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良い肖像写真とは・・・(武束 祥子編) [varied experts]

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金曜日5週目は「かってにアート」と題して、作品の鑑賞の仕方の一つとして、もしくはこんな見方もあったのね・・・と思っていただけるような
美術に興味を持っていただける方が1人でも増えてくれたら良いなという思いを込めて、お送りしています。今回は良い肖像写真とは・・・?。
どうやら写真家だけでは素晴らしい写真は撮れないみたいです。というのは、撮られる被写体となる側にも演技力が求められるとか。
それを幕末時代の写真を見るとよくわかるとおっしゃっていました。日本人としてご紹介くださったのが上野彦馬。坂本龍馬、高杉晋作をはじめとする幕末の志士たちの写真を撮影。横浜の下岡蓮杖とほぼ同時期に写真館を開業したそうです。その下岡蓮杖とともに日本の写真家の始祖と呼ばれているとのこと。
海外ではフランスのフェリックス・ナザール。この人は肖像写真を芸術写真にまで高めたと賞賛されている方だそう。19世紀前半から20世紀初頭に活躍。
風刺画家、気球乗り、発明家、写真家として活躍したそうです。「このラザールはすごいですよね。まるで肖像写真の中から動き出しそうな感じさえしますよね。」
確かに語りかけてきそうです。そこで、肖像写真ですが、写真家と被写体となる人物との協力があってこそ完成するというお話し。
もちろん、第一に構図ありき。そして写真家の演出。被写体にどういうストーリーなのか説明し、そこから演じることのできる雰囲気を作り出す。そして最後は被写体の演技・・・ということなのです。
集合写真は現在と違って、全員が前を見ていません。端の人たちは中心を見ているのです。そこにはストーリーがしっかりと組み立てられていて、それを演出する写真家と演技する被写体がともに作り出す空間があるのです。

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