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2021.1222 O.A 市立釧路総合病院 泌尿器科 森田研氏 [close to you <dr.編>]

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今回は人間の体の中に入れるデバイスの多さと、検査に関するその安全性についてのお話しです。
CTやMRIの解像度が上がり様々な病気の診断効率が上がり、10年前には診断できなかったことも判るようになってきました。
CTはX線を使うので放射線被曝の問題がありますが、MRIは磁気を使うので今のところ人体に有害な影響は指摘されていないとのこと。
MRIは硬い頭の中の画像も、骨に囲まれた前立腺や骨の近くの神経や筋肉等の画像も鮮明なので、脳神経外科や整形外科をはじめとした広い範囲で大きな診断ツールになるそう。ただ、このMRIにも弱点はあり、強力な磁場を作って画像が鮮明になればなるほど、体内にある金属や電子機器に影響が出てくるそうです。
人工的な医療機器の体内埋め込みは心臓のペースメーカーが有名ですが、今では様々な医療機械が開発され、知らずにMRIを行うと悪影響が出るのでMRIが禁止になる機械も増えているそう。MRIは強力なほど磁性体の金属(鉄、ニッケル、コバルト)を強力に吸着。MRIの部屋に入る時に磁性体金属を持ち込むと飛ぶので大変危険。
点滴のスタンドや酸素ボンベ、車椅子等がMRIに吸着されMRIが破壊される事があり、ポケットの文具が飛んでいってしまうので怪我をする危険性もあると。
ですから、MRIの入り口には空港の金属探知機並みの厳しさで金属を持ち込まないかチェックを行っています。
ペースメーカー以外には、 街中で倒れた人に使われるAEDも小型化され埋め込まれる様になったり、 心臓以外では、体内神経刺激装置、骨の成長刺激装置、
インスリンや薬剤の注入装置、 人工内耳と呼ばれる聴覚装置等。また血管内に留置するカテーテルやステント、フィルターや出血を止める金属クリップ、
骨の手術に使う金属部品の一部、歯のブリッジやネジなどの金属は磁性体ではないかどうかを逐一調べる必要があると。
意外なのは、刺青やアートメイク等の皮膚に色をつける染料の中には導電性のある成分を含むものがあり、知らずにMRIを撮って電流が流れて熱を発生し火傷したという報告が多いと。化粧やアイライン、ピアス、ネイル等々全て発熱する危険性があり、落としてから検査が望ましいそう。
他には、絆創膏に薬剤が入っているタイプの傷の保護剤の中にアルミニウム等の成分があり同様に電流が流れて火傷をしたとか、
糖尿病の方の為のインスリンの血糖値測定とインスリン注射を行う装置が熱くなったとか、衣服に織り込まれていた金属繊維の一部に磁性体があり皮膚に触っている部分に火傷を起こしたとか、その様な事故が起こっているそうです。今後は体内に入れても他に作用を及ぼさない機器の開発が望まれるという事なのでしょうか?
「体内医療機器が電気で動いている装置の場合はMRIによる電流の影響は避けられないと思います。ある程度の磁場が生じても耐えられる医療機器が出てきていますが、今度はMRIの磁場が新しい機械は強力になり耐えられないという事例も出てきて・・・いたちごっこです。」

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