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barbizon school world [close to you <art編>]

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IMG_7681.jpg落ち着いた雰囲気が漂います。
自然の中にとけ込んだみたいな感覚に陥ります。
バルビゾン派とは1830年ごろからフランスのバルビゾン村に現れた「イーゼルにキャンバスを入れて風景画や風俗画を描く」人たち。
また、それは各人それぞれの性向や画風によって多様な方向が展開されたそうです。
ただ、フォンテンブローの自然、その場で描くという自然主義の姿勢が共通点。
それが、ロマン主義から印象主義へと移行する時代の自然主義への動向を形成したといえるかもしれません。
主要なメンバーは、ミレー、コロー、デュプレ、ドービニー、ドゥフォー等々。
展示されている作品はなんとなく、釧路湿原の風景を彷彿とさせるものがあり、親近感を覚えます。
ミレーの「落穂ひろい」や「耕す人」の版画は人々の逞しさ、生き生きとした感じが伝わってきます。
落ち着いた空間の中でじっくりと鑑賞するにはとても良い機会だと思います。
(田園の夢 帯広美術館名品選 バルビゾン派の世界は9/3まで北海道立釧路芸術館で開催中です。)

2023.0816 O.A 市立釧路総合病院 院長 森田研氏 [close to you <dr.編>]

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6月23日&24日 第25回日本医療マネジメント学会総会参加レポート(国際会議場のあるパシフィコ横浜)が開催され、そこに参加なさった森田氏に2回に分けて色々とお話しを伺いました。今回は後半の内容です。以下は、森田氏の要点を記したメモです。
●日常生活の維持と災害対策についての指針は?
・日赤は全ての都道府県に支部を有し、災害対応の拠点を作っている。こころのケアや市民の健康ケアを普段から支援しておき、災害時の健康支援に繋げるためのボランティア活動を指導。
・医療に連結する前の準備として、市民の暮らしを確保する対応(免震建設・水や発電の確保のための井戸再利用)
・そもそも病院職員も被災すれば避難民であり、平時から住所の分布図を各施設で調べ、統合しておき安否確認に繋げる。
・戦時には活動できる職員を効率的に病院へ集めること、毎年勤務交代で入れ替わることが前提。
・病院幹部は災害時に一定のルールで緊急招集がかかる仕組みをどの病院でも取っているが、そのような緊急招集対応と安否確認がコロナパンデミックの際にしっかりできたかどうかがコロナ後の離職率に関係していたと報告。
・多くの職種が病院にはあり、全ての医療専門職と良好な災害時連携をとりやすいのは「看護師」という職種である。
●災害と言っても色々な種類があります。どのような種類の被害想定をしておくべきでしょう?
・戸田中央メディカルグループ災害対策室長 野口英一氏から大規模自然災害以外の放火火災時のビル対応などの実践的防災訓練ガイドラインについて。
例えば、ビル火災が大規模病院で起こった場合、自力で階段避難ができない高齢者などでは、無理に医療スタッフの労力を使って階下に階段で避難することを考えるよりも、水平移動による避難経路をあらかじめ平時から設定しておき、防煙扉による遮断で火災区域から有害な煙を避難部署に流煙しないような構造設計を準備することで、高層階に入院・入所している高齢者もストレッチャーやベッドのままで迅速に火災被害から退避できると。
・煙対策や、風水災害に対する水災害対応能力評価を各病院で行って平時は訓練を積んでおくことが必要。
・実際に病院で火災が起こる原因の第一位は残念ながら「放火」であり、病院はこのような防災のプロではないことを認識し、通報と避難誘導を目的とした対応マニュアルの整備が望まれる。
水平避難には、煙を天井部分で隔離する「防煙シールド」が古い建築物でも結構有用で経費も安いため、導入しない手は無い。そのように同じビルの階で安全な避難場所を作り籠城することが可能で、地震と違いある程度、火災防災は予測できるところが特徴である。
●続いて、災害拠点病院としての新築計画と病院建築にまつわる問題について。
・国立保健医療科学院の医療・福祉サービス研究部の小林健一氏から医療 BCP に求められる病院建築について。世界地図で地震や自然災害の頻度を示すと日本は非常に危険エリアにあることがわかる。阪神淡路・東日本の大震災では建築設計の基準を変えるほどの被害が生じ、そのような建築で幸いビル崩壊を免れたとした場合、災害発生時から何日目まで籠城できるかという条件が建築の面からも問われている。道路の瓦礫を片付けて道路啓開が可能となる3-6日まで籠城できることが理想。その様な籠城を病院で行うためには職員の生活維持が病院で可能にならないと災害時 BCP は難しい。
●では、実際の地震津波災害で起こる被害は具体的にどういうものなのでしょう・・・
・東日本大震災では、直接外科的対応を要する救急患者は、溺死が多かったことより、結果的に少数だった。また、直接的被害ではなくて、東京電力の計画停電によって千葉県の広い範囲で二次的停電が長引き、予想外の場所で医療機器の通電のために自家発電燃料輸送を必要とする事態が生じた。
・1ヶ月あまり空調、 CT、MRI 、滅菌装置の節約を強いられたために手術が出来ない地域病院もあった。デジタル化や電子化で多くの医療機器が停電で影響を受けるため、在宅医療が拡大されている地域では在宅酸素療法が維持できず、100名近くの方が緊急搬送された病院に自家発電の燃料輸送を必要とする事態が生じた。
・一方 2016年の熊本地震では地域の特性として平常時の給水が井戸水の利用割合が高く、地震で濁ってしまうため使用できないという問題があった。熊本はこの後、線状降水帯による被害にも見舞われ、複合災害になった。地域の事情に精通した行政機関との連携による防災計画が個々の特殊性を把握した上で進められる事が大事。1961年に伊勢湾台風被害を受けて制定された災害対策基本法を全国各地の地域の特性に合わせた地域防災計画が 2013年に策定された。行政機関には地域をよく知る防災の専門家が必ず居るので、その方々と協調する事がポイントだと小林健一研究官は結論されていた。