SSブログ

古い地層がずっと東へ続く(境 智洋編) [fun science]

IMG_2346.jpg IMG_2347.jpgIMG_2348.jpgIMG_2353.jpgIMG_2355.jpgIMG_2356.jpgIMG_2357.jpgIMG_2359.jpgIMG_2360.jpgIMG_2361.jpgIMG_2370.jpgIMG_2372.jpg
ポントマリの東側、海に向かって右側、西側にはトド岩とタコ岩が見える。ここは汐見層が東へ向かってずっと続いています。
古い古い地層の汐見層は硬い泥岩なのに、海の上では風化してバラバラの細かい砂に変わっていくのです。
この場所から徐々に東に向かって汐見層が沈みこむのが地層からもわかります。
その中にレキがあって、太陽の光でキラキラ光ってまるで宝石みたいに見えました。
それはどこから来たものなのか?この岩自体は・・・
「今は何千万年という時を経て地表に見えて来たと思ったら、すごいことですよね。」と境氏。
地球のダイナミックさを、その歴史を感じることができる場所がここにあること自体が本当に素晴らしいことなのだと砂浜を歩いて感じるのです。

神出鬼没なツチクジラ(笹森 琴絵編) [nature treasure]

1 笹森ツチ 群れ.jpg 2 笹森ツチ テールアップ.JPG 3 笹森ツチ.jpg
北太平洋の比較的水深の深い海域に生きるツチクジラ。20分から1時間ほど潜水が可能なのだとか。
深海魚や甲殻類、イカやタコ等を餌にするので、息が長く続かないと餌をとれないのです。
血液や筋肉組織に蓄えることのできる酸素量が多いので、長時間のダイブが可能なのだそう。
体長は大体13m前後。シャチの1.5倍くらいとの事でかなり大きいカラダ。どうしてツチクジラと言うのでしょう?
てっきり体の色が土色だから?と思いきや違うみたいです。鯨類の仲間と比べると比較的口ばしが長く、先端から歯が突き出していることで見分けられるそうで、
この形が物を打ち付けたり、潰したりする工具の槌(つち)に似ているからなのだそうですが・・・。
群れで行動するそうで5~20頭くらいが多いそうですが、それ以上の大きな群れもたまにいるそう。
一斉に潜り、一斉に浮上する。何もなかった海面に突如として丸く広がる噴煙が海面すれすれにフワフワと現れ、続いて大所帯が一斉に浮上する。
ツチクジラはイシイルカ同様にずっと捕鯨の対象とされています。いわば人間と関係性の強い生き物です。警戒心が強いそう。人間がそうしてしまったのかもしれませんね。
笹森氏が初めて彼らを見たのは釧路沖。綿あめのようにふわふわ漂う噴気が見えるのに姿が見えない。
そんな彼らを「忍者みたい」と思ったとおっしゃっていました。
「子供を守る群れの絆の強さ、一頭がジャンプすると他のメンバーも一斉に飛び始める連携のとり方、その遊泳時やジャンプの時の力強さに会う度に驚かされました。」
※写真は笹森琴絵氏からお借りしました。

japonais authentique [close to you <art編>]

01.jpg 02.jpg03.jpg05.jpg
緻密・非常に細かい・肩こりそう・これが手作業?一番最初に作品を見せていただいた時の私の感想です。
曼荼羅、幾何学模様を切り絵になさっている樫尾容子氏。やはり手先は器用で、幼い頃から図画工作・美術が得意だったそう。
なぜ切り絵を始めたのでしょう?実は大人の塗り絵を始めやっていて、それを切り絵にできないかと自分なりにリメイクしてチャレンジしたのが最初とのこと。
テーマはその時その時によって変化し、思いつくまま下絵を作成。その時のイマジネーションの元は自然の様です。
風の匂い、海の波の音、川のせせらぎ・・・。自分の中にためたイメージを増幅し、下絵に込め、それから無心で切る。
実は今回、フランスパリで開催されている「サロンアート ショッピング パリ」に出品なさったのです。
樫尾氏がアップしているインスタグラムの写真にダイレクトで連絡が舞い込み・・・。
その時に出品なさったのが、一番上の作品2点です。
一つは命がテーマ。コロナウイルス が蔓延している中、命の尊さを感じ、自分らしく生きること、人も動物も自然も地球も全ては繋がっている。そう感じて作成した作品。
もう一つが勲章がテーマ。誰もが違う才能や素質を持っていて、皆が違って良いんだ。そしてそれぞれの色で輝いているという思いで作成した作品。
やはり切り絵の細かさが評価されたのでは?と樫尾氏。関係者の方やお客様の反応も届いたそうですが、
・日本人の緻密さを感じる・かかる時間や作業工程、道具を詳しく見たい
・色合いが好き・禅を感じる・手作業とは思えない・宇宙とのつながりを感じる等のコメントがあったそうです。
来年はシンガポール国立美術館や上野の森美術館での出品も決まっているそうです。
現在は、フルイドアート(ポーリングアート)に興味があり、身近なものを材料に試しているそう。
でもあくまで切り絵ありき。今後この切り絵たちがどんな形で進化して変化していくのかとても気になります。
08.jpg06.jpg07.jpg10.jpeg

2021.0818 O.A たなの眼科 院長 棚野一郎氏 [close to you <dr.編>]

cd0818棚野dr.jpg
最近は、学校検診で眼科で診てもらうように言われた子供たちが多くいらっしゃるそうです。学校検診では視力検査や色覚検査のほかに、眼科医が学校に訪問し、検診するということも。眼の視力以外の症状の検診をするそう。アレルギー性結膜炎がないかどうかや睫毛乱生症と呼ばれる逆さ睫毛がないかどうか、ほかには斜視があるかないか等を主に診ているそうです。視力に関しては全国的にみても近視の子供は増えてきているそう。その背景にあるのは、授業でタブレットを使用したり、
ゲームの機械が小型化されて画面が小さくなっている、その小さな画面で動画等をみる機会が増えているというのがあるとのこと。そこに拍車をかけているのがコロナ禍。家の中にいる時間が増えたりすることで近視の子供が増えてきているそうです。1点集中でじっと画面を見ることがないように、画面を何分か見たら遠くを見て目を休めることが必要と言われています。学校の検診で眼科を受診してくださいと言われ、実際に診てみると大丈夫なことも多いそうです。
ただ、その次の年も同じ様に言われたけれど去年と同じだから眼科に行かなくても大丈夫という訳ではないみたいです。年齢によって急速に近視が進行する事もあるそう。
基本的には検診を受ける様に言われた場合は自己判断はしないで、やはり眼科に行って診てもらうことを勧めるとおっしゃっていました。他にレアケースとして、右と左の視力が大きく違う時には弱視が隠れている場合もあるので、適切な時期に診てもらうことが必要ともおっしゃっていました。
続いて大人の方への白内障の手術に関して。多少点眼内レンズを入れる方が増えているそうです。従来の白内障治療は単焦点レンズを使用していました。
要は遠近両用の白内障のレンズを眼の中に入れるという手術があり、以前は先進医療という形で医療保険の先進医療特約に入っているとそれでカバーできたそうですが、
去年先進医療から外れ、選定医療という形になり、今治療が行われているそうです。多少点眼内レンズはかなり自然に見えている感じがするとおっしゃっていました。
このレンズ、遠近というタイプと最近は、遠中近というタイプ、今後は4焦点という様な高性能レンズが出てくる予定があるそうです。

能を楽しむトピック・・・(中西 紗織編) [varied experts]

01.jpg 02.jpg
今回は能をこんな視点から観ると面白いよ〜というトピックをご紹介いただきました。
1:能の歴史と人物・・・能の生まれた背景には中世の死生観があります。歴史上有名な登場人物も数多く登場します。
2:視覚的特徴・・・能舞台や能の舞台空間、能装束、能面、道具類や作り物など。演劇としての能として、能の演技、能の鑑賞を通して見える世界。
3:音楽的特徴・・・謡、囃子。謡の中の七五調のリズム、能独特の音響空間。能楽堂の響。さらに演じる「声」の面白さ、独特な発声法、声の演技に耳を傾ける。
4:物語(ストーリー)・・・見えない世界を「見える化」する演劇が能。根底にある仏教思想を感じる。
5:世阿弥の言葉・稽古哲学・・・伝書に見える言葉や考え方。「秘すれば花」「時分の花」「無心」等。
6:能のゆかりの土地・史跡・・・例えば能の羽衣は三保の松原、富士山。その様な場所を訪ねてみる。
7:装束・面・道具類のメンテナンス・・・虫干しは演能で使っている装束や面、道具類を蔵から出し舞台や見所に広げて風を通す夏の行事。
8:能の鑑賞法・鑑賞のポイント・・・古い日本語が使われているので、予習が必要な場合も。ストーリーや見所、鑑賞する能のテーマ、キーワード等を調べる。
9:能の興行・・・能はほとんどの場合一日のみの公演。歌舞伎の場合は、歌舞伎役者は松竹株式会社と専属契約。歌舞伎座での公演は1ヶ月間続く。
10:能と教育・・・教員養成大学における能の授業、学生の活動。能について学ぶ意義、日本文化の良さへの気づき。学生の意識の変容等があげられます。

2021.0813 O.A 「コーヒーの事、その2」 [varied stories]

達川慶輔さん(ゲストハウスオーナー)
https://thegeek.jp/

今でこそ日本でも有名なブルーボトルは、自身で焙煎した豆をどう淹れるのかと言う抽出の段階でのこだわりを持っているそう。
「創業者のジェームスフリーマンは日本の喫茶店にある緻密さと徹底したサービスレベルの高さにも着目しているのです。
日本の老舗におけるコーヒーの淹れ方は世界のスペシャリティコーヒーの発展にも影響しているのです。」
達川氏は。ノルウェーのオスロにあるフグレンというコーヒーショップが独自のコーヒーカルチャーを形成していてお好きと。
実は焙煎は自分たちでせずに、ロースターから仕入れて、様々なエスプレッソやコーヒーを提供するスタイルをとっているそう。
焙煎というのもとても微妙に難しく、鮮度、天気、気温、湿度等々いろいろな要素を考え煎るのです。
かつて赤いダイヤか黒い悪魔かと揶揄され、開発国で貧困にあえぐ人々を苦しめていたコーヒー文化は時代とともに変化し、私たちの現代の生活に根付いています。
「過去を知り、現状を自分で調べて理解する。その上で時代を牽引するコーヒーカルチャーを見つけ、自身でこだわりを持ったコーヒーショップを探し求め、
自分でもこだわりの一杯を楽しむ。これが私の楽しみであり、まさにTHE GEEKの要素に繋がるのです。」
最後に素人でも美味しく淹れるコーヒーのコツをご紹介いただいたのですが、一番大事なのは鮮度!とのこと。
やはりコーヒーは生きている!!それを感じた言葉でした。
※写真は達川慶輔氏からお借りしました。
IMG_2014.jpg IMG_2015.jpg

2021.0812 O.A 洋楽 [chord 5]

・What Cha Doin’ / SEAWIND
・The Two Of Us / SEAWIND
・Love Him, Love Her / SEAWIND
・Everything Needs Love / SEAWIND
・Long,Long Time / SEAWIND
~今回の洋楽編、サマーフェスにぴったりなSEAWIND 特集です。
セレクトはToshi氏。今回の出演は、Toshi氏&midoriでお送りします。

カモミール(野村 香編) [fun science]

1.jpg 2.jpg
ハーブティーとして飲んだことがあると言う方が多そうなカモミール。実はカモミールも2種あるそう。
カモミール・ローマンとカモミール・ジャーマン。どちらもアップというよりダウン、緩和・鎮静のイメージです。
カモミール・ローマンは緊張緩和に優れたエステル類を主な成分とするので緊張性の胃炎や神経症の頭痛に、また炎症を鎮める作用もあるそうです。
古代エジプトでは治療薬として使われていたそうで、情緒を安定させることから欧米では心理カンセリングにも用いられているそうです。
カモミール・ジャーマンは、皮膚のかゆみやアトピー性皮膚炎等。カマズレン、オキサイド等が含まれるので、抗炎症作用、月経痛に有用とのこと。
不安な気持ちを緩和させ、あるがままの自分を受け入れることができる・・・そんなジャーマンはハーブティとしても飲みやすいそうです。
実はうがい薬のアズレンは、ジャーマンの成分でもあるマトリシンが蒸発して変化したものだそう。
今回のカモミールはハーブティーとして、チンキとして、ドライハーブとして楽しむことができそうです。
スタジオには30度以上のアルコールに2ヶ月以上つけたカモミール・ジャーマン・チンキをお持ちいただきました。
「私はこれをスポイトで2~3滴。水道水の水に入れてうがいをしています。」と野村氏。
ただ、今回のカモミールはキク科の植物なので、キクアレルギーの方は使用しないでくださいとのことでした。

バードストライクの現在とこれから(齋藤 慶輔編) [nature treasure]

3.jpg 4.jpg 5.jpg 6.jpg 7.jpg
道北への風車に関する視察のため出かけ、その風景にびっくりなさったと言うお話しからスタート。
その数は凄まじく、大型の風車もさることながら、環境アセスメント(環境影響評価)がいらない小型風車の乱立が・・・。
このまま進むとどうなってしまうの?と言う感じで危機感を覚えたそうです。
大型の風車、写真ではあまりイメージをつかめないかな?と思いますが、高さが150mほど、ブレードの長さが一枚60~80m。
小型のもので高さが20~30m、ブレードの長さが10mくらい。
それぞれに問題があります。大型風車は今後さらに大型化されていく模様。小型の場合は鳥たちが一度地面に降りて体とブレードが近くなると言う点。
この10年くらいの間にバードストライクで見つかっているオジロワシが70羽。
「でも人知れず事故にあい、その後どうなってしまったのかわからないものがこの数字の何倍いるのか、皆目見当がつきません。」
風車が多いのは日本海側。例えば、苫前では20羽、宗谷岬では11羽、等々犠牲になっているオジロワシの数です。
地球に優しい・・・と言われている風力発電。その片面には今回お話しいただいた問題を大きく孕んでいると言うことを忘れてはならないと思います。
※写真は齋藤慶輔氏からお借りしました。

kingdom of print arts [close to you <art編>]

P1100320.JPG P1100324.JPG P1100330.JPG
北海道立帯広美術館のコレクションを構成する大きな柱の一つにプリントアートがあります。
広義でのプリントアート。もちろん版画もあり、抽象作品的なものもあり。
木版画は板目木版と木口木版の2種に分けられます。それぞれの特徴で出来上がる作品は変わります。
ほかには銅版画、フロッタージュと呼ばれるこすり出し、そしてステンシル等。
プリントと呼ばれるものにはどんなものがあるのか、その技法による違いも理解できる内容になっています。
例えば、根室出身の岡部昌生。建造物の壁や床、路上を題材に地域の近現代の記憶や過去に暮らした人々の営みを浮かび上がらせるフロッタージュ作品。
同じく根室出身の池田良二。写真を転写した原版で刷る銅版画、エッチング技法による作品からは深い記憶の底に誘うような叙情的なイメージが感じられる作品。
島根出身の小林敬生。緻密な線と白黒の色彩だけで世界を表現する木口木版の作品。
おびただしい数の動植物や化石が密林や廃墟の中に密集した構成を特徴とする存在感溢れる作品。
他にも見応え抜群の大作が並びます。一言でプリントアートというには広すぎる感じの版の世界。あえて王国というタイトルをつけたあたりに注目です。
※尚、写真は北海道立帯広美術館 福地大輔氏からお借りしました。
(版の王国展は9/26まで北海道立帯広美術館で開催中)