まっているそう。
「満開の日を迎えるデータも詳しくグラフにしてみると、開花日のデータと同じく、ここ数年、2015年以降は2018年を除き、5月の2週目に満開日を迎えています。
一方、2015年以前は、5月の3週目、1970年以前は5月4週目に満開日を迎えていた年も多いことがわかりました。」
釧路のさくらを楽しめる時期も、この50年くらいの間で1週間ほど早まっているようです。
では、開花してから満開になるまでの日が短くなっているのではないのでは?と考えた中山氏。
「51年間分、51個のデータで調べると、開花して満開を迎えるまで、1日しかかからなかった年、開花の翌日に満開という超スピードの年は・・・ありませんでした。開花して満開を迎えるまで2日間という年は、51年間のうち12回。3日間が17回、4日間が18回、5日間が3回、7日間が1回という結果でした。」釧路では、さくらが開花から満開を迎えるまでの日数が短くなってきているという中山氏の仮説。
グラフにしてみると、開花日や満開日のように、それぞれで確認された2015年以降は早まっている、というような傾向はみられなかったそうです。
「残念と思われるかもしれませんが、そうなんだ、変化がないんだな、という私にとっては発見です。そして、もう一つ、新しい発見が、個人的にはありました。
釧路ではさくらの開花から、2日間~4日間で満開を迎えることが、はっきりしました。」
さあ、今年はどうなるでしょうか?事前収録なので、放送の時にはおそらく開花?微妙なところかな?「釧路でさくらの開花を確認」というニュースが流れたら、日々さくらを眺めて要チェック!満開は2日から4日の間になるのか、ぜひ、注目してみてくださいね。

マリモ研究情報〜冬のマリモに強い光はダメ〜(尾山 洋一編) [nature treasure]

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2022年12月に国際学術誌に掲載された冬のマリモの光合成に関する研究について。
この研究は、神奈川大学4年生の小原晶菜さんと、東京大学の河野優特任助教らの研究グループと共同で実施した研究。
湖の水温が0℃に近いような非常に冷たい時期に、晴れの日の太陽光程度の強い光が長く当たると3時間程度であればマリモは耐えられるけど、6時間以上だとマリモの表面の細胞が枯れて死んでしまう恐れがあるということを室内実験で明らかにした研究。
一般的に、植物には光合成しやすい光の強さというのがそれぞれの種であるそうです。適量を超える強い光が当たると光合成の機能が壊れてしまい、これを「強光阻害」と言います。壊れた光合成機能は、植物の持つ酵素が修復してくれるそう。という事で、強い光が植物にあたると、光合成機能の損傷と修復が起こるのです。
ところが、非常に寒い時期の場合、酵素の働きが鈍くなるので、修復が追いつかなり、やがて枯れてしまうのです。
今回の研究で重要なポイントは2つ。一つは湖が冷たい時期に強い光が6時間以上当たると、マリモの表面が枯れ死んでしまう恐れがあるという事。
もう一つは、3時間程度であれば耐えられるということ。
「3時間も耐えられる植物というのは非常に珍しいんですね。マリモが他の植物には無い、強い光に耐えられる何らかの機能を持っている可能性を示しているわけで、植物の光合成研究にとっては非常に面白い現象なんです。一方で、6時間以上は耐えられない。この発見は何に役立つかというと、私たちが毎年3月に実施しているマリモの氷上観察会のやり方なんです。」マリモの氷上観察会は、阿寒湖の中学3年生を対象としていて、1997年から毎年続けています。
マリモは観察会の前日に、マリモのいる場所の氷を切り出して2m四方の穴をあけ、翌日に氷の下のマリモを観察。冬は植物プランクトンが少ないので水は透きとおり、周囲は氷におおわれているので波も発生しない、晴れた日だと箱眼鏡で水中を除きこまなくても、肉眼ではっきりとマリモが見えるそうです。
「はっきりとマリモが見えるということは、強い光がマリモにあたっているという事。3月の湖の水温は1~2℃程度。普通に考えると強光阻害による光合成機能の損傷が起こっていてもおかしくない状況です。今回の最新の研究で、6時間以上はマリモにダメージを与えるからダメという科学的な根拠が得られた訳なのです。
氷は観察会の前日に開けるので、天気によっては6時間以上強い光が当たる可能性があるわけです。ですから私たちは今年から氷に穴を開けたら、観察会当日までにビニールシート等で遮光することにしました。」
もう一つ懸念していることは、地球温暖化による影響。仮に、阿寒湖が冬に凍らなくなってしまった場合、水温が低い状態でマリモに強い光が当たる条件ができてしまうという事。そこまで温暖化が進むとは考えにくいのですが、一方で、阿寒湖では湖が張っている期間が短縮している傾向が見られるという事実も。
「今回の研究は、マリモの表面から採取した糸状の細胞を使って、強光阻害を研究したものです。マリモは丸いですから、表面に影響があったとしても、内部にどの程度まで影響を及ぼすかはまだ分かっていません。」
※写真は尾山洋一氏からお借りしました。
※音声はこちら・・・https://open.spotify.com/episode/3BB1YOqAocQhSORJIdkyyU