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2022.1124 O.A アイドル [chord 5]

・渚のバルコニー / 松田聖子
・ウェディング・ベル / シュガー
・色つきの女でいてくれよ / ザ・タイガース
・少女A / 中森明菜
・センチメンタル・ジャーニー / 松本伊代
・急いで!初恋 / 早見優
~今回は邦楽アイドル編。40年前 1982年アイドルHIT特集です。
セレクトは齋藤氏。出演 齋藤氏 &村田陽平でお送りします。

黒潮と親潮の海洋学〜入門編〜(黒田 寛編) [fun science]

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黒潮・親潮は、英語ではなんと呼ばれているかご存知でしょうか?
答えは、「Kuroshio」「Oyashio」そのままで、日本だけでなく世界の研究者をも魅了する二大海流なのだそうです。
黒潮・親潮の「潮」には『流れ』という意味があるので、黒潮は「黒い流れ」、親潮は「母なる流れ」という意味に・・・。
というのも、黒潮付近の海水は暖かく、プランクトンが少なく透明度が高いので、海に光が入ると吸収されてしまうため、船上からは海水が黒く見えます。
一方、親潮は、冷たくて栄養豊富な水を運び、これが多くの生き物を育むゆりかごの様な役割を果たしています。
なぜ、黒潮や親潮が世界中の研究者から注目されるのでしょう?一つには、太平洋や大西洋では、西側の境界に沿って強い流れができます。
海のどこにでも強い流れができるわけではないので、この「強い流れ」に研究者が魅了されてしまうそう。
例えば、北太平洋・・。東側にアメリカ大陸、西側には日本列島があり、日本列島に沿って黒潮と親潮が流れます。
北大西洋・・。東側にアフリカ大陸やヨーロッパ、西側にアメリカ大陸。北大西洋の西側に沿って黒潮と親潮に対応する「メキシコ湾流」と「ラブラドル海流」。
では、なぜ、黒潮や親潮が常に流れているのでしょう?それは、北太平洋の海上風が黒潮や親潮を動かす「駆動力」であり、この海上風が止むことがないから。
ですから、北太平洋の海上風が変動すると、それに伴い黒潮や親潮の流量や流速、流路等が変化します。
それが、黒潮や親潮周辺で住む魚の生息環境に影響を変え、稚魚の輸送や生残にも影響し、最終的には、私たちの食卓にも影響を及ぼすことになるのです。
この黒潮ですが、どれくらいの幅で、その速度はどのくらいなのか・・・。流れの幅はおおよそ100km位、平均的には1m毎秒位の速さ。
1m毎秒は時速に換算すると3.6km程。ゆっくりの様にも思えますが、1日では86.4km、1カ月では約2600kmにもなるという事。
そして、この黒潮、流れに対して右側の水面が左側の水面よりも高くなっているそうです。流れに直交する方向の水位差が維持されることで、黒潮の強い流れが維持されていると。実際、流れの幅を100kmとすると、流れに対して右側が左側よりも1m高い状態になるそうです。
「幅100kmでたった1mの水位差が維持されるだけで、黒潮という世界有数の強い流れが維持されるという事実には海洋学を学び始めた頃は、本当に驚きでした。」
流れの右側の水面が左側よりも高くなるのは、流れの右側では、左側よりも、暖かい水が厚く輸送され、熱膨張の効果で水面が盛り上がりるという事の様です。
また、同じ様に、親潮についても流れの右側の水面が左側よりも高くなります。ただし、親潮の場合、水温よりも塩分の効果が重要になり、流れの右側で左側よりも、
塩分の低い水が厚く輸送されるので、水面が盛り上がることに・・・。さらに、流れの右側と左側の水位差は、親潮の方が黒潮よりも小さくなるとのこと。
これは、海面付近において、親潮は黒潮よりもゆっくりと流れていることを意味しているそうです。
「黒潮も親潮も北太平洋の西側に作られる強い海流で、両者は海上風が駆動力で、流れの右側の水面が高くなることなどの共通点はありますが、一方で、流れの強さや、
流れの深さ、運ぶ水の水温、塩分、栄養も異なるので、北太平洋の海上風が変化しても、両海流が同じように変化するわけではないことになります。
そのため両者の変動やその関連性は非常に複雑になりますが、実は、そこが面白いところであり、私も、その動的な振る舞いに魅了された研究者の一人なんですよ〜。」
※写真は黒田寛氏にお借りした資料です。
※音声はこちら・・・https://open.spotify.com/episode/04KIkclvoTXmcuuwMaHYER

サンショウウオの調査方法とは(照井 滋晴編) [nature treasure]

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サンショウウオの調査をする際は、まず捕獲すること。 一番簡単なのは、繁殖期に水域内に集まった個体を網などですくって捕獲する方法。
また、非繁殖期にはトラップを使って捕獲を試みます。 トラップといっても難しいものではなく、塩化ビニルのパイプを使って作ったただの落とし穴。
湿原内の数多くの落とし穴を埋めることでそこを通ったサンショウウオが落ちるのを待つ事が結果的には一番効率が良いそう。
その捕獲したキタサンショウウオは、体サイズなどを測り、現地に返します。 生きたまま現地に返すので、翌月や翌年にもう一度トラップで捕獲する事もあるそうです。
どうして一度捕まえた個体だとわかるのか?というと、もう一度捕まった時にわかるように目印をつけてから野外に返すようにしていているから。
「私が実施している方法は2種類。その1つは「指切り法」サンショウウオの指を切ります。残酷だと思われる方も多いと思いますが、両生類の調査方法としては
比較的一般的なもの。キタサンショウウオの場合、前肢後肢とも4本の指があり、それぞれに1~4の番号をふります。捕獲した個体は、それぞれ違う指を切るようにして、その組み合わせで個体の識別をするようにしているのです。 その切った指を使いDNA解析を行ったり、指の骨を調べることで年齢を推定したりしています。 」
ただ、この「指切り法」という方法には問題もあり。。。実は、サンショウウオは指のケガくらいは再生してしまうので、2.3年後にはどの指をきったのかさっぱり
わからなくなってしまうそうです。 そのため、「指切り法」による個体識別は短期的な調査でしか使えないという事。
そこで、長期的な調査の場合はマイクロチップを使います。大きさが約8mm、重さは0.1g以下ととても小さなもの。チップの一つ一つには違った番号が割り当てられて
いて、バーコードリーダーの様な道具を使い、その番号を読み取ることができます。 サンショウウオの調査の際は、このチップを注射器で腹部に挿入。
そうする事で、トラップ調査で一度捕まえた個体をもう一度捕まえた時に、バーコードリーダーで触れるだけで、いつどこで捕まえたサンショウウオかわかる様に。
一度入れてしまえば半永久的に機能するので長期的な調査ではとても有用な方法。 では、なぜ、一度捕まえたキタサンショウウオなのかを知る必要があるのでしょう?
例えば、産卵する水域で捕まえたサンショウウオが、そこから100m離れた所でもう一度捕まったとします。 すると、キタサンショウウオは、最低でも100m位は移動する生きものなのだという事がわかります。ですから彼らを守る為には、少なくても産卵する水域から半径100mの範囲は守らないといけないと言えるように・・・。
「その様な基準がないと、極端な話ですが産卵できる水域を守れば良いと思われ、いつのまにやらキタサンショウウオが姿を消すことにもなりかねません。
また、多くの個体にマイクロチップをいれることで、その年に捕獲したすべての個体のうちマイクロチップのある個体が何%いたのかというデータから、そこに生息する
キタサンショウウオの個体数を推定したりすることができます。」この様な方法で、キタサンショウウオを1個体ずつ識別できるように調査を実施する事で、
少しずつでもキタサンショウウオの生態がわかり、調査方法や調査の範囲も変わり、それが保全にもつながってきているそうです。
※写真は照井滋晴氏からお借りしました。
※音声はこちら・・・https://open.spotify.com/episode/5RD2CPuUQw98Ed8MyC246R