SSブログ

200 years of akkeshi kokutaiji temple~2 [close to you <art編>]

02.jpg01.jpg 03.jpg04.jpg
05.jpg今回は文翁和尚坐像についてのお話しです。
厚岸国泰寺の初代住職の坐像です。こちらは頂相と呼ばれるもの。
僧の肖像画のことを頂相と呼ぶそうです。
本来はのぞき見ることのできない崇高な如来の頭頂部の相を指す言葉だったそうですが、
師に対する崇敬の念から、その肖像画をこう呼ぶようになったのです。
実は文翁和尚は初代の住職に選ばれ、40代で厚岸の地へ。
他にも候補の方はいらしたそうですが、長旅、さらに蝦夷地にやってくるには、体力的にも若い方が良かったのかもしれません。
ただ、何が祟ったのかはわかりませんが、厚岸にいらしてそんなにせずに亡くなってしまったそうです。
文翁和尚の坐像、真正面からみると目が伏し目がちです。
実は本堂では少し高いところに安置されていると。ですから私たちが見上げた時に目があう感じになるそうです。
お顔は穏やかで、見つめていると諭されている気分になって来ます。
さらに赤い法衣に金色の袈裟を身につけています。その袈裟には様々な模様が施されています。
展示では見ることができないのですが、実は背中側の袈裟の上、左側に3人の名前が記されています。
手には払子(ほっす)をもち、座禅を組み、帽子(もうす)をつけています。
その帽子にも内側に日付と名前が記されています。これは文翁和尚とどういう関係の方だったのか?
江戸に住んでいる方の様ですが、詳細はまだ調査中とのことでした。
(厚岸・国泰寺の200年は11/23まで北海道立釧路芸術館で開催中です。)

2022.1005 O.A 市立釧路総合病院 緩和ケア内科 岡澤林太郎氏 [close to you <dr.編>]

1.jpg 2.jpg
〜わたしが道東の釧路地区に緩和ケア病棟を実現したいと目標を持ったのが、2016年10月ですので、丸6年ほど現実化にかかりました。
2018年より1年間 笹川財団の奨学金をいただき、札幌南徳洲会病院ホスピスで学びをいただきました。
2019年より市立釧路総合病院に緩和ケア内科を立ち上げ、院内外のご協力をいただき、既存の病棟を改築して、緩和ケア病棟開設に至りました。
コロナ感染症の影響もあり、半年工事開始が遅れるなど色々ありました。それでも当初の目的が果たせて、まずはホッとしております。
完全個室で21床作りましたが、病棟担当医師がわたしひとりでもあり、まずは14床からの運営を目指しております。〜

緩和ケア病棟いよいよ開設ということで、9月28日に病院にお邪魔してお話しを伺いました。
「数年前から釧路に緩和ケア病棟を・・ということで色々な運動をしたり、研修に行ったりしてきたので、もうすこし早くできたらよかったのですが、
でも時間をかけた甲斐があって、素晴らしい設備ができ、皆さんに喜んでいただけるのではないかと思っています。私としても嬉しい気持ちでいっぱいです。
これまで支えてくださった方々への感謝の気持ちでいっぱいです。」と。
先生の中ではやっとという気持ちもあるそうですが、色々な条件が整うまでにこれだけの時間が必要だったという思いが強いとおっしゃっていました。
時間はかかったのですが、良いものができた、いわば、機が熟したといった感じなのかもしれません。
病棟のお部屋も見せていただき、様々な説明を詳細に教えていただいたのですが、どこも機能的な感じがしたのと、どのお部屋も落ち着く感じがしました。
病室というよりはホテルのイメージが近いかも。病院らしくない病院を目指したところもあったそうで、お家ではないけれど、よりアットホームなくつろぎ感のある
癒される様な空間作りがある程度実現できたと。
「僕のこだわりとしては・・・入ってすぐのところに広いロビーというかラウンジがあり、椅子やテーブルがあり、壁には絵画作品、大きなモニターで映像が流れ、
波動スピーカーを天井にしつらえてあります。空間全体がいらした人を癒す様なそういう場を作りたかったので。」
9月の最終週は院外・院内からたくさんの方が見学に見えていて、多くの方に喜んでいただけていたそうです。お部屋に関しては療養される方が使いやすい様に、
濃い木目調の落ち着いた雰囲気と照明も目に優しい間接照明の様な形で光を調節できるシステム。ベッドからトイレに行く導線も広くて車椅子でも通れる様にしたり、
トイレのドアにもこだわりが。L字型の引き戸タイプ。閉めると落ち着いた木目調が広がります。
また、酸素の配管等が木目調の家具の中に収納され、使わない時は普通の壁にしか見えません。ほかには壁紙。まるでホテルみたいなシックな模様が・・。
「専門的治療を受けながら緩和ケアのケアの部分、それが両方とも実現できる環境ができたと思います。総合病院、いわゆる急性期の市立病院に緩和ケアの専門施設が
できたということは地域にとっても意義があると感じています。」緩和ケアはなるべく苦しくなく最期を向けるというのが一番だと思いますが、心の部分も大事にして
いきたいとおっしゃっていました。21床のうちまずは14床からのスタートです。相談や問い合わせは市立釧路総合病院の医療連携室で一本化されています。