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2021.1104 O.A 洋楽 [chord 5]

・21st Century Schizoid Man (Including Mirrors) / King Crimson
・Epitaph / King Crimson
・Moonchild / King Crimson
・In The Court Of The Crimson King / King Crimson
・Starless [Abridged] / King Crimson
~今回の洋楽編、King Crimson 特集です。
セレクトはToshi氏。今回の出演は、Toshi氏&midoriでお送りします。

地磁気のずれ(中山 雅茂編) [fun science]

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前回オーロラのお話しで出た地磁気。今回はその地磁気について。この言葉を聞いて何を思い浮かべますか?「方位磁針」という方が多いのでしょうか?
磁石の性質を利用して方位を調べる歴史を紐解くと、紀元前500~200年頃の中国にさかのぼるそう。そは、丸型のケースの中で磁力を帯びた針がクルクル回るものではなく、ラーメンを食べる時に使うレンゲのような形をした物と、四角い銅製の板のセット。正方形の銅板の中央に丸い円があり、それを囲む様に文字(子丑寅・・)が等間隔で書かれています。スプーンを銅板の上で回すとクルクルクルっと回転して、回転が止まった時に示す方向が南というように、使っていたそうです。このスプーンの形をしたものを司南(しなん)、現代の表現だと指南となるわけです。最初は、北ではなく、南を示す道具だったというのは驚きです。実際に正確な南をさしていたのでしょうか?「スプーンの様な形で、結構な大きさですから、難しいでしょうね。」と中山氏。
唐の時代の最後の頃、9世紀後半から終わり頃の文献に「磁石の針は軽くまっすぐで、その指し示す方向は正しくなければならないが、やや偏っている・・・」という記載があるとのこと。この「偏っている」という部分ですが、これは「偏角」のことを示していると思われるそう。8〜9世紀頃の中国ではすでに地球の磁力を利用して示される方位磁針の北は、地理的な北とは少しずれるという「偏角」のことを発見していたということですね。ヨーロッパで偏角が知られる様になったのは15世紀頃と言われているそうですから。「まさに地球観測ですよね。」その偏角って?地図上の北(真北)と方位磁針の北(磁北)のわずかなずれ。日本では磁北が真北より西側をさします。釧路で方位磁針を使うと、真北より約8度位西側を指し、沖縄の那覇では5度位、稚内では10位のずれになります。
この偏角ですが、変化していて、伊能忠敬が日本列島の精密な地図を作製した200年前は、ほぼ偏角は0度だったそうです。
地球の地磁気ですが、地球の中心の核の中で発生していると考えられているそう。地球の中心で核と呼ばれる所も、内核と呼ぶ中心部分は固体で、その周りの外核と呼ぶ部分は液体でできていると考えられています。外核がどろどろと流れ、それにより電流が発生し、電流が発生することで磁場も生まれると考えられています。ただ、電磁石を作った時の様な電線ではないので、複雑な流体の流れにより生まれる電流と磁場とが互いに影響を及ぼし合い、現在でも研究が行われている世界との事でした。
※なお、写真は中山雅茂氏にお借りしました。

温泉を科学する2〜釧路市内の温泉(尾山 洋一編) [nature treasure]

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釧路でも市内と阿寒湖地域では温泉のタイプが大きく異なり、結論から言うと、市内の温泉は主に海水が起源の非火山性温泉、阿寒湖地域は雨水が起源の火山性温泉。
雨水が起源か、海水が起源かを区別するのに最も簡単な方法は塩の成分である「ナトリウムイオン(Na+)」と「塩化物イオン(Cl-)」をみること(塩はNaCl)というのがあるそう。海水は塩の濃度が高いので「ナトリウムイオン(Na+)」と「塩化物イオン(Cl-)」の濃度が雨水と比べてとても高いのです。
市内の温泉の塩化物イオン濃度は約2000〜4000mg/l、海水の1/5から1/10程度。これに対して阿寒湖温泉の塩化物イオン濃度は100mg/lに満たないと。
市内の温泉は化石海水なのか、現在の海水なのか、プレートに引きずり込まれた海水のどれかということなのですが、化石海水ではないかと尾山氏は考えています。
化石海水の特徴はカルシウムイオン(Ca2+)の濃度が高いこと。現在の海水のカルシウムイオン濃度は約400mg/l, これに対して市内の温泉のカルシウムイオン濃度は大体2000から4000mg/lと5倍以上高いそう。どうしてカルシウムイオンが高くなるかというと、化石海水は非常に長い時間、地中に閉じ込められているので、周辺の地質と海水との接触で、カルシウムイオンを徐々に溶かし出だしているから。実際、市内の温泉は地下1000mより深い所から採取しているそうです。
市内の温泉が化石海水ということから、実は現在の北海道の成因まで話が広がるのです。北海道はユーラシア大陸側にあるプレートとオホーツク海側にある北米プレートが衝突することで出来上がっているので、市内の温泉は、北米プレートがユーラシアプレートにぶつかって道東地域を作り出す際に地中に閉じ込められた海水なのではと想像することができると尾山氏。他には、市内の温泉でもちょっと変わった化石海水起源の温泉があると。山花温泉は市内の他の温泉と違いヨウ素イオンの濃度が高いので、茶色っぽい色をしています。なぜヨウ素が高いのかについては詳しく分かっていないそうですが、他の地域のヨウ素の濃度が高い温泉の研究を見ると、ワカメやコンブがヨウ素の起源であるという結果が示されているとおっしゃっていました。この様に他の地域の研究例から大昔の道東地域の海で海藻が豊かに生育していた様子が想像することができるのです。海水起源の温泉は溶けているイオンの濃度が高いので温浴効果が高いこと、そして、タラソテラピーと呼ばれる海洋療法に代表される美容やリラックス効果が期待される温泉でもあるのです。
※写真は尾山洋一氏からお借りしました。