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2022.0804 O.A アイドル [chord 5]

・私の先生 / 榊原郁恵
・アル・パシーノ+アラン・ドロン<あなた / 榊原郁恵
・いとしのロビン・フッドさま / 榊原郁恵
・夏のお嬢さん / 榊原郁恵
・あなたと夢とポップ・ロック / 榊原郁恵
・青春気流 / 榊原郁恵
~今回は邦楽アイドル編。榊原郁恵特集です。
セレクトは齋藤氏。出演 齋藤氏 & midoriでお送りします。

火山灰の世界観測網(中山 雅茂編) [fun science]

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IMG_5119.jpg火山灰というと、火山が噴火した際に噴き上げる灰のことですが、私たちの生活で目にする灰とはだいぶ違っています。
私たちが灰と聞いてイメージするのは、木や紙などを燃やした後に残る灰ではないでしょうか。粉状のさらさらしたもの。
一方、火山灰は、火山が噴火した時に噴き出される様々なものの中でも、直径2mm以下のものを火山灰といいます。
それより大きいと火山礫(2~6mm)、火山岩塊(64mm~)と分けています。
今回は、直径が2mmより小さい火山から噴出した火山灰のことです。
火山灰が、例えば、山の裾野に降ったとします。農作物へ火山灰が降り積もることによる被害や、火口に近いことから
粒が大きい火山灰が多量に降り積もると、火山灰の重みに耐えられなくなって建物に被害が出ることも考えられます。
もう少し火山から離れて市街地では、粒が細かくなったとしましょう。この粒が細かい火山灰は、水を含むと泥の様になり、車の走行が難しくなることもあります。
逆に、乾いたままであれば、車が走ることで火山灰が巻き上げられ、視界を遮ることになります。
実際、桜島がある鹿児島市では、2013年8月に噴煙が中心市街地に流れ、JRの運休や、車はライトをつけて徐行するなどしたそうです。
歩行者は、灰を吸い込まないようにハンカチを口に当てるなどしていたそうです。
また、火口からの距離に関係なく、電気を送る送電線に火山灰がかぶり水を含むと、火山灰に含まれた成分が水に溶けだし電気が流れてしまう事があるそうです。
そのため、送電線の電柱の碍子部分などで閃絡といって放電電流が流れ、停電になることも考えられるとのこと。
様々な被害が想定されるため、火山灰の広がりを人工衛星で観測することが行われています。
人工衛星での火山灰の観測ですが、もう一つ、大切な目的があり、地球を9つのエリアに分けて、世界中の関係機関が協力して監視しているそう。
それは航空機の安全な飛行が目的。火山灰を吸い込んだ事により、ジェットエンジンが損傷を受けた航空機事故が1980~90年代にいくつかありました。
火山灰に含まれるガラス質成分は700℃程度で融解。航空機のジェットエンジンの燃焼室内は1700℃程度に達するそうですが、
そのままだと内部の部品が融けてしまうと困るので、冷たい空気を取り入れてタービンブレードは1000℃くらいまで冷却される構造になっているそうです。
それでも、火山灰に含まれる成分によっては溶けてしまいます。すると、タービンブレードなどに付着し、エンジン内部の正常な空気の流れが乱され、
最悪の場合は、エンジン停止となってしまうのです。実際に、1982年、マレーシア発、オーストラリア行のボーイング747が、インドネシアのガルングン火山の噴火に
気づかず、火山灰中を飛行し、すべてのエンジンが一時停止しました。
1989年には、アラスカのアンカレッジ市から約170㎞にあるリダウト火山が小噴火し、アンカレッジ空港に着陸態勢に入っていたボーイング747が、
この火山灰の雲の中を通過してしまい、この時もすべてのエンジンが一時停止しています。
この様なことから、航空路火山灰情報センター(Volcanic Ash Advisory Center:VAAC)が、現在は世界に9つ設置され、それぞれが担当する領域内の火山監視を24時間体制で行い、情報を共有しているそうです。その一つが、日本の気象庁が担っていて、気象庁東京航空路火山灰情報センター。
日本を中心に、東西では東経90度線から165度線あたりまでを担当していて、地図で見るとブータンからカムチャツカ半島までになるそうです。
日本以外の国では、米国、アルゼンチン、オーストラリア、イギリス、カナダ、フランス、ニュージーランドが担当。全世界で火山をチェックしているという事の様です。

湖を研究する〜水温〜(尾山 洋一編) [nature treasure]

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今回は透明度と並んで最も一般的な湖の調査項目である水温について。
水が冷たい、熱いというのは私たちの生活の中でも感じることが多いですね。例えば夏に入るプールは程よい冷たさで、温かいお風呂は心地良いです。
一方で冬の水道水は冷たくて食器洗いが大変だったり、熱すぎるお風呂は入れない。だから、水温は水中の生き物が生活する上でとても重要な要素の一つなのです。
例えば、北海道の様な日本の北側に位置する湖は、日本の南側に位置する湖よりも平均水温が低いので、湖に暮らす生き物も異なっています。
湖の水温を記録することは、そこに暮らす生物の動態を把握する上でもとても重要。
水温調査で使用する機器は、一般的に売られている水温計。水温計を湖に入れて、値が一定になるまで待ってから値を読み取るといった方法です。
この方法だと水面の水温しか測る事ができません。深い場所の水温を測る場合は、深い場所の水を採水器で採取し、それをバケツに入れてから計測する必要があります。
あるいは、水温計のケーブルが長い場合は、深い場所まで水温計を沈めて計測。また、調査内容によっては、例えば、様々な水深の水温を連続で観測したいという場合は、
水温ロガーというものを使うそう。任意の間隔、例えば1秒間隔とか1分間隔とかで水温の値を記録してくれる便利な機器と。
なぜ、色々な深さの水温を計測するかというと、水温は深さによって異なる場合があるから。この特徴が湖で水温を測る醍醐味とおっしゃっていました。
阿寒湖の様な深い湖の場合、夏は浅い場所の水温と深い場所の水温がまったく異なります。
これは、浅い場所では太陽の熱エネルギーにより湖水が温められやすいのですが、深い場所は熱エネルギーが届かないのでなかなか温まらないからです。
もう一つ重要なのが、水は水温によって密度(重さ)が変わる事。深さによる水温の違いが生き物にどの様な影響を与えているか、アメマスを例に紹介いただきました。
阿寒湖はアメマスのスポーツフィッシングが盛んな湖。それが楽しめる時期は限られていて、だいたい5~6月と10~11月。夏はほとんど釣れないのです。
アメマスは冷たい場所を好むので、水温の低い春と秋は水深の浅い湖岸近くまで寄ってきます。なので湖岸からアメマスが釣れるのです。
夏になると湖岸の様な浅い場所では水が温められるので、アメマスはその様な場所を避け、水温の低い深い場所に移動してしまいます。
ですから、湖岸では夏にアメマスがほとんど釣れないのです。この様に、湖の水温構造というのは、生き物にとって重要な要素の一つになっています。
水温による魚への影響は湖だけに限らず、海でも見られます。水温はとても簡単に計測できますが、湖の生態系を理解する上で最も重要な項目の一つという事なのです。
※写真は尾山洋一氏からお借りしました。
※音声はこちら・・・https://open.spotify.com/episode/79dSvNxStsqDa3MLl2LESi