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2022.1006 O.A 邦楽  [chord 5]

・真夜中のドア〜stay with me / 松原みき
・都会 / 大貫妙子
・ラムはお好き? / 吉田美奈子
・プラスティック・ラヴ / 竹内まりや
・SEASON / 門あさ美
~今回は邦楽一般。シティポップ特集です。
セレクトは村田氏。今回の出演は、村田氏&midoriでお送りします。

グリーンランドの氷床が融ける!(中山 雅茂編) [fun science]

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IMG_5792.jpg今年の8月末に、「グリーンランドの氷床の融解が270㎜以上の海面上昇につながる」という論文が発表されました。
nature climate changeという、地球温暖化など気候変動の専門学術雑誌で発表されたこともあり、ネットニュースなどでも
取り上げられ、注目されました。
見慣れた世界地図で「グリーンランド」の位置を確認すると、日本が地図の中心にあって、グリーンランドは地図の右か左はじの上の方、緯度が高いところに描かれています。地図の端の方なので、見方を変えると、アメリカとヨーロッパの間にあるとわかります。
北緯、約60度から83度とほとんどが北極圏(北緯66度33分以北の地域)にあります。
日本の面積の約6倍の面積。そのうち80%くらいが氷床と言い、陸地の上を厚い氷で覆われています。
この氷はもともとは雪で、降り積もった雪が厚い氷に変化したもの。
その厚さは平均で1700mもあり、氷床で覆われている面積は日本と面積と比べると、日本の面積の4.5倍にもなるそうです。
人工衛星のデータを利用して、雪や氷の研究に関わっているグリーンランドの氷床の話題をよく聞きます。2019年6月、この氷床の表面が例年よりも広い範囲で融けていることが報告されました。
あまりにも広範囲で氷床の表面が融けたため、一面が湖のように氷が融けた水で覆われました。
同じ年の7月、このグリーンランドで犬ぞりと一緒に調査をしている研究者が投稿した動画がまるで湖の上を走っているように
見えるので話題になりました。この動画は今もYoutubeで見ることができるそう。
https://www.youtube.com/watch?v=8VLiwgiNmZ4
グリーンランドは北極圏あるので、寒い!というイメージなのですが、夏の太陽が高い期間は、白夜となり、太陽が沈まない期間があります。
そのため、氷床の表面がすすなどで汚れていると、そのすすが太陽の光によって温められるので、氷を融かすスピードがさらに増す状況が生まれるので、
この様な氷床表面の汚れを人工衛星で観測することが行われています。
また、最近では、「赤雪(あかゆき)」といわれる現象が注目されているそう。雪や氷が、赤い色素を持った微生物により、赤く染まったようになる現象。
融解が進む雪や氷の表面の温度は低いのですが、その環境に適応した光合成をする藻類なので、光が当たり続ければ、自然と増え続ける・・・すると、このような地域で
大繁殖がおきます。雪氷藻類というそうです。この雪氷藻類の研究する方に加え、地球温暖化のシュミレーションにこの雪氷藻類の影響を加えた計算を行う研究も発表
されているそうです。「ちょっと、雪氷藻類の気持ちになってみましょうか?寒い寒い冬が終わって、グリーンランドだと極夜があって、11月下旬から1月下旬ころに
なるでしょうか。一日中、太陽が昇らないですね。藻類にとっては、活動停止ですね。2~3月もまだ寒い・・。白夜は5~7月。すると徐々に増殖が始まるのです。」
この様な研究は始まったばかり。地球温暖化と雪氷藻類との関係はいかに?雪氷藻類はおそらく昔からいたのでしょうから、そこに着目する研究者もすごいですね。
・「グリーンランドの氷床の融解が270㎜以上の海面上昇につながる」(Greenland ice sheet to contribute over 270mm to sea-level rise)nature climate change
https://www.natureasia.com/ja-jp/nclimate/pr-highlights/14195
・地球温暖化で赤い雪が広がる?~微生物が引き起こす赤雪現象を、地球まるごとシミュレーション~
https://www.iis.u-tokyo.ac.jp/ja/news/3764/

湖を研究する〜溶存酸素2〜(尾山 洋一編) [nature treasure]

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季節や湖の深さによる酸素の量の変化は、湖に暮らす生き物の生態に大きく影響を与えています。そこで深い所で酸素が少なくなることでのメリットについて。
深い所で酸素が無くなると、植物プランクトンの成長に必要なリンという物質が湖底の泥から溶け出します。夏の湖の深い所、特に湖の底の近くではリンの濃度がとても
高くなることがあります。この状態で、台風等の強風により湖が強制的に混ぜられたり、あるいは秋に向けて浅い所の水温が低くなって深い所と混ざりやすくなったりした時に、深い所から浅い所にリンが供給され、植物プランクトンが増えやすくなるということ。
植物プランクトンは動物プランクトンの餌になり、動物プランクトンは魚の餌になるので、結果的に魚の量が増えることがあります。
湖で漁業を営んでいる人たちにとっては、魚が増えることは嬉しいことです。でも、植物プランクトンが増えすぎると湖が汚くなってしまいます。
特に、元々湖の栄養状態が高く、浄化を頑張っている様な所では、深い所の酸素が少なくなり湖底からリンが出てくるのは困った話。
ですから、湖を浄化する際は水をきれいにするだけでなく、底の泥も何とかしないといけないそう。
この様なことで、湖の酸素は古くから重要視されているそうです。さらに、近年の傾向として気候変動、特に地球温暖化の影響を調べることにも活用されていると。
温暖化により水温の高い期間が長くなると、湖がより混ざりにくくなると、深い所で酸欠状態が長くなったり、酸欠状態の範囲が広くなったりするといわれているそう。
日本では滋賀県の琵琶湖で調査が進められていて、湖が冷えて深い所に酸素が供給されることを「琵琶湖の深呼吸」と呼んでいるそうです。
この深呼吸が起こらなくなった年が続いたそう。すると、深い所に暮らす生き物に影響を与えてしまいます。
阿寒湖でも似た様なことが起こるのではと考えられていて、温暖化の影響で湖の水温が高い日が続き、無酸素の状態が長く続くと、夏の間に冷たい深い所に移動する様な
ヒメマス等のサケ科の魚の居場所がどんどん少なくなってしまいます。そのような影響を見るために、阿寒湖では今年から水温や酸素の長期的な観測が始まっているそう。
寒冷な気候の阿寒湖が、気候変動による冷水性の魚の影響を見るのに適していると考えられています。
湖の深い所が酸欠状態となり、湖底からリンが供給されて植物プランクトンが増えると、魚にとっては良い反面、水質の点では悪いという問題があります。
ですから、その土地に暮らす人たちが湖をどのように利用したいかを踏まえた上で、どちらをとるか、あるいは両方のバランスを考えて管理していく必要があり、
そのためには、湖の酸素を測定することが重要になるのです。
「特に、近年では地球温暖化による酸素の挙動の変化についても心配されています。将来的に、阿寒湖が気候変動の影響を評価するための重要な湖として認知されていく
かもしれませんので、研究の発展を期待して頂ければと思います。」と尾山氏。地道な調査は始まったばかりです。
※写真は尾山洋一氏からお借りしました。
※音声はこちら・・・https://open.spotify.com/episode/528rnXadvth3BDzZHNxpOH