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suspicion Title [close to you <art編>]

今回から3回にわたっていつもと違った切り口で収蔵品をご覧いただきたいと思います。
題して「疑惑の○○」シリーズ。第1回目は疑惑のタイトルシリーズです。
1氷柱.JPG
作品は国松登の「氷柱」。氷柱とはつららのこと。
であれば、上から落ちてくる感じに描かれるのであればわかるのですが、下からニョキニョキ出てきた感じです。
氷筍ならわかるのですが意味不明。
そして作品の舞台となったのはどこ?野原?海のそば?季節はおそらく冬らしい。時間は夜。
仮説その1:作家は氷柱が上から下へのびるものと思っていなかった。
単純に氷の柱だから、見たままをそのまま氷柱とした。
仮説その2:鍾乳洞でみた氷筍を野原で描いたら面白そうという構成上の話。
自分が見た要素と心象に残った風景とカタチを組み合わせて作り上げた画面。
仮説その3:もしかしてこれは野原ではなく海なのか?波が押し寄せてきて固まった?
現実にはあり得ないというのが絵の良いところでもあるので・・・武束氏は仮説その2を信じているそうです。
2トルソ.JPG


続いて、米坂ヒデノリの「トルソ」。トルソとはイタリア語で胴体のこと。
ただ、この作品には脚があるのです。足から首までの女性のトルソ。
右足1本で立っている感じです。左足は膝からくるぶしまでがなくて足の甲から下があるのです。
素材の木の良さをそのまま生かして使ったのか?体の描写からあえてトルソと名付けたのか?
来館者の方の素朴な質問から武束氏の頭には???マークが。。。
米坂氏が釧路から東京の大学へ行き、釧路に戻ってきて作られた若い頃の作品です。
もちろんトルソの意味はわかっていたはず。。。ならばどうしてタイトルをトルソとしたのか?

3イチゴのある静物」.jpeg
今回のラストは鶴岡政男の「イチゴのある静物」 。
他にもみかん、りんごや洋ナシ等の果物があったり、ワイン瓶があったりするのに
なぜイチゴだけにターゲットを当てたのか?
それにしては作品の中にあるイチゴが目立つわけではないのです。
イチゴがお好きだったのか?イチゴが食べたかったのか?
なぜタイトルにイチゴがある静物となったのか?こちらも不明です。

というように、一つの作品をどう見るか?あれこれ自分なりに考えると面白い側面が見えてくるのです。
今回は作品タイトルに関しての疑惑を切り口にお送りしました。
※尚、写真は釧路市立美術館 武束祥子氏からお借りしました。

2022.0323 O.A 杉元内科医院 院長 杉元重治氏 [close to you <dr.編>]

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2022年3月18日現在の新型コロナウイルス感染に関して釧路の現状からお聞きしました。感染者数は徐々に減りつつあるといった感じの様です。
新規感染者も2月の中旬位は1日200人近く・・という感じでしたが、最近は1日の感染者数、公表ベースですが50~60人位ということで減ってはきている感じです。
ただ、心配なのはゼロにはなっていないという事。下げ止まり感は停滞しているという感じとおっしゃっていました。
また、病院に入院する様な中等症、重症の方は今のところ、かなり激減している印象です。
3月18日現在、感染基幹病院でも入院者数は1~2人という形でかなり減っているというのが現実の様です。
ワクチンの効果の一つかもしれませんが、自然の流れで減っているだけかも・・・と。
重症化リスクのある高齢の方等の感染が、ある程度制御できたという事が要因?と思うともおっしゃっていました。
実際に外来で感じることは、一番感染の多かった時期はそれだけ発熱を訴える方が多かったそうです。
普通の感染症なのかcovid19なのかを悩むことが日々あったそうですが、今は幸いにしてその様な風邪の様な症状を訴える方も少なくなってきていると。
3月21日以降、蔓延防止措置の期間が終わったという事でいっぺんに交流が深まることが増えたりすると、また再燃することも十分考えられると思うとも。
ただ、全く家から出なかった方が少し家から出たりとか、お友達と会ったりとか・・にはなるのかな?と。
今後どの様な生活を送るのがよろしいのでしょう?「感染防止はそれぞれ個々人が、自分が感染しない、人にうつさないという態勢は変わらないと思います。
マスクが急にいらなくなる事は現時点ではないかな?今、ワクチンの3回目接種がスピーディーに進んではいますが、まだ70代以上の方が打ち終わったかなというところなので、そのワクチンの接種が進むこと、感染の個々人の対策、この2点。あとは常識の範囲内で対応するしかないかなと思います。」
杉元氏もいろいろな資料、情報を見ている中で、最終的にはどうも換気が大事な様だとおっしゃっていました。
当初、接触感染と言われていたのですが、最近はエアロゾル感染ということになっています。ですから部屋の中での換気が重要とのこと。
1月下旬から2月は感染が心配なので薬だけという方が多かったそうですが、そろそろ身体の状況を把握する為の診察や、血液の検査等はする様になっているとも。
受診控、検査控をしていたことで、病気が進行してしまうということもあるので、病気はcovid19だけではないので、しっかりと自分の体を管理するためにも
チェックはして欲しいとおっしゃっていました。「やはり運動不足の方、さらに家にいる事で食べ過ぎという方が多く見受けられるので、生活習慣病も心配です。」

深海調査研究船かいれいの退役(満澤 巨彦編) [varied experts]

写真1_ホノルル港出港.jpg 写真2_海フェスタ尾道_差替え版.jpeg
写真3_横須賀本部岸壁に着岸中の「かいれい」.jpgまずは、JAMSTECの調査船についてのご紹介から。
「かいれい」が退役したことで、現在JAMSTECでは6隻の調査船が運航されています。
深海潜水調査船支援母船「よこすか」、海洋地球研究船「みらい」、
海底広域研究船「かいめい」、東北海洋生態系調査研究船「新青丸」、
学術研究船「白鳳丸」、地球深部探査船「ちきゅう」の6隻。
満澤氏はすでに退役した海洋調査船「なつしま」や「かいよう」には入社当初からかなりの日数で乗船していたそうですが、ここ10年位は業務の関係で乗船はほとんどなかったと。
ただ、昨年から久々に地震・津波観測監視システムDONET整備の関係で年2回ほど乗船。
先月もその関係で「新青丸」に乗船なさっていました。
退役した「かいれい」建造された90年代は海嶺や海溝等の深海調査が積極的に行われていたそう。
「かいれい」には当初「よこすか」で運航されていた「かいこう」という世界最深部の
マリアナ海溝に潜ることができる11000m級の無人探査機を搭載し運航することが
ミッションの一つでした。「かいれい」に搭載された「かいこう」はマリアナ海溝では世界最深部10900mのチャレンジャー海淵に潜航し、最深部の水深を圧力計を使って正確に測ったり、数cmのヨコエビを採取したりしました。また、海底の熱水活動が見つかっていなかったインド洋の中央海嶺では初めて熱水活動を発見。
探査関係では、戦時中に沈没した学童疎開船「対馬丸」の海底での確認、小笠原沖の海底に沈んだH‐Ⅱロケットの部品を発見するなど数多くの成果があるそうです。
別のミッションとしては地震に関係するものが柱としてあったそうです。
マルチチャンネル音波探査システムと呼ばれる海底下深部構造を探査するためのシステムが搭載されていて、それはエアガンと呼ばれています。
海面付近で圧縮空気を一気に放出して音をだす装置から音波を発振し、海底下の地層や岩盤から反射してくる反射波を受信。
海底下十数kmの地下の構造、例えばプレート境界や断層がどこにあるかなど詳細に把握することができるそうです。
音波探査で海底の構造が把握できると、例えば発生した地震の震源がプレート境界なのか、プレート境界より上か下か等、どの様な場所で起きたかがわかる事で影響の範囲を推察することができるのです。音波探査については、現状日本の周辺すべてがカバーされてはいないので、「かいれい」のミッションは、より高性能なシステムが
搭載されている「かいめい」に引き継がれているとの事。
「私自身の「かいれい」との関わりや思い出は・・日本海溝の底層流の調査の為1回乗船したことがあります。
また、乗船はしていませんが、私がシアトル事務所にいた時、ハワイ・ホノルル沖でアメリカの潜水艦に衝突され沈没した「えひめ丸」の遺留物の調査を「かいれい」で行った時に、ホノルルで対外調整などの陸上支援をしたことや、カナダの西海岸沖で音波探査航海実施に向けカナダ側と調整を進めていたのですが、環境団体との調整が
うまくいかず出港直前に調査ができなくなった事などが記憶に残っています。また、東北地方太平洋沖地震発生後の3月14日に緊急調査として出航し海底地震計の設置や
海底地形・海底下構造調査をがれきが漂流する中で行っています。この時は、私は「ちきゅう」で八戸の小学生の見学対応で被災しそのまま船から降りる事が
できなくなっていた状況で、「かいれい」がすぐに調査にでたという事で、研究機関として最大限やれることをやってくれ!!という気持ちでいたことが思い出されます。
実際の乗船回数は少ないですが、JAMSTEC職員としては思い出が詰まった船が退役するのは寂しいかぎりです。」
●「かいれい」退役:https://www.jamstec.go.jp/j/about/press_release/20220202/
●記録動画(YouTube JAMSTECチャンネル)「深海研究船に乗る」JAMSTEC LAB VISIT SERIES #03 : https://www.youtube.com/watch?v=yvGvL2TLhAA
※尚、写真は JAMSTEC 満澤巨彦氏からお借りしました。
・写真上(左)はホノルル港を出港する「かいれい」(2001年9月)
・写真上(右)は海フェスタ尾道での入港歓迎式(2012年7月)
・写真下は横須賀本部岸壁に着岸中の「かいれい」(2021年12月)

2022.0318 O.A 「今なぜシェアハウス?」 [varied stories]

達川慶輔さん(ゲストハウスオーナー)
https://thegeek.jp/

実は、最近、東京から同じシェアハウスに住む20~40代の方たち10人くらいが3泊4日で貸切でGEEKを利用なさったそうです。
そこで感じたシェアハウスの今、トレンド、ニーズ等についてお話ししていただきました。
そもそもシェアハウスとは? 居住スペースです。事業者介在型=シェアハウス ルームシェアとは、友人同士などで直接貸主から物件を借りて住む居住形態。
シェアハウスは運営事業者が介在するケースが多く、入居者の募集から運営、物件管理までを運営事業者が行い借主へ賃貸する居住形態のことです。
男女比率は半々。 トイレ・バス・キッチン・洗濯スペースなどは共同、部屋のみ個室。
達川氏が感じたことは、自身の意見などが確立していて、物おじせず言いたいことは言う人が多かったと。海外思考が強い方々が多い印象を受けたそうです。
そこで、標茶高校の高校生を二人招き、交流を図ってもらう場を設けたそう。お一人は札幌にある起業家シェアハウス(U-25起業家シェアハウス)に応募もしていたそう。
なぜ今、シェアハウスは人気なのでしょうか? 「カーシェア」や「SNS」等「シェア・共有」を用い、合理的でシンプルに生きたい人々のニーズにあっているのでは?と。
「シェアハウス」もTVドラマやバラエティー番組、各種メディアにも多く取り上げられるようになり、広く日本中に浸透しはじめました。
また、2011年の東日本大震災以降、コロナ禍においても、若者の間で「人とのつながり」を求める動き(=ソーシャルシフト)が活発化したことが考えられると
おっしゃっていました。 価値観の変化からより自分のライフステージにあう合理的(敷金・礼金・仲介手数料¥0など)な賃貸住宅へのニーズが高まったことは、
シェアハウス人気を後押ししているのかもしれません。ハード面においては、近年、賃貸住宅の空室が目立ちはじめ、不動産業界におけるリノベーション市況の活性化の
後押しや、古い戸建や利用価値を終えた社員寮などをシェアハウスとして再利用するケースが多く、
特に特徴のある内装デザインや家具・インテリアを共有スペースに設けている物件が人気を集めているそうです。
その他にも、通常の一人暮らしでは中々手が届かない大型スクリーンを配したシアタールームやフィットネススタジオ、本格的な楽器演奏が可能な防音室、
プロ仕様のキッチンなど物件の高付加価値化が進んでいるとか・・・。
よく聞かれる質問にゲストハウスとどう違うの? というのがあるそうですが、ゲストハウスとは、宿泊施設の形態のひとつをさします。
ホテルや旅館に比べて宿泊料金が安い代わりにドミトリーがある他、アメニティ用品が無かったり、トイレ、シャワー、キッチン等の設備も共用になっています。
シェアハウスは宿泊施設ではなく住居なので、入居時に賃貸借に関係する契約書を貸主や運営事業者と結んで入居します。
コロナ禍で様々なニーズに対応するべく形態を多様化させ、それぞれの人々のニーズに寄り添う便利なサービスが始まる時代なのかもしれません。
※写真は達川慶輔氏からお借りしました。
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2022.0317 O.A BAND [chord 5]

・離したくはない / T-BOLAN
・Bye For Now / T-BOLAN
・おさえきれない この気持ち / T-BOLAN
・刹那さを消せやしない / T-BOLAN
・LOVE / T-BOLAN
~今回のバンド編、T-BOLAN 特集です。
セレクトはもちろん河口氏。河口氏&midoriでお送りします。

冬だから見れる?・・・ver.3(境 智洋編) [fun science]

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琵琶瀬展望台から霧多布湿原を望み、海岸線をチェック。やはり俯瞰することからスタートするのが大事と今回も実感。
「あの辺が白いから・・・行ってみよう!」と車を走らせ、着いた所が琵琶瀬の海岸。
海岸が白い模様で覆われていました。海の波が表面の氷を押し上げて砂浜の上に乗った様です。それが波の模様になっているのです。とても緩やかなカーブが美しい!!
そして砂浜には模様が・・・。これって何?どうしてこんなに綺麗な模様が現れるの?と思ったのですが、どうやら砂と波が造った造形美。
波が寄せる側がなだらかな斜度。そして丘側の斜度が急になっています。実はこれ、波を可視化しているわけなのです。漣痕というそう。リップルマークです。
通常は波で削られてしまうのですが、跡が残っているのは下が凍っているから。
その模様の上から靴で押してみるとそこの砂だけが白くなります。そこだけが脱水されるからなのです。「この模様が残って地層になる場合があるんですよ。
漣痕化石が白糠の山の中に出てくる所があります。漣痕の形をみて、どちら側が海なのかというのもわかるのです。」
波を可視化しているなんて、なんだか考えるだけでワクワク。そして見惚れるほど綺麗なのです。
この様な漣痕は冬以外でも見ることができるのですが、そのまま形が残っていることは珍しく、そこを形作る砂の関係もあるそうです。

JWDCって?(笹森 琴絵編) [nature treasure]

1 夕焼けとザトウ 笹森.jpg 2 海草で遊ぶシャチのコドモ ささもり.jpg
3 釧路の町とオスのシャチ ささもり.jpg笹森氏はJWDC 日本クジライルカウォッチング協議会の代表もなさっています。日本全国の鯨類に関わる方々、業者の方や研究者、ウォッチングに参加した方、鯨類LOVEの方・・・
様々な方たちが参加なさっているそう。2014年に設立され、シンポジウムは3年に1度開催されてきたのです。
今回開催されたシンポジウム(Web上)では、お客さんや同業者双方向の情報交換・更新等が行われました。
気候危機、海ゴミ、海洋汚染など海をおおう影は濃くなるばかりです。
海やクジラたちから誰よりも恩恵を受けている事業者が、それに追い討ちをかけることは、
クジラのためだけでなく自分のためにも避けるべきでは?というお話しがなされたそうです。
ウオッチングにも変えるべき部分があり、それはオーバーツーリズム。水中騒音など、
問題は山積みの様ですが、特にアニマルハラスメントの面が取り上げられたそう。
動物虐待とも言われますが、彼らを追いかけまわす、複数の船で囲い込む、過剰な接近をする、
赤ちゃんと母親の鯨の側で人が泳いだりする行為も問題に・・・。要は子育てやエサ取り、休憩、求愛など
生きていく上で必要な行動を邪魔する様な行動全般をさします。
一方、動物福祉とも訳されるアニマルウェルフェア。野生動物も含めたすべての生き物の生きる権利を尊重しようという欧米先進国に比べ、日本は断然意識が低いと。
さて、鯨類観察行為にまつわる問題の多くは、距離を置く、あるいはゾーニングで回避できるそうです。
距離については日本では、50m、100mといった間を置く事で彼らに意識されない観察を!。JWDCもこれを推奨し、メンバー登録は自主ルールを持っているそうです。
ゾーニングは、観察してはいけない海域を決めて、そこにはウォッチング船も入ってはいけないという海域を定める事で動物を守ろうとする考え方です。
動物が気にせずにすむ距離をおいて観察すれば人間も彼らの邪魔をせずに目的を果たせるのです。
これは船を動かす誰でもわかっていることの様ですが、自分が近づきすぎていると自覚していても、つい「まぁ、いっか」ということがあるそう。
さらに、自分の体ひとつで野生動物に接近する鯨類スイムは、人間にとって話は深刻。実際にトンガやフィリピン、ハワイ等でも少なくない数の事故が起きているそうです。
それは、「ま、いっか」では済まないと普通は思うのですが、残念ながらその様な事故はあまり広くは報じられない為、危険な遊びである事を知ることができないのです。
また、知ってもなぜか「自分は大丈夫」と思い込み、またツアーに・・・。これって正常性バイアス?と笹森氏。
「これらの実態をスイム、ウォッチングを問わず<常識的に考えて、よくないこと>と誰もが認め、行動を変えるきっかけを作りたかったんです。」
この講演を聴いたり、その話を伝え聞いたりすることで罪悪感という名の棘が心に刺さってくれればと期待していると。
シンポジウムではアンケートも行われ、その結果、批判も賛同も概ね想定内の反応でホッとなさったそう。
「JWDCとしては今後、講演とその後の討論を現場にどう提案していくかを考えなければ・・・。まずは既存のガイドライン見直しと発信が大事だと思っています。」
※写真は笹森琴絵氏からお借りしました。

the value of decaying things [close to you <art編>]

2模刻のモニュメントーアイー.jpg3模刻のモニュメントーサパンペー.jpg4模刻のモニュメントーノンコー.jpg5模刻のモニュメントー鍬ー.jpg
最近のアート、芸術についてのお話しから・・・。
実際にコロナ禍で、アート界では思う様に展覧会が開催できなかったりする事は世界中で感じている人が多いと思います。制作者もそれを見る側も。
ただ、一方で最近はアートマーケットが活発になっていると。作品をいかに売るのかを重視している動画等も多く見かけると。
それは純粋なるアート作品という意味ではなく、投資目的としてのアートとして。
そんな中でアートに限らず、個々人が自ら考える力を鍛えないと、これから生活していくのが厳しくなのでは?と感じているそうです。
いわゆるクリエイティブ脳を鍛えるということ。知らず知らずに自分が選んでいるつもりでも、選ばされているという環境が作られている・・・確かに頷けます。
今後デジタル化の波はどんどん進んでいくと思われます。それに関しては歓迎していると。
なぜなら、経費をかけなくても会えなかった人に会えるとか、ガソリンを使わなくても済む等、より省エネな生活ができると思うから。
去年くらいからNFTがアート世界のトピックスとしてマスコミでも取り上げられていました。これもどちらかというと投資目的なものを感じるとレオ氏。
「質量のないものって忘れられていくと思うんですよ。質量のある、作品としての強度のあるものは時間を重ねることによって朽ちていきますよね。
朽ちていく・・・そこに価値観が生まれるのでは?と感じています。デジタル上って変化しないじゃないですか。」
だから彼はこれからもアナログで創り続けていくと。ただ、デジタルとはどういう感じになるのかはわかりませんが、それを利用していく考えはあるそう。
現在は、今までの作品のテーマは変わらず、別なアプローチから制作をなさっているそうです。
過去の遺物、例えば土器や石器や昔の道具を自分で作ってみる、追体験をしていると。
そこから見えてきているものはたくさんある様です。例えばそこから思想や哲学を含め、理にかなったものが作られていることを感じることでアートへ昇華させる。
まだまだ彼は進化し続けるということをお話しをお聞きしていてあらためて感じました。次回はどんなお話しをお聞きできるのか、今からとても楽しみです。
6模刻のモニュメントー石斧ー.jpg 7模刻のモニュメントー浅鉢形土器ー.jpg 8模刻のモニュメントー板状土偶ー.jpg 9模刻のモニュメントー木製馬ー.jpg
※尚、写真は藤沢レオ氏からお借りしました。

2022.0316 O.A 林田クリニック 院長 林田賢聖氏~2~ [close to you <dr.編>]

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今回は低炭水化物食と代替塩についてのお話しです。
国立がん研究センターがん対策研究所予防関連プロジェクトの研究グループが低炭水化物食とがん罹患との関連を調べたそうです。
それによると、炭水化物の割合が低い場合、がん罹患リスクが高かったと報告され、脂質およびタンパク質の摂取源が動物性食品の場合はより顕著であったとのこと。
食事における三大栄養素(炭水化物、タンパク質、脂質)の摂取割合は、炭水化物が少なければ、相対的にタンパク質と脂質が多くなる関係にあるそうです。
この研究は1995年、1998年に。岩手県や秋田県、長野県、沖縄県、新潟県、茨城県、高知県、長崎県、大阪府内の10の保健所管内に在住していた45〜74歳の男女で
ガンの既往歴がない9万人以上の方で調査されました。
炭水化物の摂取を少なくすることで代わりに動物性タンパク質や脂質等を摂取する割合が増えることにつながることが問題のよう。
炭水化物もやはり、その摂取する量が大事ということのようです。
続いて、代替塩のお話しです。こちらは北京大学の医師達による論文からのご紹介です。
従来の食塩摂取と代替食塩との比較した2万人以上の大規模長期ランダム化比較試験の結果から。
脳卒中発症、心血管イベント、死亡率において、代替食塩にすることで、発症率が低下したというものでした。
代替塩とは、通常の塩に含まれる塩化ナトリウムの一部を塩化カリウムに置き換えるもの。味の素では「やさしお」という商品が販売されているそう。
塩分(食塩相当量)の半分を野菜や果物に含まれる「塩化カリウム」に置き換えることで、塩味はそのままに、塩分50%カットを実現した塩ということ。
「ただし、KCL(塩化カリウム)はK(カリウム)を含むため、高度腎不全の患者さんは、高カリウム血症に注意が必要です。
摂取時は主治医と相談して、血清カリウムの測定などをお勧めします。今回の中国の論文では高カリウム血症は差がなかったとされていますが、
登録症例の腎機能の詳細は不明です。」と林田氏。
前回に続き、食事に関するお話しでしたが、食事は毎日摂取するもの。やはりその時の空腹感を満たすだけではなく、本当に自分の体にとって必要なもの、
摂取すべきものを選びたいですね。そのためにはやはり自分自身の体を知ることが第一歩と言えると思います。

能のQ&A~01(中西 紗織編) [varied experts]

能ってなに?.jpg 能舞台.jpg声明博士譜.jpg 歌舞伎勧進帳.jpg 狂言.jpg 狂言足袋の色.JPG
今回はあらためて能について、少しでも興味をお持ちいただく方が増えたら良いな・・・ということで、Q&Aをお送りします。
・能って何?
〜大きく5つの特徴があります。1)謡・舞・囃子で構成される音楽劇。2)観阿弥・世阿弥が現代までの基礎を作った。3)舞台が左右非対称。4)シテはオモテをつける。
5)ユネスコ無形文化遺産。
・シテとかワキって何?
〜シテは主人公の様な登場人物。ワキは脇役のような存在。シテは異次元のものである場合も多く、ワキは観客と同じ目線、身近な存在の時が多い。
・能と狂言はどう違うの?
〜能と狂言は兄弟の様なもの。同じ能舞台で演じられる。能楽とは能と狂言を合わせた呼び方。
物真似や笑いの要素とセリフを重視したのが狂言、歌舞的要素を重視したのが能。能には笑いの要素は少なく、人間の悲劇を描写したものが多い。
・能楽と歌舞伎の違いは?
〜まずは歴史が違う。能楽は700年近い歴史、歌舞伎は400年以上の歴史。能楽は武士階級や支配階級の中で発展させてきた伝統劇。歌舞伎の始まりは女性が関わる。
舞台の形は能舞台が左右非対称。歌舞伎の舞台は左右対称。花道がある。見た目でわかるのは、歌舞伎は化粧をする。能楽では化粧はしない。
・能の謡とお経は似ている様に聞こえる・・関係はあるの?
〜能の謡は、声明の影響を強く受けていると言われている。記譜法と言える様な記号も似ているところもあり、発声や声、息の使い方も似ている。
腹式呼吸によるどっしりとした声の特徴が似ている。