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燃料価格の高止まり(西山 由佳子編) [varied experts]

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寒さがまだまだ厳しいこの季節。これに追い打ちをかけているのが、灯油やガソリンをはじめとした燃料価格の高騰。
北海道消費者協会は、現状のような灯油価格が続けば、道内の2人世帯以上の1年間の灯油代は前の冬より2万円以上増えると試算しているそう。
灯油だけじゃなくガソリンも軽油も、燃料価格はどれも軒並み高止まりしていて、暮らしや企業の経営を圧迫しています。
釧路市が発表した2月の燃料価格調査、(2月10日時点)レギュラーガソリンの1ℓあたりの店頭価格の平均は1月より4円15銭高い167円80銭。
灯油も1月より1円13銭高い1ℓ114円54銭等、1年前に比べると30円近く高いのです。
燃料価格がなぜ高くなっているのかといえば、一つは世界的な原油高。「WTI」と呼ばれる国際指標となる米国産標準油種の先物価格は、1年前と比べて6割ほど高いそう。さらに、輸入物価を押し上げる円安も進んでいるので、高騰する原油が日本に来るとさらに高くなってしまうという訳。
その背景には何があるのでしょう?最も大きいのは新型コロナウイルス。ワクチンの普及等で世界的に経済活動が再開し原油の需要が回復し、価格が高騰しているのです。
さらに、昨年夏に米国の製油所がハリケーンで被害を受けたり、産油国でつくるOPECプラスが原油の追加増産になかなか応じないこともあります。
最近ではウクライナ情勢の緊張で世界経済の回復が鈍るのではとの懸念も出ていますが、当面は原油の高止まりが続くとの見方が優勢の様です。
燃料価格の高騰は、暮らしにも経済にも大打撃を与えているので、政府も抑制策を打ってはいるそうです。一つは国家備蓄の放出。
ただ、量は限定的。世界各国での協調放出を主導している米国へのお付き合いといった意味合いと、アナウンス効果を期待するのがせいぜいでしょうと西山氏。
もう一つが、レギュラーガソリンの全国平均価格が170円を超えれば、国が石油元売り各社に1ℓあたり最大5円の補助金を支給し卸売価格の引き下げを約束させる。
全国平均が170円を超えた1月下旬に発動され、当初は1ℓ当たり3円40銭の補助でしたが、さらなる高騰を受け、今は上限である5円に増額。
しかも、これは3月までの時限措置で、それまでに原油高騰が落ち着くとは考えにくいのです。
ただ、この抑制策には疑問が多いと。まず、約束通り卸値を下げても店頭価格をどこまで抑えられるのかが疑わしいのです。
元売りは卸値を下げることはできても、小売値を決められません。さらに、原油高で空前の利益を上げている元売り各社に巨額の税金をつぎ込むのはどうかという問題も。
それより、ガソリン税を軽減するほうが消費者にも分かりやすく、より直接的で効果があるのでは?という指摘もあるそうです。
燃料価格の高騰は、釧路・根室地方では経済への打撃も深刻。業種を問わず担当エリアが広い傾向にあり、車で回る場合のガソリン消費量も多いとされます。
一次産業では、漁船に使う重油や軽油の値上がりで採算が取れなかったり、出漁を控えたり、漁業者の経営が圧迫されています。
農業でも野菜などのビニールハウスで温度を保つ燃料費が重くのしかかるほか、原油高騰で農業資材や飼料も値上がりしています。
釧根地方では近年、道内で希少な果物や野菜のハウス栽培が新たなビジネスとして注目されてきましたが、そこも揺るがしかねません。
主要産業が低迷する釧路経済の立て直しにとっても足かせとならないか心配とおっしゃっていました。

2022.0304 O.A 「ワクワクの季節に何を撮る? ~2」 [varied stories]

逸見光寿さん(写真家)
https://coju.info/

今シーズンの「最も美しい季節」で何を撮影しているかのお話し・・・まだまだ続きます。あまりにもたくさんの自然の造形美がありすぎて。
今回はまず、凍る海。想像できませんよね。最初に見た時の感動は今でも忘れないと。海が凍るなんて。これが根室の最大の魅力ともおっしゃっていました。
実は私も一番最初に見た時には寒さも忘れ見とれてしまいました。彼は根室落石で撮影なさったそうです。波が寄せる様子が可視化され、
シャーベット状に重なって凍っていく様がなんとも言えず美しいのです。
そして、寄せ氷。屈斜路湖が有名とのことですが、なかなか見ることはできないそうです。
湖の岸辺に薄い氷が何層にも重なり、美しい姿を見せてくれるそう。ただ、寄せ氷は時間との勝負。バリバリと音を立ててどんどん崩れていくそうです。
そして、今シーズンは根室でも良いタイミングで流氷が流れ込み、出会いがたくさんあったとおっしゃっていました。
流氷を撮影するのって難しくないのでしょうか?確かに接岸してしまうとただの雪原になってしまうので、本当は少し流氷が来ている感じの方が良いみたいです。
他には色のコントラストを利用する。例えば夕日とか・・・すると流氷の感じが伝わりやすいかもしれません。
そして、今回初体験。結氷した川の上を歩いたそうです。釣り好きな人から別当賀川を教わり、歩いたそうです。
いつもの景色とは違う、川からの景色が見ることができるのはこの時期ならでは。
川岸には膨張した氷が割れて、そこでも独特な造形を楽しむことができたそうです。「その割れ目にドラマがあるんです。」なんて。
これだけ自然の造形美を楽しむことができるのは、やはりこの冬の季節だけの醍醐味と言えるでしょう。
※写真は逸見光寿氏からお借りしました。
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