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fun and serious creators [close to you <art編>]

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IMG_8422.jpg今年も釧路に愉快なおじさまたちがやってきました。
陶芸とガラスと木工の素敵な作品が並んでいます。
今回は作家さんではなく、ギャラリーオーナーの鈴木恵子氏にお話しを伺いました。
そもそも陶芸の加地氏の作品に惚れ込んで彼の作品展に足を運んだのがきっかけと・・・。
その後加地氏がいつも一緒に活動をしているガラス作家と木工作家に声をかけ、それから現在まで交流が続いているそう。
釧路にもファンの方がジワジワと浸透してきた頃かと思います。
実際に手にとって作品を鑑賞していただけるとその良さが伝わると思うのですが・・・
ここで鈴木氏が3人を紹介した文章をご紹介したいと思います。

●加地学氏・・・北海道札幌出身。20代、住込みで稼いだお金をもとでにインドへ。その後、無から有を生み出す陶芸に魅かれ、先ずは全国の窯を訪ね歩く。そして師である森岡成好氏と出逢い弟子となり、数年の修業の後、留寿都で製作をスタート。現在は伊達に窯を移し、蘭越・野幌・剣淵・滝上・小樽等、北海道の土にこだわり、それぞれを薪窯・釧路の石炭を使った石炭窯など土地に根差した作品作りに励んでいる。又、今年は無印良品主催のアートプロジェクト Life in Art JAPANCRAFT『百工のデザイン』展への参加(北海道から2名)など活躍中。
●西山亮氏・・・日本のスタジオグラス第一人者 舩木倭帆氏に師事。 一番弟子として4年の修行の後、ヨーロッパでの活動を経て、長沼にglashausを設立。各コンペティションでの入賞、夕張映画祭のトロフィー製作など、幅広いジャンルで活躍。彼の創り出す深いオリーブ瑠璃色に魅せられ続けている。
●菊地聖氏・・・札幌生まれ。日大芸術学部演劇科舞台装置コース卒。CM制作会社、匠工房を経て、1995年、家具工房「good dogwood」設立。全国の木工家、木漆芸家などを取材してきた編集者で木工ラ  イターの西川栄明さんによる 6人の木の作り手に選ばれる。和紙工芸とのコラボで生まれたオリジナル染色の紐を組み込んだスツールなどは、何とも座り心地の良い温もり感溢れる作品。
(北の愉快な仲間たち〜陶芸・ガラス・木工手仕事展はギャラリー&サロン 迦倶楽で開催中です。)

2023.1122 O.A 市立釧路総合病院 院長 森田研氏 [close to you <dr.編>]

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臓器移植法に基づく脳死臓器提供が道内で2000年に開始されてから、2010年に家族同意での提供や小児の提供が可能となった改正以降、少しずつ増加していた臓器提供が、現在はコロナで低下しているそうです。
欧米や隣の韓国では日本の数倍から10倍以上の臓器提供があり、国内の臓器不全で苦しんでいる方々に適正な医療として行われていて、日本も技術的には世界でも例を見ない臓器提供率(一人の脳死患者あたり)、成功率を示している一方で、先進国の中で最も低い提供数と・・・。
その中で、北海道は比較的日本の中では提供が多い地域。北海道大学や市立札幌病院をはじめ札幌や旭川の各病院で数例の提供があったそうですが、最近はコロナで提供数が落ち込んでいて、移送に時間制限のある心臓移植などでは道内の患者さんが移植を受けられない状況が続いているそうです。特に心臓は4時間以内とか。ということは本来は北海道内で完結できるのが良いのでは?と素人は考えてしまいます。
北海道臓器移植医療推進財団では、心臓移植や肝臓移植、腎臓移植、角膜移植など実績のある移植に加えて、北海道で初めての肺移植施設となった北海道大学病院の呼吸器外科教授 加藤達哉先生の講演をはじめとする臓器移植推進道民大会を11月25日(土)13時から札幌市ウィステリアホールでハイブリッドオンライン開催するそうです。3人のドクターの講演の後、パネルディスカッション形式で意思表示について考えるというテーマで討論を予定しているそう。
臓器移植についての北海道の今を理解できる内容、そして自分自身についても考えるきっかけになりそうです。
入場は無料で、釧路からはオンライン参加が可能とのこと。お時間のある方はぜひ参加してみてくださいね。
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<臓器移植推進道民大会>
●日時:11月25日(土)13:00~15:00 ●場所:ウィステリアホール(札幌市中央区南1条西14丁目南1条ビル)
●参加費無料・事前申し込み不要(会場にお越しの方は事前申込み必要。FaxかQRコードからの申込み)●会場及びオンラインのハイブリッド開催
ーーーーーーーーーーー基調講演
・座長:北海道大学病院 臓器移植医療部 部長 嶋村 剛氏
・講演 「北海道の地で待望の肺移植実現へ」北海道大学病院 呼吸器外科 診療科長 加藤 達哉氏
・講演 「北海道における心臓移植医療の現状と未来」北海道大学病院 心臓血管外科 診療科長 若狭 哲氏
・講演 「救急医療における臓器提供」北海道大学病院 救急科 診療科長 早川 峰司氏
ーーーーーーーーーーーパネルディスカッション
「意思表示について考える」
・座長:北海道臓器移植コーディネーター 高橋美香氏
・救命救急センター長 (旭川医科大学病院 岡田 基氏、帯広厚生病院 山本 修司氏、市立函館病院 武山 佳洋氏)
・院内コーディネーター(旭川医科大学病院 松尾 昴氏、帯広厚生病院 佐伯猛氏、市立函館病院 千葉利香氏)
・認定NPO法人 北海道バーバリアンズ ラグビーアンドスポーツクラブ  和田昴樹氏、佐藤優氏

詳しくは・・・
https://www.pref.hokkaido.lg.jp/hf/iyk/167341.html

北極域研究船の建造(満澤 巨彦編) [varied experts]

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今回は、特に温暖化の影響を大きく受けている北極域を観測調査する船の建造が進んでいるというお話しです。
南極については、南極観測船「しらせ」が毎年、昭和基地への物資輸送やその航海で周辺の観測調査を行っていて、ご存じの方も多いと思います。一方、北極は日本では専用の観測船はありませんでした。かといって調査がされていないというわけではありません。JAMSTECで海洋地球観測船「みらい」が主に夏場、北極海に行き海洋や気象、大気の観測を行っているそうです。ただ「みらい」は耐氷船。砕氷船ではないので、海氷で覆われている場所での観測はできないのです。このため、北極関係の研究者からは大分前から砕氷能力のある研究船建造の要望がでていたそうですが、なかなか実現しなかったそうです。
さて、今建造中の北極域研究船、2年ぐらい前に設計等建造が始まり、2026年の就航を目指して、横浜の造船所で建造が始まっていると・・・。船の大きさは、全長が128m、幅は23m、総トン数は13000トン。JAMSTECでは「ちきゅう」についで2番目に大きな船とのこと。重要な要素となる砕氷能力は、厚さが1.2mの氷海を3.0ktの船速で連続砕氷ができるということです。
海洋の調査観測は海水を採取したり海底までの水温を測ったり、海底の生物や岩石の採取やカメラで海底を観察する場合など、同じ場所に泊まって作業することや、人が歩く速度より遅くゆっくりと移動する必要があるそう。この点が船長泣かせ。でも最近では同じ場所にとどまることができる定点船位保持の機能が向上しているとおっしゃっていました。ダイナミックポジショニングシステム、略してDPSとかDP。普通の船は前後に進むためのプロペラが後ろについていますが、船が横にも動けるようにスラスタと呼ばれる推進器を船の前側と場合によっては後ろ側にもつけて、前後左右の推力をうまく制御して同じ位置にとどまるようにする仕組みとのこと。JAMSTEの船では、飽和潜水の海域実験のために1985年に就航した「かいよう」に国産初のDPSが装備され、その後「新青丸」や「かいめい」「ちきゅう」に装備されているそうです。北極域研究船にもこのダイナミックポジショニングシステム、定点保持機能が装備されることになっているそう。
次に北極域研究船のミッションです。地球温暖化の影響は極域で大きく、特に北極海は温暖化の影響が顕著で、大きな変化がでています。急激に変化が進む北極域で、海洋観測、気象観測、生態系の調査、それぞれの相互関係や、過去の環境履歴やその変遷、また、氷海域の航行の安全性や経済効果、海氷の下の観測技術開発などが主なミッションとして掲げられているそうです。海洋観測では、海の中の水温や塩分、酸性化の指標となるpHを測るCTDと呼ばれる観測装置や深さ毎に海水を採水する採水器が装備され、これで、地球規模の深層循環の大元である北極海での冷たく重い海水の生成規模や状況、その変化の把握を期待しているとおっしゃっていました。
気象や大気の観測では雲の構造や雨や雪の状態などを観測するドップラーレーダーや高層の大気の状態を調べるラジオゾンデの放球システム、広い範囲の海氷状況の確認や安全確保のためのヘリポートも装備されるそうです。また、海底の生物や地形、地質を観察し採取する無人探査機や海氷の下を航行する航行型の無人探査機や海氷下の観測を目的とした水中ドローンも装備される予定と。さらに航行しながら海底地形や地磁気や重力を計測する最新の観測機器等も搭載される事になっているそう。
そして、海洋・地球観測を多角的に観測するための最新の機器が搭載される研究船なので、それらの装置を確実に運用するための船の運航や観測のプロ、観測技術者の協力が必要となります。「私自身は直接このプロジェクトには係わっていませんが、JAMSTECが長年培ってきた経験と実績が求められる国際的なプロジェクトを担う研究船になるので、これからも機会を見て建造状況などお伝えできればと思っています。」
※尚、写真・イラストは JAMSTEC 満澤巨彦氏からお借りしました。
・写真上(左)は北極域研究船の模型:全体、船首の下側の穴は横に移動する時に使うスラスタが格納されている。
・写真上(真ん中)は北極域研究船の模型:船首部分。
・写真上(右)は北極域研究船の模型:後部にはヘリポートがある。
・写真中(左)は北極域研究船の氷海域航行のイメージ
・写真中(右)は北極域研究船の氷海域航行時の横からのイメージ
・写真下は北極域研究船の砕氷航行のイメージ
参考:北極域研究船パンフレットPDF:https://www.jamstec.go.jp/parv/j/overview/pdf/parv_ja_202108.pdf
北極域研究プロジェクト紹介サイト:https://www.jamstec.go.jp/parv/j/
気象庁海氷域面積の長期変化傾向(北極域):https://www.data.jma.go.jp/gmd/kaiyou/shindan/a_1/series_arctic/series_arctic.html

2023.1117 O.A 「阪神フィーバーとおでんの具」 [varied stories]

https://studio-cooper.jp/

プロ野球・日本シリーズは第7戦で阪神が勝ち、38年ぶりの日本一を決めました。やはりその話題から・・と思ったのですが、実はあまり興味がないそうで。。。
ただ大阪の街の中は大きな盛り上がりを見せたそうです。川に飛び込む人もいたそうです。警備もしっかりしていたそうですが、道頓堀川には37人が飛び込んだとか。怪我人はいなかったそうですが、検挙もされなかったそうです。もちろんセールも様々なところで開催されていて、ただ、開店前から並んでいないと・・・いわゆる並ぶ文化の方々でないと大変かも・・・と。「意外だったのは、日本一が2回目だったということ。38年前には実は僕も友達の法被を借りてにわかファンでメガフォンを持って応援していたんですよ〜。岡田監督が選手だった頃です。」興味ないとおっしゃっていましたが、意外と熱い想いが心の底にはあったりして・・・。
さて、寒くなると食べたくなるもの・・・全国共通だと思うのですが、お鍋がありますよね。おでんの具材に何を入れるのか?気になってお聞きしました。
石垣ではおでんに豚足を入れるというお話を耳にしたので、大阪は?と思った次第です。
「京風だし、基本はカツオと昆布。そこに大根、タコ、巾着・・・そうそうスジ肉はマストですね。変わったところではエビイモが入っていたり。子供の頃ですが、クジラのコロが入っていたことも。」
それ何でしょう?食感が変わっていて、ラジオの尻尾の脂とか皮みたいな感じとおっしゃっていたのですが、気になって調べてみました。
〜コロはクジラの皮下脂肪を鯨油で揚げたもの。 見た目は乾燥に見えますが揚げ物。 コロはコラーゲンたっぷりで、おでんにすると臭みがなく、おでんの汁を吸ってもちもちして、美味〜と載っていました。今でも出しているお店があったり、コロを真空パックにして販売しているお店もあるみたいです。
そして・・・もう一つ食べ物のお話。ガイドブックで目にした大阪寿司。箱寿司とありましたが、押し寿司ですね。木製の型にエビや魚の切り身と酢飯を重ねて詰め、押して四角い形に整える寿司のこと。大阪では明治時代にサバやアジなどを材料とした押し寿司が普及、その派生料理として日常のもてなしを目的にタイやエビ、アナゴの高級食材を用いた箱寿司が考案されたそうです。仕込みにかかる手間から提供店は減りつつあるそうですが、今もなお伝統技術と味は引き継がれているそうです。
「そういえば、昔はお店が商店街にはありましたね〜」
※写真は田伏伸次氏からお借りしました。
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2023.1116 O.A BAND [chord 5]

・The Take Over, the Breaks Over / Fall Out Boy
・This Ain't a Scene, It's an Arms Race / Fall Out Boy
・I'm Like a Lawyer With the Way I'm Always Trying to Get You Off / Fall Out Boy
・Golden / Fall Out Boy
・Thnks fr th Mmrs / Fall Out Boy
・You're Crashing, But You're No Wave / Fall Out Boy
~今回はバンド編です。Fall Out Boy 特集です。2000年代から・・・
セレクトは河口氏。出演は、河口氏&midoriでお送りします。

地層がずれる〜入境学(汐見層)編(境 智洋編) [fun science]

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高台から海岸を眺めてみる・・・なんだかわかりますか?
そう、地層のズレがよくわかるのです。さらにそのズレは海岸線まで続いています。
転がった岩もきっと影響なのでしょう。
今回は潮が結構満ちていて、波も高かったので、いつも行く場所までは到達できませんでした。
また違う風景が広がるのですが・・・
目の前に現れた汐見層。模様というか、岩の感じが幾何学的に見えます。
ここにはたくさんの貝化石が入っているのがわかります。小さな小さな貝ですが、巻貝や二枚貝等様々。
今から4000万年以上前の貝ですよ・・それが目の前に現れているなんて、なんとも不思議な気分です。
釧路地方では一番古いと思われる汐見層。今から4000万年以上前には海だった岩が、目の前でみることができるのです。
※音声はこちら・・・https://open.spotify.com/episode/1BhQyCX6KoA898RIzpjibt

野生動物の住むところ、人のすむところ(笹森 琴絵編) [nature treasure]

笹森1シャチ.png笹森2 ヒグマ.png笹森3   エゾシカ.png 
全国的にクマやエゾシカによる農業被害や想像もしない場所でばったり出会うことによる被害が相次いで報告されています。
酪農家はもちろん、自治体、科学者、ヒグマ対策の専門家、ハンターチームらが4年間追い続けた、オソ18の最期とその後の顛末をご存知でしょうか?釧路町の役人の方がオソとは知らずに駆除。首都圏に売られ、人間に食べられてしまった。あっけないその結末に驚いた方は多かったのではないでしょうか。
テレビでも各社が報道していましたが、笹森氏が色々と番組をみる中でNHKスペシャルを見て思ったことを教えてくださいました。オソの骨をみつけ分析。見えてきたのは・・・仮説にしても、あまりに深い闇。雑食であるヒグマが、放置されたエゾシカの肉を日常的に食べたことで肉食に偏り、エゾシカの代わりに牛を襲うようになったのでは?と。怪物と呼ばれたヒグマのオソ18の異常性は、そもそもは人間活動が野生動物の食性や行動をも変えてしまったことで生まれたのです。つまり怪物を生んだのは、人間に他ならないという話しです。オソはヒグマとして異常で、この一頭を駆除すれば解決と誰もが思っていました。ところが本質はもっと根源的で、オソにまつわる一連の問題は始まりに過ぎないかもしれない・・・そんな可能性が見えてきたということなのです。異常にみえる野生動物の行動の背景にあるものをみない対症療法をメインに続けている限り、この流れは止まらないかもしれないと・・・。
鯨類については、魚を食いつくす人間の敵呼ばわりされる場面もあります。「ただ個人的には、鯨だけが原因でイワシやサンマやイカがいなくなるという言い方は、少々偏っているのでは?と思います。」これらの実態、あるいは真偽を客観的に知ることは何より大切。ただ、野生動物に対する行動を起こす前に、なぜそうなったのかという背景も検証し、根本から正す・直すのでなければ、長い目で見ると別の問題が起きることが危惧されると笹森氏。「確かに、ヒグマ・シャチ・エゾシカ等から実際に被害に遭われている方にとっては死活問題。手っ取り早い解決手段としての駆除を否定はしません。でも、オソのハンターチームの1人が先の番組でもらしたように、第二第三のオソは必ず出てくる。いや、もう出ているかもしれないという言葉。狂った果実あるいは異常な個体を取り除いても、問題の本質が根元にあるなら、駆除では本当の意味での解決にはならないのです。」海の幸も山の幸も、そこでしか生きられない、その幸を作り出すために貢献、つまり生態系を構成している生き物たちのためにあります。彼らの食べ物を搾取しない事もこれからは双方のために必要。また、環境保全について学ぶ科目をしっかりとカリキュラムに加えることも必要とも。「鯨やイルカウォッチングも、末永く安定した事業を行いたいなら、こちら側にもそれ相応の節度が求められます。接近距離、観察時間、接近観察を行う対象につき、細かく厳しくルールを設定し、動物にストレスや危害を加えないこと。ザトウクジラが船にのしかかってきた、シャチが船を襲撃する、イルカスイム中に噛みつかれたり、水中に引きずり込まれたといった事故は、人間側の落ち度や過剰な行動が招いた事故、あるいは拒否反応と受け止めるべき。これらの全てが人間側に落ち度があるとはいえなくとも、動物の棲み処にお邪魔している側が行動を正すのが当たり前。配慮が行動につながれば、このような事故を未然に防ぎ、動物も安心して自然な行動や姿を見せてくれる・・はずです。」人間も地球に生きる動物の一部。野生動物たちが形づくる自然界に属し、依存し、生かされています。たとえ町で暮らす日常の中では実感はわかなくても、このような概念を持つ事が、自然を、そして私たちを救うことに、やがてはつながると笹森氏はおっしゃっていました。
※写真は笹森琴絵氏からお借りしました。
※音声はこちら・・・https://open.spotify.com/episode/04fjlZfXlFmhuJKskP0dQ4

fascinated [close to you <art編>]

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釧路市内外には毛綱毅曠のユニークな建築物が要所要所に存在しています。ちょっと変わったデザインなので、当初はいろいろな意見があったことでしょう。
ただ、その建築に魅せられた人々もたくさん。中には作家の方もいらっしゃいます。
そこで、今回は毛綱建築に魅せられた作家が描いた作品が展示されています。
もちろん、毛綱毅曠の初代代表作「反住器」の設計図(複製)の一部も。彼の筆跡がなんとも可愛らしく見えてきます。
羽山雅愉が描いた「黄昏・釧路」には現在の釧路センチュリーキャッスルホテルが描かれ、幻想的な雰囲気に包まれる空気感が伝わってきます。
ビン カシワが描いた「フィッシャーマンズ・ワーフ」には楽しげな街の雰囲気が描かれています。センターにはもちろんタイトルになっているフィッシャーマンズ・ワーフ。遠くには阿寒の山並みも・・・西洋人ぽい人たちの姿も・・・楽しいパーツが所狭しと描かれています。
そして遠藤理子が描いた毛綱毅曠建築の数々。釧路市立博物館、MOO、釧路市湿原展望台、そして新作の反住器。
毛綱建築作品に魅了された作家、創作意欲を刺激された画家たち。彼らのフィルターを通してみる毛綱建築。
あなたの目にはどう映りますか?
(描かれた毛綱建築は11/26まで北海道立釧路芸術館 フリーアートルームで開催中です。)

2023.1115 O.A 林田クリニック 院長 林田賢聖氏 [close to you <dr.編>]

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くしろ健康まつりで講演なさった「あしたが変わる心不全 トリセツ」について詳しくお話しを伺いました。
まず、心不全とは・・・・心臓の機能が悪いためにむくみや息切れが起こり、だんだん悪くなって生命を縮める病気。また、心不全は心臓のポンプ機能が異常に生じて、十分な量の血液を全身に送り出せない状態。その心不全は高血圧、心筋梗塞、不整脈、心筋症、弁膜症、糖尿病など様々な疾患が原因になるそうです。
心不全で苦しんでいる方は年々増えているそうです。推定総数ですが、2010年には約100万人だった患者数が、2020年には約120万人になり、今後2030年には約130万人に上ると。まさに林田氏曰くの心不全パンデミック。
日本人の死因の第1位は悪性新生物、第2位が心疾患(高血圧をのぞく)、第3位は老衰、第4位は脳血管疾患、第5位肺炎と続きます。
心不全と癌の生命予後ですが、全がん5年生存率が63.2%、心不全4年生存率が55.7%という調査結果が出ています。
心不全ですが、入院日数と院内死亡率は低下しているそうですが、1年死亡率は低下が見られないとか。
実は心不全、薬を飲むとよくなる方が多いそう。そこで治ったと思い薬を飲むのをやめてしまう。それが問題なのです。
あくまで薬は予防のためのものなので、それを飲まなくなると・・・その後は想像がつきますよね。
心不全はステージABCDと分かれているそうで、ステージAとBは受診前。症状としてあまりよくわからない感じ。高血圧や糖尿病、動脈硬化疾患等・・・・。
ステージCになると心不全が発症します。そこで受診するという方がほとんどだそうです。
「この進行ステージのうち、発症前のステージAやBで勝負したいのです。」やはり、普段からかかりつけ医を持って危険因子を減らしていく。
さらには予防が一番大事ですから、症状がでる前、普段の生活を見直し、自分の中の危険因子をチェックしてみるのが良いのでは。。。と感じました。

能の台詞〜よくよく物を案ずるに(中西 紗織編) [varied experts]

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物語がある程度進んできて「よくよく考えてみたら、こういうことですよね」と改めてわかったり気づいたりする・・・そんな場面で出てくる台詞。
●《自然居士》
 シテ:説教者 自然居士 子方:少女(または少年) ワキ:人商人 ワキツレ:人商人の仲間 アイ:雲居寺門前の男
シテは自然居士、この能のタイトルとなっている説教師、仏の教えを説きながら修行している若者。その自然居士が京都の雲居寺で七日間かけて人々に仏の教えを説いています。最終日、少女が一枚の小袖を自然居士に捧げ、亡き両親を弔ってくださいと頼みます。けなげな姿に、居士も人々も涙します。するとそこに人商人が登場し、あっとういう間に少女を連れ去ってしまう。少女は、両親の追善供養をしたいために、自分の身を売り、小袖を手に入れたのでした。自然居士は少女の救出に向かいます。やがて琵琶湖のほとりで一行に追いつきその船に乗り込み、人商人たちからどんなに脅されようと、少女を返すようにと言って一歩もひきません。少女の解放をしぶしぶ決めた人商人たちは、そのままでは気持ちがおさまらないので、かの有名な自然居士の舞を見せろと要求。舞を舞わせながらさんざんいじめてやろうと、人商人同士でしめし合わせます。舞台上で烏帽子を着けた自然居士がまさに舞を舞おうという時に、この台詞を言います。「よくよく物を案ずるに」と。そしてこんな台詞が続きます。少女を救い出したけれど、人商人にしてみれば、ただ放してやるのでは不満がおさまらない。だから私をさんざんいじめて恥をかかせてやろうというのだな。あまりにもひどいことではないかと。自然居士は人商人の企みをわかっていて、その上で、無理難題を次々クリアし芸尽しの舞を舞っていく。わが身を捨ててでも人を救おうというその思いは揺るがないのです。ついに少女を無事解放させ、ともに都へ帰っていくという清々しいエンディング。
●《源氏供養》
 前ジテ:里の女 後ジテ:紫式部の霊 ワキ:安居院法印 ワキツレ:同伴の僧(2.3人)
「源氏」とは、『源氏物語』のこと。最初に、安居院の法印と名乗る僧とその一行が登場。この人は平安から鎌倉時代に実在した聖覚というお坊さんで、安居院法印の通称で知られる人物。安居院法印は、仏法を説いて人々を仏の道へと導く「唱導)」の名手として活躍し、この能の冒頭部で「今日は、信仰する石山観音にお参りするところです」と言います。そこに一人の女が登場し、「私はその昔この石山寺にこもり『源氏物語』を書き上げました。しかしその物語の供養を怠ったため、成仏できずにいます。どうか供養をして私を救ってくださいと安居院法印に頼むのでした。この女の正体は『源氏物語』の作者、紫式部の幽霊。夜が更けると、安居院法印の一行は『源氏物語』の供養をし、紫式部の霊を弔います。すると、後ジテの紫式部の幽霊が本来の姿で現れ、感謝を込めて舞を舞うのでした。この能の最後の場面で地謡が言うのが「よくよく物を案ずるに」という台詞。続いて、紫式部こそ、かの石山観音なのだと。その観音様がこの世に現れて、そこに綴られた物語は夢の世のような儚いものなのだと人々に伝えようとしたのだというような言葉でこの能が終わる。
●《草子洗小町》
 前ジテ:小野小町 後ジテ:同人 ツレ(後):紀貫之 ツレ(後):壬生忠岑 ツレ(後):凡河内躬恒 ツレ(後):官女(二人) 子方:天皇 
前ワキ:大伴黒主 後ワキ:同人 アイ:黒主の下人
物語は、大伴黒主の悪事、陰謀が中心。大伴黒主という人は、平安時代の歌人、歌舞伎でもなぜか悪者として描かれている。能《草子洗小町》では、大伴黒主が宮中での歌合せに勝ちたいという思いから、歌合せの相手の小野小町の家に忍び込み、小町が詠んだ歌を盗み聞き。その歌は古歌だと主張するために、黒主は『万葉集』の草子にその歌を書き入れるのでした。歌合せ当日、帝の前に紀貫之、壬生忠岑、凡河内躬恒といった錚々たる歌人が勢ぞろいし、小町の歌が読み上げられる。すると黒主がこれは古歌の盗作だと主張し、万葉集の草子を差し出します。ところが、その歌のところだけ筆の様子が他と異なっていることに小町が気づき、草子を洗ってみてくださいと言うのでした。すると、その歌だけが洗い流されて消えてしまい、あとで書き入れたものだということが判明。企みがばれてしまった黒主がこの台詞を言います。「よくよく物を案ずるに。恥辱よもあらじ。自害をせんとまかり立つ」よくよく考えれば、これほど恥ずかしいことはない。自害をしようと席をたつと・・・。すると小町が止めます。これも歌の道への強い思いのためだからと小町がとりなし、黒主の罪は許されるのでした。歌合せはめでたくおさまり、小町が春の景色の中美しい舞を舞い「和歌の道こそめでたけれ」と、能は締めくくられる。