SSブログ

2023.0525 O.A アイドル [chord 5]

・危険なふたり / 沢田研二
・恋する夏の日 / 天地真理
・赤い風船 / 浅田美代子
・わたしの彼は左きき / 麻丘めぐみ
・草原の輝き / アグネス・チャン
・個人授業 / フィンガー5
~今回は邦楽アイドル編。今から50年前1973年アイドルhits特集です。
セレクトは齋藤氏。出演 齋藤氏&midoriでお送りします。

海からみる湿原の役割:道東の海を潤す湿原河川(黒田 寛編) [fun science]

fs0525黒田.jpg
釧路から根室へ広がる海岸線のすぐ近くには、いくつもの湿原が広がっています。釧路湿原、別寒辺牛湿原、霧多布湿原、風連湖や春国岱、根室半島湿原群等々・・・。
自然科学的にも本当に稀で貴重な地域であり、様々なタイプの湿原が点在していて、湿原を研究する専門家にとっても、釧路から根室までの国道44号線は興奮の連続だと。
また、湿原という保水性の高い土壌に希少な動植物が生息していたり、渡り鳥の飛来地や中継地になっていたり、面積はそれほど広大ではなくても、湿原は陸上生態系に
重要な役割を果たしていると考えられています。さらに、湿原は海の生態系にも影響を及ぼしています。
例えば、海水や汽水の湿原域は、アサリやシジミなどの二枚貝の重要な生育場所であることが知られている一方、この様な貴重な干潟域が人工的な埋め立て等により
どんどん日本から失われている現実があります。ただ、わかっていないこともたくさんあるそうです。
例えば、釧路川や別寒辺牛川のような湿原河川を通じて海に流れ出た淡水やその中に入っている栄養物質が、海、特に沿岸域の海洋生態系にどのような影響を、あるいは、どれほどの影響を与えているか?これは定量的に理解されていないとおっしゃっていました。
釧路湿原や別寒辺牛湿原が道東沿岸の海の生産性に影響しているのかどうかすら、確かな数値として未だ誰も示せないということ。
将来、この様な事がわかれば、湿原の新たな価値を海の生産性からも裏付けることができ、湿原を保全するための重要な方策や提言ができると期待をもっていると黒田氏。
そこで、2010年代の中頃から彼は道東湿原域が海に与える影響を調べるため、北海道大学をはじめとする全国の研究者と共同研究を始めているそう。
ほぼ手弁当で始めたそうですが、昨年度から比較的大きなプロジェクトが始まり、本格的に調査を開始。今までに分かっていることを概説していただきました。
まず、湿原を流れる河川の窒素やリンなどの栄養濃度はその他の河川に比べて決して高いわけではないという事。
窒素やリンは、海の植物プランクトンや海藻が増殖・成長するためには欠かせない栄養。窒素関連の栄養で硝酸塩という栄養物質があるのですが、その濃度は十勝川が90だとすると釧路川は20ほど。これは湿原河川の栄養濃度が低すぎるというのではなく、海の生産には十分な量。むしろ十勝川の栄養が十分すぎるという理解が正しいと。
一方、湿原河川で圧倒的に高いのが溶存鉄の濃度。湿原の周辺を散策すると、赤茶けた錆の様な油膜のような水たまりをご覧になった方もいらっしゃるかもしれません。
これは湿原からは大量の鉄が溶けだしている証拠で、このため湿原河川の溶存鉄濃度は非常に高くなるそう。
別寒辺牛川の河川水には、世界の河川平均の30~80倍の溶存鉄が含まれていることがわかっていると。ただ、この大量の溶存鉄は川から海に出て、塩分のある海水と
触れたとたんに海水から一旦消えるそう。これで鉄の運命は終わりではなく、海底に落ちた後じわりじわり堆積物から海水に鉄が溶け出るような過程を経て、
海の植物プランクトンや海藻に使われると考えられているそうです。
さて、道東沿岸域に影響を与えている湿原は道東の湿原だけではありません。道東沿岸にはアムール川の影響を受けた海水もやってきます。
アムール川はロシアと中国の国境付近を流れる大きな川、オホーツク海の北西部に河口があります。アムール川から流れ出た水や栄養物質が一旦オホーツク海に流出し、
その後サハリン東岸に沿って南下し、さらに北海道沿岸まで南下した後、北方四島や千島列島の海峡を通じて太平洋に漏れ出した海水の一部が道東沿岸までやってきます。
ですから、道東沿岸での海の生態系と湿原河川の影響を調べる際は、道東周辺の湿原河川だけではなくアムール川を含んだ『湿原河川と海のつながり』を調べる必要があるということなのだと。「湿原河川と海のつながりを明らかにする新しいプロジェクトは始まったばかりで、これから4年続きます。」
※写真は黒田寛氏にお借りした資料です。
※音声はこちら・・・https://open.spotify.com/episode/2Qb1RNUgxCdgOenmmJJJ2w

今年のキタサンショウウオの繁殖期(照井 滋晴編) [nature treasure]

1.jpg2.jpg3.jpg
今年の春のキタサンショウウオの様子について。 今時期は、もう彼らの繁殖期も終わり、非繁殖期に突入しています。非繁殖期は、主に陸上で生活していて、鳴きもせず、活発に動きもしない時期なのでその姿を見ることはほぼ不可能な時期。 キタサンショウウオの姿を見ようと思うと、やはりオスもメスも繁殖水域に集まり活発に活動する繁殖期が一番。その時期が調査をするにも忙しい時期になると照井氏。
今年の繁殖期はいつ頃からいつ頃までだったのかというと、始まりは3月20日前後。「例年と比べ早いスタートで、私が把握している範囲では、これまでで最も早い繁殖期のスタートでした。単純に地球温暖化の影響だとは言えませんが、だんだんスタートが早くなってきている印象はあります。 この春に、30年以上前に精力的にキタサンショウウオの調査研究をされていた方が釧路市にきて、生息地の案内などをさせてもらったのですが、昔と比べて繁殖期の開始が1週間以上早くなっていて本当に驚かれていました。」今年は、釧路湿原も広いので場所によって差があるのですが4月上旬までに多くの生息地で繁殖期が始まり、4月の下旬頃にはほとんど新しく産卵された卵嚢を見ることがなくなったと。 ただ、今年は繁殖期中にも繁殖期後にもそれなりの降水量の雨天があったため、産卵された卵嚢が日照り続きで干からびてしまったという問題が発生した生息地は少なかったという印象とおっしゃっていました。
孵化した幼生が変態し上陸するのが8月頃なのでまだまだ試練の時間は長いのです、まだ、油断はできません。 ちなみに今年の繁殖期は、2019年以来コロナ禍の影響で実施できていなかったキタサンショウウオの観察会を実施したそう。 実は開催日まで心配事があり、当日まで本当にドキドキだったと。観察会の当日にキタサンショウウオを観察できるのかどうか・・・。 生きものを相手にしているので、見ることができないということも十分にあり得るのですが、できるだけ観察できる可能性が高い日や場所で実施したい。 観察会は4月22日に開催することに一か月以上前に決定していたので、タイミングが悪そうだからといってずらすことはできません。今年はキタサンショウウオの繁殖期のスタートが早かったので、観察会の当日まで1か月ほどあり、繁殖期が終わってしまっている可能性が十分にあったのです。 結果的には、繁殖期のピークは越えてしまっていたものの、観察会に参加してくれた子どもたちにはキタサンショウウオの成体と青白く光る卵嚢を観察してもらうことができたそうです。産卵されたばかりの卵嚢があったり、多くの個体が水中で確認できるわけではなかったので、本当にギリギリだったなという感じだったとおっしゃっていました。
「観察会では、一つだけ悔しかったことがあり、キタサンショウウオを見ることができた瞬間の子どもたちの盛り上がりもすごかったのですが、同じ水域の中を鳴きながら泳いでいるエゾアカガエルがとても人気者で、もしかするとキタサンショウウオよりもカエルを見たり触れたりする方が盛り上がったのではないかという点です。」 キタサンショウウオを未来の子どもたちにも見てもらえるような環境を守っていくには、キタサンショウウオという生きものについて、たくさんの人たちに知っていただくことが大切だと思うので、知ってもらう機会になる観察会は来年以降も続けていきたいと照井氏。
※写真は照井滋晴氏からお借りしました。
※音声はこちら・・・https://open.spotify.com/episode/6uQ6kqC2EP63tGE9jJ77xB