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2023.0323 O.A アイドル [chord 5] [chord 5]

・想い出の九十九里浜 / Mi-Ke
・想い出の渚 / Mi-Ke
・亜麻色の髪の乙女 / Mi-Ke
・ブルーライトヨコスカ / Mi-Ke
・白い2白いサンゴ礁 / Mi-Ke
・あなた / Mi-Ke
~今回は邦楽アイドル編。Mi-Ke特集です。
セレクトは齋藤氏。出演 齋藤氏&村田氏でお送りします。

みんなで考えよう海洋ゴミ問題 〜3(黒田 寛編) [fun science]

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南の海や南国のリゾートのビーチでは、現在、海洋ゴミの問題が深刻化・顕在化していることは余り知られてはいないかもしれません。
さて、今回は、陸や海から捨てられた大量の海洋ゴミ、特にプラスチックゴミが大海原の海面付近を漂い、どこに行くのか?というお話しです。
10年程前に出版されたマーカス・エリクセン氏の科学論文では、海流のシミュレーションを使い、仮想的な海の中で、仮想的に海洋プラスチックゴミを漂流させ、
さらに、実際に観測した海洋ゴミの分布や量的な関係を使い、どの海域に?どのくらいの海洋プラスチックゴミが海面付近にありそうか?ということを計算したそうです。
そこで、北太平洋には、亜熱帯循環流内に浮遊する海洋プラスチックゴミが溜まりやすい場所があることがわかりました。
「すごく雑に説明すると、北太平洋の亜熱帯循環というのは北太平洋の西岸(日本側)から東岸(アメリカ側)に広がる時計回りの循環で、その北西の流れが『黒潮』。
黒潮は日本の南岸にそって東へ流れます。そして日本から離れた後も、東へ東へと流れ続け、果ては北太平洋の東岸にまで達します。さらに、東岸に達すると時計回りに
3時の方向から9時の方向に向きを変え、その後は西へ西へと流れ、再び南から黒潮に合流するような循環を作ります。」
この亜熱帯循環内やその周辺で海洋ゴミが浮遊しやすい・溜まりやすい特徴があるとのこと。その理由は、黒潮のような海流ならびに亜熱帯循環が存在することで、
まるでゴミがベルトコンベアにのって運ばれ、さらに、海上風が作る流れ(エクマン流)が海面付近を漂う海洋ゴミを集積する効果があること等が考えられるそうです。
そして、北太平洋の南国リゾート地の多くがこの亜熱帯循環内にあり、ハワイもまたその一つ。さらに、ハワイ北東部とカリフォルニアの丁度中間位の海域に
「太平洋ゴミベルト(GPGP:Great Pacific Garbage Patch))」と呼ばれる海域があり、特に、海洋ゴミが集積しやすいことが知られています。
さて、海洋プラスチックゴミが海面付近に集積しやすい亜熱帯循環域ですが、世界には5つの亜熱帯循環があります。南北太平洋に一つずつ、南北大西洋にも一つずつ、
それと南インド洋に一つ。これら5つの亜熱帯循環域では様々なサイズの海洋プラスチックゴミが集積しやすい特徴があるそう。
さらに、マーカス・エリクセン氏の科学論文で強調されている事は、南半球では北半球よりもずっと沿岸で暮らす人口密度が少ない。
南半球での海洋プラスチックゴミの発生が北半球よりもずっと少ないにもかかわらず、南北半球の亜熱帯循環でも北半球と同程度の密度で浮遊プラスチックゴミが集積している可能性があるということなのです。これは、海の流れがあることで、海洋ゴミは異なる亜熱帯循環の間を、あるいは、北半球-南半球の間を飛び越えて
簡単に移動してしまう(世界中にばらまかれること)を意味していると黒田氏。
さらにさらに、この論文で強調されていることは、世界の海に浮遊している約5mm~0.33mmのマイクロプラスチックが当初予想された量よりも少なく、
とんでもない量のマイクロプラスチックが海面付近から消えているという結果だったのです。
どの様に海面から消えていくのか?それには、様々な生物化学物理過程が考えられているそうです。
想像できる範囲では、浜に打ち上げられる可能性、鳥などによって陸に運ばれる可能性、紫外線により0.33mmよりもさらに細かく砕かれる可能性、
この他、プラスチックに生物が付着することや、粘土のような無機物とくっ付いて密度が大きくなって沈む可能性、プランクトン・魚などの生物がプラスチックを誤食し、その糞と共に沈む可能性、誤食した生き物そのものが海底方向に移動して沈む可能性、海の中には生物の糞や死骸などの『有機物』がたくさんあり、それらが凝集し
ゆっくりと沈む時にマイクロプラスチックが取り込まれて一緒に沈む可能性等々、多くの生物化学物理過程が考えられているとの事。
いずれにしても、海洋生態系の中にプラスチックが入り込んでしまうと、想像を超えたプラスチックの行く末を考えないといけないということは間違いないと・・・。
「南国のビーチを想像する際に、海洋ゴミ問題がその背後に潜んでいる事実を少しでも想像してもらい、きれいな海をとりもどす大切さを感じてもらえたらと思います。」
※写真は黒田寛氏にお借りした資料です。
※音声はこちら・・・https://open.spotify.com/episode/2MWHNNL0OT4AxZ8u7HyS1M

キタサンショウウオに関する卒業論文(照井 滋晴編) [nature treasure]

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福岡 九州大学の学生がキタサンショウウオに関係するテーマで卒業研究をしてくれたというお話し。
そのテーマは「釧路市におけるキタサンショウウオと太陽光発電所の共生についての研究」市の天然記念物であるキタサンショウウオが太陽光発電施設の建設ラッシュ
によって生息環境を失ってきているという問題に対して釧路市がどう対処していくべきなのかを提言してくれているそう。
「太陽光発電施設の建設ラッシュとキタサンショウウオの関係については、私も度々紹介させていただいたり、新聞等で何度か取り上げられていて、少しずつ問題意識が
世間に広がってきたかなと思っていましたが、まさか九州の学生さんが研究として取り組んでくれるとは思っていなかったので驚きました。」
それは釧路湿原を擁する釧路市と鶴居村、標茶町それぞれの太陽光発電施設の建設によって生じる諸問題に関係する課の職員に対しヒアリング調査を行う方法で実施。
ヒアリング調査の結果、釧路市はキタサンショウウオの生息地で何らかの開発行為をする際には天然記念物の現状変更の許可申請を設けているものの、
博物館担当と市役所の連携がうまく取れていないこと、許可申請を提出された場合にそれを否決する理由事項が存在していないことから直接的に太陽光発電施設建設の
抑止力にはなっていないということがわかったとしています。 これは本当にそうだと照井氏。書類を揃えれば生息地を更地にする場合でも許可が出るので、
規制としての実効性は低いと言わざるを得ない感じと。 そもそも許可申請もなく、いきなり生息地を更地にしてしまう業者もいるそうで、天然記念物の現状変更の許可申請だけだと効果が薄いのはまちがいないとの事。 また、卒業研究では現状を打破するには条例やガイドラインの策定によってむやみな建設に規制を行うのが妥当であるものの、生態系の保全と太陽光発電所の建設に関する条例が制定された前例が全国的にないこと(景観についてはある)、条例を制定したとして実際に有効性をあげられるか
わからないこと、キタサンショウウオの認知度が低いこと、市の担当課が不明瞭になっていることが条例制定のネックとなっていることが明らかになったとのことでした。
鶴居村や標茶町の場合は、自治体が小規模であるが故に条例ないしガイドラインの策定がスムーズに行われたという背景があり、比較的大きな自治体である釧路市の場合は行政の分担を適切に行った上でキタサンショウウオに関係する担当の明確化を図ることが必要だろうとしています。
今後は教育の観点からキタサンショウウオの認知度を高める事や住⺠への土地の返還制度の普及でキタサンショウウオの間接的な保全も求められると結論付けているそう。
「この研究で指摘された現状や課題については、私自身もなんとなくそうだろうなと思っていたものと合致しますし、それを地道な聞き取り調査によって
具体化してくれて、今後の課題がより明確になった気がします。 研究の成果については、釧路市の関係各課にも伝えられているのだろうと思います。
こういう問題や課題があると指摘された釧路市は耳が痛いと思いますが、釧路市以外の方が、丁寧に調べて考察してくれたわけなので真摯に受け止め、今後の対策に
生かしていっていただきたいと思います。 」
今回の研究の結論の一つに、キタサンショウウオの認知度の低さに問題があるというのがありましたが、本当にそうだと感じるそうです。
より多くの地域の方々にキタサンショウウオのことを知って、愛着を持ってもらえれば、太陽光発電施設が乱立することで、キタサンショウウオという天然記念物になっている生物が減少している事に問題意識をもって下さる方々も増えると思うとおっしゃっていました。今後はより一層キタサンショウウオの普及啓発に励みたいとも・・・。
※音声はこちら・・・https://open.spotify.com/episode/4jE0JJ1l6kdpxDvmn1Ooj3