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調査船スタッフの役割や業界用語・・(満澤 巨彦編) [varied experts]

写真1一般公開で子供たちに説明する「よこすか」船長.jpg写真2「新青丸」甲板作業の様子1.jpg写真3「新青丸」甲板作業の様子2.jpg写真4「新青丸」司厨部特性カレー.jpg
現在JAMSTECには大きさの順に地球深部探査船「ちきゅう」〜5万トン級の船で海底をボーリングして調査研究するための掘削船。極域観測研究船「みらい」、海底広域研究船「かいめい」、学術研究船「白鳳丸」、深海調査潜水船支援母船「よこすか」、1600トンの東北海洋生態系研究船「新青丸」の6隻の調査船を運航。「最近は乗船する機会がめっきり減りましたが、私がよく乗船したのは「なつしま」「かいよう」そして「よこすか」「新青丸」です。私は大学で石狩川や天塩川で漁船を使った調査の経験はありましたが、寝泊まりができる船はフェリーぐらいしか乗ったことはなく、船上で調査観測の経験もない状態でいきなりの乗船でした。最初に乗船した時は船長が一番偉いぐらいしか知りませんでした。」船長以外の船員さんとしては、航海士、機関士、通信士がいます。通信士はインターネットなどが普及して無線を使う機会が減ったこともあり、最近JAMSTECの船では電子士と呼んでいるそうです。航海士は船を操船し運転する人たちで一等航海士、二等航海士、三等航海士がいます。機関士は船を動かすための動力や機械を運用したりメンテナンスしたりする役目ですが、機関長が一番偉く、一等機関士、二等機関士、三等機関士と続くと・・。通信士は無線局長、最近は電子長と呼ぶそうですが、その電子長と通信士とそれぞれ階級があるとのこと。航海士は操船するだけでなく甲板の作業なども担当し、船全体の安全管理も。特に一等航海士は船上作業全般の責任者。機関士は、船の後ろ側のエンジンに近い場所にある機関制御室という場所で作業。通信士は無線や衛星電話、インターネットを使って陸や他の船舶と連絡をとったり、その通信に使う機器のメンテナンスを担当。JAMSTEC船舶の場合は船に装備された観測機器、例えば海底地形を調べるために使う装置や、海底の位置を把握するための音響機器、データ処理をするためのコンピュータなどの管理をしているそうです。また、病気や怪我をした時、「ちきゅう」には航海の規模によっては船医が乗ることがあるそうですが、通常は船医は乗船しません。病気や怪我の時は、航海士あるいは機関士で衛生管理者の資格を持つ方が対応。必要に応じて陸上と連絡をとってクスリをだしたり、注射したり、傷口を縫合したり・・。さらに、航海士の補助をしたり船上での作業をしたりする甲板部、機関士のもとでエンジンや発電機などのメンテナンスや修理をする機関部、航海中の食事をつくる司厨部があるとのこと。人数は船の大きさや作業内容で変わるそうですが、甲板部は甲板長の下に5~6人、機関部は操機長の下に4~5人、司厨部は司厨長の下に3人ぐらいの方がいらっしゃるそう。
船の運航は基本的には4時間ごとの3交代制。船長、機関長以外は1日2回4時間の仕事。一等航海士、一等機関士は朝と夜の4時~8時で「ヨンパー」、二等航海士・二等機関士はやはり朝と夜の8時から12時で「パーゼロ」、三等航海士・三等機関士は昼と夜中の12時から4時で「ゼロヨン」で各々2回1日8時間仕事をするそう。
さて、最初に船で困ったのは業界用語と満澤氏。例えば、先ほどの「ヨンパー」「パーゼロ」とか普通の会話にでてくるとか・・。操舵室はブリッジとなんとなくわかりますが、機関制御室のことを「コーンルーム」、船から観測機器を海中に投入することを「レッコ」と言うそうです。「コーンルーム」はコントロールルームの略。「レッコ」はレッツゴーの略。これから派生して物やごみを捨てることも船では「レッコ」と言うそうです。
特に乗船して最初に覚えるのは船員さんの呼び方。船長、機関長、一等航海士、二等航海士、三等航海士、一等機関士、二等機関士、三等機関士、通信長、甲板長、操機長、司厨長・・・。○○さんと名前で呼ぶことはなく肩書あるいはその略称で呼ぶのが普通だそう。確かに覚えるまで大変そうです。。。
※尚、写真は JAMSTEC 満澤巨彦氏からお借りしました。
・写真上(左):一般公開で子供たちに説明する「よこすか」船長。制服の肩章には4本の金線が入っています。機関長も金線4本ですが金線の間が紫色。
・写真上(右):「新青丸」での甲板作業の様子。右端でマイクを持って指示している方が一等航海士(チョッサー)、甲板で作業全体をみて各担当へ指示をだす。
・写真下(左):「新青丸」甲板作業の様子。右側手前で背を向けている方が操機長(ナンバン)、この時は一等航海士の指示でウインチ操作をしている。
・写真下(右):「新青丸」司厨部の特製カレー。航海中は食事が楽しみと満澤氏。

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