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2024.0228 O.A 釧路労災病院 緩和ケア内科 小田浩之氏 [close to you <dr.編>]

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釧路にいらして4年半ほど。緩和ケア病棟を小笠原院長代理とともに立ち上げ、ホスピタルアートにも力を入れていらっしゃいました。
このほど労災病院を退職することになり、あらためてですが、緩和ケアについてお話しを伺いました。
釧路労災病院が緩和ケア病棟<れぽふる>で取り組もうとなさってきたことは大きく3つ。
一つは入院期間が長くなっても追い出さない。何かあったらいつでも戻ってくることができる。療養型の病院への転院はさせない。治療が必要であればいつまでいても良い。体調が落ち着き、自宅や施設に戻っても何かあったら365日24時間いつでもベッドを用意する。ターミナル(終着駅)ではなく、ガソリンスタンド。
二つ目は、入院が必要ながん患者さんなら誰でも受け入れる。労災病院にかかっている患者さんでなくても、まだがん治療の半ばの患者さんであっても、痛みや気持ちの辛さなど、入院加療を通じてできることがあれば、できる限り受け入れる。(ただし、ホテル代わり、施設代わりではなく、あくまで病気で入院が必要な場合)
そして、三つ目は、「ありがとう」と言える関係をつくる。実際に運営していくうちにそう感じたとおっしゃっていました。症状が重くなって人の手を借りなければならない状況になっても、「迷惑だから」「こんな風になっては生きている意味がない」ではなく、手を貸す側も借りる側も「お互いさま」「ありがとう」と言い合える平等な立場での治療・療養にあたる。
緩和ケア病棟<れぽふる>の特色は・・・リハビリテーションを全患者で実施したそう。これは専用リハピリスペースは全国でも珍しいそうです。
また、口腔ケアを全患者で実施。そして、ホスピタルアートの実施などがあげられます・。
どの業界でも人材不足が叫ばれますが、緩和ケアの世界も同じとのこと。
北海道の現状としては、日本緩和医療学会専門医・認定医の数は、全国で1367名、うち北海道は54名。
北海道専門医・認定医の所属ですが、がん診療連携拠点病院 8/21施設(専門には3人のみ)緩和ケア病棟 14/25施設。
最近は緩和医療の専門医が育っていないのが現状とのこと。道東緩和ケア人材不足の深刻化には、そもそも全道的な緩和医療医の不足と高齢化があるそうです。
他の業界の人材不足と同じです。「多分、それぞれの病院で、道内の緩和ケア医を取り合っても解決策にはならないと思います。育てることを考える、あるいは人材がいなくても回るシステムを考える時期なのだと思います。」
さて、10月12日&13日に札幌コンベンションセンターで「第47回日本 死の臨床研究会 年次大会」が開催されます。こちらに関わっていらっしゃる小田氏。学会ではないので、一般の方も参加し、いろいろな話を聞いたり、お話ししたりできるそうです。ホスピタルアートもなさるそうです。
テーマは<つらさやかなしさを持つ人々と共に歩む>近くなりましたら、またお話しを伺うことを約束し今回の結びとなりました。

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