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2023.0622 O.A 邦楽(TVドラマ、番組テーマetc.特集) [chord 5]

・大都会 / クリスタルキング
・南風 / 太田裕美
・LOVE LAND ISLAND / 山下達郎
・さよならのオーシャン / 杉山清貴
・輝きながら・・・ / 徳永英明
・恋いしたっていいじゃない / 渡辺美里
~今回は飲料CMソング特集です。
曲のセレクトはもちろん斎藤氏。出演は斎藤氏とmidoriでお送りします。

バーチャルな粒々流しで海の生物を科学する-粒子追跡01-(黒田 寛編) [fun science]

粒粒流しで扱われた日本周辺の海洋生物.jpg粒粒流しの例.gif
海に浮かんだ漂流物が、時々刻々と変化する海流の中で、どのように流されてどこに移動するのか?非常に単純な問題に聞こえますが、今も昔も変わらない海の研究者をも悩ませる未来予測の問題。逆に、海に浮かぶ漂流物を発見した際、その漂流物がどこから、どのような経路で流されてやってきたのか?という問題もまた、真実を知るのはかなり難しい問題。漂流物が流される際に、拡散というランダムな動きがそれぞれの漂流物の動きに加わることが原因と。
漂流物の行く末について、最近はバーチャルな海にバーチャルな粒粒(粒子)を大量に流し、それらの輸送経路を計算する事で、海に浮かんだ漂流物がどの様に流されて、どこに辿り着くのか?という事が推定できる時代になったそうです。また、バーチャルに大量の粒粒を流せることで粒粒の拡散の影響も調べる事が可能に・・・。さらに、このバーチャルな粒粒流しのシミュレーション(粒子追跡手法)を使えば、時間を逆方向にもたどることができ、ある漂流物がどこから?どのような経路で流されてきたのか?ということも推定できるとのこと。加えてこの粒粒流しの技術を使えば、様々な環境問題に対応することが可能になるそうです。例えば、船が座礁して重油が流出するような事故が起きた場合、粒粒流しを用いて重油の分布を予測・推定することで、どこにオイルフェンスを張れば最も被害を軽減できるかというような問題の答えが得られたりもするそうです。近年、世界中で問題となっている海洋ゴミの発生源の推定やゴミが集まりやすい海域の特定などにもこのような粒粒流しが使われ、さらに、水産と関わる部分では2021年秋に生じた道東の赤潮の起源を推定するため黒田氏はこの粒粒流しを使ったそうです。道東赤潮の場合、その発生からわずかの時間で赤潮の起源を推定したり、その後の赤潮の広がり方などを予測することができた事例なのです。
そんな粒粒流し、水産研究に使われ始めたのは1980年代から。当時はコンピューターの性能が今と比べると著しく低かったため、かなりアバウトなシミュレーションしかできなかったそう。それが2000年代に入ると、スーパーコンピューターが安価に利用できる時代になり、また、人工衛星や自動観測機器などによる海の観測データが大量に取得され、さらに、この様な世界中のデータが誰でも無償ですぐに利用できる仕組みができたため、ある日ある時刻の海の状態が全球レベルで計算できるようになったのです。<海況予測システム>という海の天気予報システムの登場です。
「私もこうした海況予測システムの開発に30代のほとんどを捧げましたが、このシステムが登場したことで2000年代中頃以降、水産研究分野での粒粒流しを用いた研究が一気に加速し、今や、海況予測システムは水産研究になくてはならない道具になっています。」
ポジティブな事例としては、海洋生物あるいは水産生物が卵や子供の頃にどこにどのように流されるのかを明らかにする目的でも粒粒流しが頻繁に使われているそうです。多くの海洋生物は、卵や幼少期の流され方やその時の生き残り割合が、その後、成長して親になった際の資源量を決めると考えられているため、幼少期の流され方が非常に重要になると・・・。現在、日本周辺では、200近い粒粒流しを利用した水産生物あるいは海洋生物関連の論文が出版されているそう。
「最近、その粒粒流しを利用した海洋生物関連の論文を全て読み直して総説論文を書きました。少しだけ紹介すると、これまで日本周辺でどのような海洋生物が粒粒流し研究のターゲットになったかというと、マイワシ、マサバ、マアジ、タイ、サケ、ウナギ、アナゴ、カレイ、ズワイガニ、スケトウダラ、二枚貝のアサリ、シジミやホタテガイ、アワビ、エビやタコ、南の海ではサンゴの幼生やサンゴの天敵であるオニヒトデ、さらにはミズクラゲやエチゼンクラゲを扱ったもの等。
ただし、このような種類の異なる海洋生物、幼少期に必ずしも完全に遊泳力がないわけではなかったり、あるいは浮力などを利用して微妙に海の中を上下方向に移動したりする生物もいて、さらに流される間に経験する水温などに対しても成長速度や生残割合が魚の種類ごとに異なるのです。」
※写真は黒田寛氏にお借りした資料です。
※音声はこちら・・・https://open.spotify.com/episode/099qE4KJiABtuY2ioPnZU9

キタサンショウウオを守るため・・・(照井 滋晴編) [nature treasure]

買い取った土地.jpg IMG_7308.jpg
キタサンショウウオを守るために実施した保全活動について。昨年度末にキタサンショウウオの生息地になっている湿地2カ所を照井氏の所属しているNPO法人で買取りを行い、キタサンショウウオの「保全地」としました。
なぜ土地を購入したのか・・太陽光発電施設の乱立が関係しています。キタサンショウウオの生息地にいつのまにか太陽光発電施設が建設されてしまったということが何度もありました。一体どうすればその様な事態をできるだけ減らせるだろうか・・・取組みの一つとして、釧路市に対して太陽光発電施設の建設と自然環境の共生を求める要望書を釧路湿原域で活動する他の団体などと連名で提出。結果、釧路市が太陽光発電施設の建設に関するガイドラインを公表。 とは言え、行政側ができることは結構限られていると。「ガイドラインを作製したといっても、あくまでもガイドラインであり法的な拘束力があるわけではないので、従わない業者も出てくるだろうと思います。ガイドラインを参考にする業者がいたとしても、手続きを踏んでいけば、キタサンショウウオの生息地であっても建設することが可能なのです。」 ではどうしたら良いだろうと考え、結果的に一番良いのは太陽光発電施設の用地になる前に土地を取得してしまうことだろうという話に落ち着いたそう。「ためしに釧路地域の不動産を紹介しているHPで、キタサンショウウオの生息地が販売されていないか検索してみました。想像以上に多くの生息地が販売されていることが判明。しかも<太陽光発電施設の用地や資材置き場としてどうか?>という感じで売られていて愕然としました。そのHPを見ながら実際の位置を地図で確認し、これまでの調査の結果から間違いなくキタサンショウウオの生息地であると確信が持て、既に近隣まで太陽光の波が押し寄せている場所、そして価格的に買い手が付きやすそうな場所をピックアップ。その中から私の所属する法人の予算で購入可能な場所を選び、不動産屋さんに行き購入の打診を行ったのです。」結果、釧路市愛国に位置する原野776㎡と釧路市北園に位置する原野592㎡の計約1400㎡を購入。ただそれは生息地のほんの一部。「太陽光発電施設の建設業者にとって確保できない土地があれば、その周辺での建設を諦めてくれるかもしれませんし、そこがキタサンショウウオの生息地だというアピールにもなるので効果があるのでは?と期待しています。」
今回の土地の買取りなどの活動についての新聞記事は、照井氏のSNS等でもその情報を拡散したところ、記事を読んで下さった方から反響も多くあり、活動のために寄付をしたいという連絡もいただいたと嬉しい報告も・・・。
買取りの活動は照井氏の所属するNPOの資金だけでは限りがあります。購入や管理をするための知識や経験も足りないこともあり、今回の買取りについては緊急性が高いと判断し、単独で行ったそうですが長く続けていくには課題が多いことも実際に買取りをしてわかったそうです。
「土地の買取りについては釧路湿原域で環境保全を目的として土地の寄付の受付けや買取りを行っているNPO法人トラストサルン釧路の方と協力し、もっと広く普及し、扱いに困っている土地の寄付や、土地購入のための資金の寄付等を募っていきたいと考えています。」
※写真は照井滋晴氏からお借りしました。
※音声はこちら・・・https://open.spotify.com/episode/6J7uTdepWzfGsUUvhhrHlg