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2023.0601 O.A BAND [chord 5]

・Get Back / THE BEATLES
・Across The Universe / THE BEATLES
・I Me Mine / THE BEATLES
・The Long And Winding Road / THE BEATLES
・For You Blue / THE BEATLES
・Let It Be / THE BEATLES
~今回はバンド編です。THE BEATLES 特集です。
セレクトは河口氏。出演は、河口氏&midoriでお送りします。

北海道の農地を人工衛星で見る(中山 雅茂編) [fun science]

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人工衛星のデータを効率的な農業経営に利用する研究が行われています。昨年、2022年2月にロシアがウクライナに侵攻し、穀物価格の上昇や化学肥料の高騰も問題になりました。日本は化学肥料の原料の一つ「塩化カリウム」をロシアやベラルーシから輸入していました。
また、この侵攻が始まる前には、同じく原料の一つ「リン酸アンモニウム」を中国から約9割、輸入していました。中国が2021年10月、「リン酸アンモニウム」の輸出検査を厳格にしたため、ウクライナ侵攻の前から化学肥料の調達が難しくなり、価格が上昇していたのです。さらにさかのぼると、2008年にも国際的な化学肥料の価格上昇があったそうです。それは、中国やインド等で肥料の需要が増大したのが原因との事。化学肥料の原料には一般的に原油や天然ガス、鉱石などが使われます。その原料のほとんどを輸入調達する日本にとっては大変な状況になってしまうのです。
そこで、肥料の原料を自国で少しでもまかなう方法を考えるとともに、化学肥料の使用量を減らす研究や取り組みが行われています。一つは有機肥料へ切り替えていく方法。牛やニワトリ等家畜の排せつ物や、油粕や魚粉など、生物由来の肥料。もう一つ、化学肥料の使用量を減らす方法として化学肥料の使い方、畑へのまき方を工夫する取り組みが行われているそうです。
「有機肥料は持続性が高く、即効性は化学肥料の方が高い面もあり、大規模に農業を行っていく中では、うまく使分ける工夫が必要のようですね。」
化学肥料の使い方を工夫する点で、まき方をどの様に工夫するか・・・その一つが作物の生育状況にあわせて肥料をまく・追肥する方法がとられているそうです。その際、管理している畑全体に、まんべんなく同じ量の肥料をまくのではなく、人工衛星やドローンのカメラで計測した情報をもとに、必要な場所に必要な量の肥料をまくという事。実は、植物の分布状況や活性度を専用のカメラで撮影すると調べることができるそうです。「畑のように一面に同じ植物を等間隔で植えている場所だと畑のどのあたりが元気に光を吸収して光合成をしているかな・・・ということがわかるのです。」
植物の中でも緑色に見える葉は、人間の目が感じる赤色や青紫の光を主に吸収するクロロフィルと、青緑の光を主に吸収するカロテノイドという色素が含まれています。緑色の光は吸収されるよりも反射される方が多くなり、結果として緑色に見えています。そして、人間の目では見えない近赤外という領域の光は吸収せずに反射しています。元気な葉が緑色に見えるのは人間の目が感じ取る青から赤(波長約400nm~700nm)の光を全部吸収しているわけではなく、吸収されない分は反射されるので葉が緑色に見える。そして、赤色よりも波長の長い人間の目には見えない領域、近赤外という領域の光を植物の葉はほとんど反射しているそう。
「このような光合成に利用されている光の波長帯と利用されていない波長帯の観測をすると、畑の中であれ?この辺だけ光合成が活発じゃないな~という地図情報が作れるというわけ。その地図情報を元に肥料を必要な場所に必要な量だけまけばよいわけなのです。」
「地球観測オープンデータで見る北海道の農地」
https://sites.google.com/view/eooxagrido/home

マリモ研究情報〜マリモの共同研究体制〜(尾山 洋一編) [nature treasure]

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4.png 尾山さんから・・・・・
「マリモ研究室の公式インスタグラムを始めました。マリモや研究室の取り組みをお伝えしていますので、ぜひご覧ください。」

教育委員会マリモ研究室の研究体制について。
「マリモの研究成果について今後も続々と新しい成果が出てくると思います。ここ数年でこの様な成果が出せるようになったのは、大学や国の研究機関との共同研究体制をつくった事によるんです。僕もしばらくは一人でコツコツとマリモの調査や研究を進めていたのですが、分かっていない事があまりにも多く、一人でやっても出せる成果の量には限界があると思う様になりました。そこで自分が一人で研究するよりも、その時間を削って大学などの先生方の研究をサポートした方が、色々な分野からマリモの研究成果が出せるのではないかと・・。現在は8つの大学と1つの国の研究機関と共同で研究を進めていて、それぞれ異なる分野からマリモや阿寒湖の環境を調べているとおっしゃっていました。
大学の場合、研究される方は主に学生さん、卒業研究や大学院の修士・博士課程の研究テーマとしてマリモを扱って頂いているそう。現在30名程度の方がマリモに係わっていることになると・・・。教育委員会は、研究テーマの考案や実験スペースの提供、論文の執筆補助、調査のための各種許可申請の支援、そして阿寒湖での潜水作業を担当。先生や学生さんの研究を全面的にバックアップしているそう。
それぞれの大学や研究機関がどういう研究テーマでマリモに関わって頂いているか、いくつかご紹介。
北海道大学との共同研究では、マリモの新しいモニタリング手法の開発。これまでは主に潜水によりマリモを観察していましたが、マリモ生育地の全部を何度も調べるのは労力的に難しい。ですから、ラジコンボートに水中カメラを付けマリモ群落全体の写真を撮ったり、360度カメラを水中に設置してマリモの状態を記録するといった方法を開発することで、少ない労力でマリモの全体像を定期的に把握することを目指しているそうです。
北見工業大学との共同研究では、主にマリモと阿寒湖の水質との関係を調査。マリモは湖から栄養を吸収して育つので、マリモの生長にどの位の栄養が必要かを明らかにしたいと考えているそう。
神奈川大学との共同研究では、マリモの光合成と水温との関係を調査。寒い時期のマリモの光合成に関する研究成果を紹介いただきましたが、現在は夏の暑い時期も含め、更に調査を進めているそうです。
神戸大学との共同研究では、主に湖の流れとマリモの動きに関する調査を実施。阿寒湖のマリモの年輪に関する研究成果をご紹介いただきましたが、これはもともと、マリモの動きに関係するマリモの密度や重さを調べることを目的としていました。現在も引き続き、阿寒湖に吹き込む風の強さなどを考慮し、マリモが湖の中をどのように移動しているのかを理解するための研究を行っているとのこと。
大事なのは、この様な研究成果を論文として公開すること。研究成果が科学的であるかを保証してもらうために、論文として成果を公開することが必要なのです。「今後も多くの論文を公開してマリモに対する理解を深め、そして保全の取り組みに生かしていきたいと思います。」
※写真は尾山洋一氏からお借りしました。
※音声はこちら・・・https://open.spotify.com/episode/2k13VaeYj567jI90CARtQQ