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若冲の展覧会(武束 祥子編) [varied experts]

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2022年4月から金曜日5週目は「かってにアート」と題しまして、作品の鑑賞の仕方の一つとして、もしくはこんな見方もあったのね・・・と思っていただけるような
美術に興味を持っていただける方が1人でも増えてくれたら良いなという思いを込めて、お送りしています。今回は若冲。
何より大学時代に初めてたくさんの人が押し寄せる展覧会にびっくりし、その若冲の魅力にはまったと武束氏。
若冲といえば・・・有名な作品があの鶏でしょうか。まだまだたくさんあることに今回のお話しで気づくことができました。
若冲は幼少期から優れた画才を発揮。10代半ばを過ぎた頃、狩野派の流れを汲む大岡春卜に師事したとされます。ただ、狩野派になじめなかったようで・・・
中国からの宋元画に惹かれ、独自に熱心に模写を繰り返し技術を習得。
彼の生家が商う野菜・市場にたくさん並ぶ魚たち・自宅の庭で飼っていた鶏など、身近にあるものをつぶさに観察し、写生することで独自に腕を磨いていきます。
真面目で、余白恐怖症にも思えるほど、緻密なタッチで描かれる作品。ところが他にもタッチの違う作品を描いているのです。
とにかく多彩。特に、水墨画で発揮されるユーモア。そして、思わず微笑む漫画的な表情づくりの絶妙さは、あのリアルなディテールで知られる若冲の真逆の面。
水墨画に描かれるユーモアや表情は、もしかすると若冲自身の隠された表情なのかも。。。と思ってしまいます。
「私はこの下に飛んでいく鳥が気になって・・・。図録の解説にはステルス戦闘機という表現が。」と武束氏。学芸員ならではの視点だなと思いました。

2023.0331 O.A 「この冬見つけた新たな撮影point」  [varied stories]

逸見光寿さん(写真家)
https://coju.info/

釧路にいらして初めての冬、新たな場所で撮影したいと思っていたそうです。誰も知らない、新たな撮影ポイントを発見することほど、心躍ることはないと逸見氏。そのためにとにかく出かけることという事で様々な場所に足を運んだそうです。
1:厚岸湖
厚岸湖自体は度々撮影していて、この場所は以前から知ってはいたものの、撮影したことはなかったそう。気嵐立つ厳寒の朝、かつ無風という最高のコンディション。
水鏡に写る杭、水面下には無数の貝殻、そして気嵐。真ん中の杭がくびれているのが、余市のえびす岩のようで素晴らしいと逸見氏。
2:牧草地の杭と足跡
別海から弟子屈に向かう途中でたまたま通りかかった場所。「あっ!」と思ったが通り過ぎてしまったので、引き返したと。「わかる〜」という方も多いのでは?
最初は丘の上に向かって連なる、杭の並び方が印象的なのが目に留まったそうですが、よく見ると動物の足跡も特徴的だったとおっしゃっていました。
薄曇りの空の色と流れる雲の感じが、作品を引き立てた。
3:厚岸の牧草地
厚岸から標茶にかけては、丘陵地の牧草地が多いところ。一面雪で覆われた丘の上の木立が絵になる場所。
雲がアクセントになるよう、タイミングを見計らったそうで、木立と雲の感じがなんともいえない。
4:鶴居村
鶴居村では、今までなかなか良い場所を見つけられなかったと逸見氏。タンチョウと温根内木道以外のイメージがほしかったので、車であちこち走り、
ようやく見つけた場所。細い木の林が続き、奥には雄阿寒岳が見える。さらに丘陵地に伸びる木の陰が美しい。
5:白糠漁港
この日は雪が降ったり止んだりと目まぐるしく変わる天気。炭鉱跡と旧白糠線以外のポイントを探していたそうですが見つからず、雪が深く断念。
最後に立ち寄ったのが白糠漁港。赤い防波堤灯台が絵になるポイント。雪が強くなり撮影を諦め車で時間を過ごしていると、雪が止み、夕暮れの光が差し込む。
淡い光と水面の色が作品を際立たせています。
※写真は逸見光寿氏からお借りしました。
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