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2023.0315 O.A 釧路赤十字病院 内科 古川真氏 ~3~ [close to you <dr.編>]

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今回は「行ってみたいな よその国 アイスランド編」ということで始まりました。今回第一弾とのことで続編が今後あるかも?しれません。アメリカ大陸を発見したのは?というまたまた質問から。コロンブスと答えた方、ブブ〜。アメリカ大陸にコロンブスが着いたのが1492年。
その500年前にアイスランド人のエリクソンという方がアメリカ大陸についていたという記録があるそうです。999年という記録が残っているそう。
この方は英雄でしたが、実在しているかどうかが不明で、伝説上の人物だったと。エリクソン氏が着いたのは北米カナダの方。コロンブスが着いたのはカリブ海あたり。
アイスランドから出発するとカナダはとても近いのです。間にグリーンランドがあります。コロンブスはスペインから出発し、間に何もなく、海だけを長い時間をかけてやっとたどり着く感じです。近年、遺跡が見つかり、その中からアイスランドにあるものと同様のものがあったりということで、実はアメリカ大陸に到達したのは
アイスランド人だったとなったのです。
アイスランドはヨーロッパのイギリスよりも北にあり、北海道とほぼ同じくらいの大きさなのだそう。人口が35万人。この国の一大特徴は、男女平等が世界一。
世界で一番最初に女性が大統領になった国と言われています。男女比の賃金の差がとても少ない。ほか、障害者という言葉がほぼ存在しない。
義足や義手を開発している会社がアイスランドには世界に冠たる技術を持っているところがあるそう。
35万人しかいないので、皆で限りなく平等で皆働こう、社会に参加しようと機運がすごく強いそうです。大学もアイスランド大学ひとつで医学部以外は無試験。
とにかく目的意識があって学びたければどなたでも勉強してくださいと。男女比も6:4で女性が多いそう。女性が子供を連れて大学で勉強するのは当たり前。
実はアイスランドに行きたい・・ではなく行ってきた感想ということで教えていただきました。
「行ってみて初めてわかること、その国の風土等があるなと思いました。自然もすごくビックリしましたが、僕が乗ったバスの運転手さん、70歳くらいの方でしたが、
その方の前職がある町の町長さんだったそうです。いわゆる定年みたいな考え方もないのでしょうね。
どうやって自分がこの国で、この地域で社会参加をするかということを積極的に考えているなと日常の中で感じました。」
アイスランドに行って驚いたこと、ものが高い。税金が高いのです。アイスランド人の特徴、貯金しない。年をとって動けなくなっても国が保障してくれるからなのです。
貯金の必要がないのです。ですから税金が高くても納得できるということですよね。
「地域の在り方としてこれはありかな・・と思うのです。厳しい自然の中で35万人しかいないから、皆社会参加する。どういう風に社会参加するのかは自分の状況によって考えながら・・・。さらに滝がたくさんあり、水力発電が盛んなんですよ。クリーンエネルギーがすごく発達している国ですね。北海道もこれだけ自然が豊かなので、
本当はもっとやれることがあるのでは?なんて思ったり。地域のやり方として全部真似することはできないけれど地域の人たちが皆力を合わせて、地域に社会参加する方法のヒントはあるのかなって思います。」

ストーリーからおう〜3月の鞍馬天狗(中西 紗織編) [varied experts]

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今回は《鞍馬天狗》。観世流の謡曲季節表では三月の能で花見の場面から始まります。
前ジテは山伏、実は天狗が化けていて、後ジテは天狗の姿で現れます。源義経は、子供の頃に、鞍馬の山で天狗たちと日々稽古して数々の武術や兵法を教わったと
伝えられています。人間離れした武芸を身に付けた源氏の武将として後に平家を滅ぼす主要人物。平家の全盛時代から源氏へと時代が動いていく・・・
そのような歴史の中のこともこの能の背景となっています。
能《鞍馬天狗》・・・作者 宮増某(謡本による)
登場人物・・・・・前ジテ:山伏 後ジテ:天狗  ワキ:僧 ワキツレ:同行の僧(2、3人)
         前子方:牛若丸と稚児数人 後子方:牛若丸 アイ:能力、木葉天狗
場所・・・・・京都 鞍馬山(現在の京都市左京区鞍馬本町)
季節・・・・・三月(観世流謡曲季節表より)(曲柄 五番目 切能)    
●前ジテ登場:囃子方と地謡方が着座すると、山伏が登場。この能は前ジテの名のりで始まります。鞍馬の山奥、僧正が谷という所は天狗が住んでいたという言い伝えが
あります。山伏はこの鞍馬寺で花見があると聞いたので私も眺めたいと思いやってきました・・・と。
●僧(ワキ)その従者の僧たち(ワキツレ)牛若丸と稚児(子方)登場:誘いを受けた僧たち、ワキとワキツレと、子方の牛若丸と稚児たちが登場。一行は揚幕から
出てくると橋掛りにずらりと並びます。子供たちがとてもかわいく、花見のウキウキした気分も盛り上がります。一行は本舞台に移動し早速花見の酒宴が始まります。
●ワキと子方の退場:寺の男が一さし舞うところに、見知らぬ山伏が現れたので、皆警戒。これは不審者ではないか。源平両家の稚児たちがいるので、
僧たちは花見は明日にしましょうと言って稚児を連れあっという間に立ち去ってしまいます。
●牛若丸(子方)と山伏(前ジテ)の交流:一行が去ったあとに一人、少年が残っています。それが牛若丸。能の中では「沙那王」という名で出てきます。
山伏は、花見の場に貴賤親疎はない、関係が親しいとか疎遠だとかは関係ないと言われているのに、浮世から遠いこの鞍馬寺ではそれも通じないのか。
ご本尊が慈悲深い多聞天であるのに慈悲のないことだと嘆きます。すると、沙那王も自分にも親しい者はない、一緒に花見をしましょうと山伏に声をかけます。
そして、自分の身の上話をします。先ほどの稚児たちは平家の一門、今を時めく花のよう。私も同じ寺にいるのに「月にも花にも捨てられて候」と孤独な身の上だと
語るうちに山伏は気づくのです。この少年は、平治の乱で敗れた源義朝を父とし常磐御前を母として毘沙門の「沙」の字をとって沙那王と名づけられたお方だと。
山伏は沙那王を連れ、夕暮れの山々の花の風景をめぐります。沙那王は親身になってくれる山伏に「御名を名のりおはしませ」と言うと、山伏は「我はこの山に年経たる。大天狗は我なり」と正体を明かします。そして、あなたは兵法の奥義を受けて平家を滅ぼすべき人なのだと言い、明日また会おうと言い残し飛び去っていくのでした。
●沙那王(子方)と天狗(後ジテ)再登場:翌日、沙那王は長刀を手に勇ましい装束で待っていると、約束通り天狗が本来の姿で現れます。羽団扇という持ち物が特徴的。
●天狗(後ジテ)は中国の張良の故事を語り兵法の奥義を授ける:天狗は、先ほどつかわした木の葉天狗との稽古の事を沙那王に尋ねます。
沙那王は大切な師匠の家臣たちを傷つけてはいけないと手加減したのだと話します。天狗は自分のことを師匠と思い大事にしてくれる事に感心し中国の故事を語ります。
昔、漢の高祖の臣下の張良が仙人の黄石公の沓を拾ってはかせ、兵法の奥義を授けられたというお話し。同じ様に天狗は沙那王に兵法の秘伝を残らず伝授しました。
●〈舞働〉沙那王の活躍を予言し去っていく天狗:いよいよ能の最後の場面。天狗は威厳をもって豪快に囃子の音楽による舞を見せ、沙那王が平家を滅ぼすことを予言。
その身を守護することを約束します。沙那王は去っていこうとする天狗の袖にすがりつき別れを惜しみます。天狗も名残り惜しいことだが、合戦においても影の様に
つき従って守り支えましょうと言うと、夕影の鞍馬山の「梢に翔って失せにけり」と、樹々の彼方へ消え去っていくのでした。
「実は、先日北海道教育大学釧路校の学生たちと東京へ研究のための旅行に行ってきました。歌舞伎とミュージカルと能を鑑賞したのですが、ミュージカルは劇団四季の《バケモノの子》。それで、能《鞍馬天狗》とどこか筋が重なると学生が言うのです。つまり人間ではない、異形というか異世界の存在から稽古をつけてもらい特殊能力を授かる。人間の力をはるかに超えた存在と関わり心通わせることで不思議なことが起きるというのは、物語のテーマとして昔からあることなのかもしれませんね。」

2023.0310 O.A 「初めて梅見したよ〜」 [varied stories]

菊田真寛さん(会社役員)

東京で梅の花を観に行ってきました。個人的には、サクラは日本中で開花時期など天気予報やニュースでいつも報道されていますが、ウメは、意外と少ないと感じます。
お花見といえば、桜ですよね。桜の木の下で、花見酒は聞きますが、梅を見ながら梅見酒?とは行きませんね。まだ、寒いので・・・。
梅の開花について、少し調べてみました。気象庁で「うめの開花日」を発表しているのをご存知でしたか?東京は、2022年は2月1日平年よりも10日遅かったようです。
今年は1月21日。去年よりも早い様ですが平年並みなのでしょう。昨年の札幌、函館の「うめの開花日」は4月20日、平年よりも1週間程度早かったようです。
梅の開花日は、東京ですと「さくら」よりも、半月から1か月程度早い感じです。
梅の歴史を紐解くと、原産地は中国。日本へ渡来したのは、紀元前3世紀、弥生時代であるとか。また一説では、遣唐使が日本に持ち込んだとか、奈良時代に中国から
薬の木として渡来した説もあり。庭の木としては江戸時代から。果実・梅の実の栽培も始まったそう。梅干は遣唐使がうめの加工品として中国から日本に持ってきたとか。
平安時代の文献に、菅原道真が梅を読んだ短歌があるそうです。「釣りの時に持参する弁当に梅干を入れていくと魚が釣れない」と言い伝えれれているらしいです。
実は、色々な場所に梅はあるんですね。気が付きませんでした。あっ、ここにも梅の木があると・・・。
先日「小さな和散歩 京王百草園」の「梅まつり」に行ってきたと菊田氏。東京では、少し有名で、東京の西側、日野市にある庭園。江戸時代、享保年間1716年以降、
小田原城主の室であった寿昌院が徳川家康の長男、信康追悼のために松連寺を再建。その後、時代を経て作られたのが、京王百草園とのことです。
300年の歴史がある庭園なので、改めて歴史も感じたそうです。また、その後、江戸の均衡の名所としても紹介されているそうです。松尾芭蕉の句碑もあると・・。
面積は66,000㎡、後楽園球場6個分?とにかく広いということですね。梅の木は約800本。アクセスは、京王線で新宿から1時間程度。百草園駅下車して10分程度の距離。
「途中から、めちゃくちゃな急こう配、急な坂道になって、<あとひといき>という看板もあるほど。その<あとひといき>の看板を過ぎると、さらに急な坂が続き、
ぜーぜーしながらなんとか頑張って登りました。釧路の出世坂が、ずっと続いている感じ。息も切れるし、足もパンパン、膝にも負担が来てるし、体力が落ちていることを改めて感じた次第です。」百草園にたどり着いた後も、そのの中も坂道だらけ。ごつごつとした階段と坂道だったそうです。
満開に咲いた花もあり、つぼみもあり、初めて梅の花をマジマジと観察したとおっしゃっていました。白っぽいピンク色、ピンク色、色も濃い花が多かったと・・・。
「初めて、黄色い梅『蝋梅』を見ました。開花時期が早く、お正月から咲き出すと。花びらの外側が蝋細工の様に光沢がある事からその名がついたそうです。」
園内で、焼き芋を買い、ほっと一息。「久しぶりに焼き芋を食べましたが、ホクホクではなく、トロトロなんです。これが今の焼き芋の主流とか。知りませんでした。」
梅を観にいく事は初めてだったそうですが、自然と触れ合う・空気を感じることが、とても気持ちが良いと思ったそうです。「季節を感じること、大事ですよね。
やはり、忙しかったり、中々動けなかったり、思うように行かなかったりするときに、ホッとすることは大事だなと思いました。」
※写真は菊田真寛氏からお借りしました。
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2023.0309 O.A 邦楽 [chord 5]

・う、ふ、ふ、ふ、 / EPO
・春咲小紅 / 矢野顕子
・私のハートはストップモーション / 桑江知子
・キッスは目にして / ザ・ヴィーナス
・め組のひと / ラッツ&スター
・い・け・な・いルージュマジック / 忌野清志郎と坂本龍一
~今回は邦楽一般。化粧にまつわる楽曲 特集です。
セレクトは村田氏。今回の出演は、村田氏&midoriでお送りします。

症状からみる植物の効果的な使い方(野村 香編) [fun science]

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最近増えている30~40代の方の凝りや痛みの訴え。主にデスクワークをなさっている方に多いとか。病院に行くまでもないけれど、でもなんとかしたい。
こんな時はまず緩めることが必要なのだそう。もちろん痛みの継続や強い時にはまずは医療機関の受診が必要です。
でもそうではない時に有用なのが、ミントやウインターグリーンを用いたもの。
そして痛みまではいかないけれど凝っているという場合は様々な症状から判断して様々なアロマが使われます。
まず、頭痛等の場合はプチグレン等。そして血流不足と思われるものにはラヴィンサラやローズマリーシネオールを使うそうです。
また、場合によっては凝りから消化器系に不調をきたしている時等はレモン等を使うそう。
症状にあった芳香浴を楽しむことで、心も体も緩み、リフレッシュすることに繋がるのです。
またストレスを感じる方も今の世の中とても多いと思いますが、鎮静するにはラベンダーやプチグレン、カモミール等。
そして気分をあげたい時にはカラマツやローズマリーシネオールが適しているとか。
森林系の香りにはリフレッシュさせてくれるものが多いみたいです。どれも香りを楽しんで、気持ちが軽くなりそうです。
※音声はこちら・・・https://open.spotify.com/episode/3knBZWPgYLRmB3hxVlmEUV

鉛弾の盲点・・・(齊藤 慶輔編) [nature treasure]

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今年も結局鉛中毒が発生してしまいました。
胆振地方で収容された鉛中毒のオジロワシが飲み込んでいたのは水鳥猟用鉛散弾。これまでの症例で最も多かったのはシカの体内で砕け散ったライフル弾の破片。
数は少ないものの大型獣猟用の鉛サボット弾を飲み込んだワシもいたそうです。それは全て鉛中毒の原因になるのです。
どうやらシカなど大型獣の狩猟から止めさし(とどめを刺す行為)に使われたと考えられるそうです。なぜなら現在も粒径7mm以下の鉛弾は使用することができるから。
え?鉛弾は全部が使えないわけではない・・・のです。まだ。
「鉛弾の規制だけではなく、新型コロナの影響で停滞気味になっている無毒弾の流通を改善することや、円安などの影響で高騰している銅弾の価格を低下させるような
政策が必要だと思います。過去から環境中にばら撒かれている鉛散弾の除染など、鉛汚染に関する問題は山積しているのです。」
まずは北海道、この道東、釧路からあらゆる機関が協力し、動き出し始めています。
※写真は齋藤慶輔氏からお借りしました。
※音声はこちら・・・https://open.spotify.com/episode/69t74KLRCaTJxxWtnYanim

how to live... experience all approaches in art. [close to you <art編>]

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どう生きるか・・・
どう暮すか・・・
どう死ぬか・・・
それが彼にとって制作の最大のテーマであり、唯一のテーマ。そのためアートであらゆるアプローチを試みる。
彼のテーマは当初からブレが一つもありません。
ですから様々な素材を使い、場所が違っても、彼にとってはやっていることは一緒なのです。
それぞれの作品展で展示する作品は毎回、扱うものが違っていても、それは彼の一部分。
メインは鉄、木、糸を使用しますが、表現されているものはテーマに深く突き刺さるものばかり。
今回は苫小牧在住、金属工芸家であり、彫刻家の藤沢レオ氏のご自身の作品について伺いました。
今年はすでに福岡、札幌、そして地元苫小牧と八戸の交流展への出品が決定しているそうです。
そして、彼はまた新たな扉を開きました。この4月からは先生として、そして生徒としてまたその幅を広げようとしています。
毎回お話を伺って刺激を受けています。彼のコミュニケーション能力の高さ、でもそれを感じさせない雰囲気。
そして、目的に向かって突き進む力。でもそれを感じさせない不思議な魅力をいつも感じるのです。
※尚、写真は藤沢レオ氏からお借りしました。

2023.0308 O.A 釧路赤十字病院 内科 古川真氏 ~2~ [close to you <dr.編>]

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脂肪に関する数字、言葉で浮かぶものは?といきなり質問からスタート。脂肪肝、中性脂肪、コレステロール等はご存知の方が多いと思います。
でもその違いはなかなかわからないと思います。実は繋がっているけれど全然違うそうです。
脂肪肝の脂肪は脂肪細胞。体の中に身についた脂肪は細胞。この脂肪細胞には2種類あり、一つは褐色脂肪細胞。
そして圧倒的に多い白色脂肪細胞。これはどちらかというとエネルギーの貯蓄。この細胞の中は中性脂肪がメイン。中性脂肪は体の脂肪の中でもエネルギーになる脂肪。
検診の項目にはTGと書いてあるそう。トリグリセリド。トリはトリプルのトリ。グリセオール、グリセリンみたいな細胞に3つ脂肪の単位が付いている。
この1個1個の脂肪が脂肪酸といわれるもの。ドコサヘキサエン酸とかエイコサペンタエン酸と聞いたことがあると思いますが、それがエネルギー源になっているそう。
いざ、エネルギーが足りないとなったら、その中性脂肪が細胞の中に入っていき分解され、細胞の中でエネルギーとして使われるという構図。
コレステロールというのは、エネルギー源ではない。体の中で必要なものを作るときの材料や原料になるイメージと。人間60兆もの細胞があると言われています。
実は細胞は一つ一つ細胞膜という袋で覆われています。その袋を作るときの原料がコレステロール。ほかにはほとんどのホルモンもそう。
ステロイドってありますよね。このステはコレステロールのステ。脂肪にも色々な大きさがあり、中性脂肪があり、脂肪酸があり、コレステロール等、
とにかく脂肪にはものすごい種類があるそうです。その種類により大きさが違う。例えばLDLコレステロールは密度が低い、HDLコレステロールは密度が濃いという意味。
よく悪玉といわれているのはLDLコレステロール。材料が余ってしまう、余剰のコレステロールが出てくるとそれが酸化することがあり、
そうなると動脈硬化の原因になるということで悪玉と言っているのです。HDLはサビ取りのイメージ。
中性脂肪とコレステロールで同じ脂肪といっても全然役割が違うということなのです。食べる量や運動量で中性脂肪の値は上がったり下がったりすごく激しいそう。
コレステロールは材料なので急激に上がったり下がったりはせず、かなり長期的な動きをするそうです。
そもそもコレステロールは、最終的に何を気にするかというと、圧倒的に心筋梗塞。動脈硬化が起こるから。
「コレステロールの数値が高いといっても年齢、性別、その方の持っているバックグラウンドが違うので、そのリスク因子を把握した上で数字の持っている意味を
考えることが本当は一番大事なのです。」
食べた脂肪が吸収される時、リパーゼによって脂肪細胞をぶつ切りにするイメージ。小さな単位にして行かないと吸収できない。それを吸収させないように、
リパーゼという消化酵素をブロックする薬が出たのです。オルリスタットというもの。最近マスコミでも取り上げられていました。
この薬が春以降処方箋不要で薬局で購入できることになりそう。「体の中の脂肪分というのは摂取した脂肪だけではなく、糖分が巡り巡って代謝されて脂肪にかわることがあるんです。だから脂肪分だけを薬で吸収させなかったとしても効果は限定的だと思いますし、脂肪が腸の中に残ると脂肪便が多くなるので僕は良し悪しかな・・・
と思っちゃったりしますね。」とおっしゃっていました。

いまこそ地震・津波への備えを!(黒田 理編) [varied experts]

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3月といえば3・11。2011年のこの日、東日本大震災が発生し、東北の太平洋岸が大きな被害を受けました。原発事故も引き起こし、ものすごい数の人が亡くなり、
家を追われました。10年以上の時をへて復興は進みましたが、その傷跡はいまも残っています。
先日、北海道新聞が事務局を務める政経文化懇話会という団体でスポーツジャーナリストの生島淳さん(フリーアナウンサーの生島ヒロシさんの弟さんなのですが)を
釧路に呼ばれたそうです。生島さんは宮城県の気仙沼市出身。4人兄弟でただ一人、地元に残っていたお姉さんを津波で亡くされています。そのことについて書いた
「気仙沼に消えた姉を追って」。「津波以前の気仙沼のことを知らない人が多いのに耐えられなくて、3月10日までの気仙沼の良かった時代を書き残したかった」と本を
書かれたそう。失って、故郷の素晴らしさがわかったというのです。その様に「よかった時代」を振り返れるのも生きているからこそという事。命があるから思い出すこともできる。なんとしても地震に備え、逃げることが大事なのだと思ったとおっしゃっていました。
釧路・根室も人ごとではありません。昨年、道は日本海溝・千島海溝沿いの巨大地震で、最悪の場合、釧路市の人口の半分超の8万4千人が死亡するとの想定を出しました。
トルコでも巨大地震が起き、隣国シリアを含めて3万人以上が犠牲になりました。どう備えるべきか、あらためて考えるよい時期と言えるでしょう。
地震、津波、8万を超える死者と言ってもぴんと来ないかもしれません。とにかく、大きな被害が予想されているのです。
北海道新聞の釧路根室版では今年1月、防災担当記者に宮城県石巻市と高知県に飛んでもらい、連載企画を掲載。石巻市は東日本大震災で大きな津波被害のあった街です。
高さ8.6mの津波は海岸の防潮堤を越え、河川を最大50km近く遡上し、死者・行方不明者は市町村別では最多の3600人に及びました。
古市記者に出張してもらったそうですが、真新しい漁港や市場が整備され、観光客でにぎわう石巻市の魚町地区を訪れたところ、2015年に整備された高さ17mの津波避難タワーが2基、そびえたっていたそうです。タワーは階段がついたやぐらのような大きな建物。「すぐ近くの高台への避難が原則だが、東日本大震災の教訓を踏まえ、
逃げ遅れた水産加工場従業員や観光客が使うことを想定します」と市の担当者が説明してくれたそうです。
石巻市は震災被害からの復旧・復興事業を行い、海岸一帯に高さ最大9.7mの防潮堤を築き、内陸では盛り土の上に道路を通しました。
津波震災タワーは魚町の2基を含め計4基建設。タワーは厳冬期対策として断熱材を使った居室内に3日分の水と食料を備え、太陽光発電設備や蓄電池を備えているそう。
東北の太平洋沿岸には計53基のタワーがあります。では釧路市にはタワーはいくつあるでしょうか。実は1基もありません。釧路、根室管内には別海町の1基だけです。
石巻に追いついていないどころか、ハード面での対策はまだまだこれからなのです。
さて、もう1箇所、現地をみた高知市の例を紹介。高知市は南海トラフ地震で大きな被害が想定されています。月の名所として知られる高知市の景勝地 桂浜の5km沖合で
防波堤の工事が進められていたと。南海トラフ地震に伴う津波から逃げる為の時間を稼ぐための防波堤。高知でも津波避難タワーがこれまでに115基も建てられたそう。
タワーを含めて住宅耐震化など諸々のハード事業の整備により南海トラフ地震で想定される県内の死者数は最大4万2千人から、なんと8800人にまで減少したそうです。
釧路でも当然、望まれるのはこうした死者数の減少。8万人余りの死者数をどこまで減らせるか。ゼロに近づけられるか。釧路、根室管内には1基しかタワーがないので、
まだまだやらなければならないことが山積みです。タワーをはじめとしたハード事業を進められるかどうかの鍵はなんだと思いますか?もちろんお金です。
国は昨年9月、避難用の施設整備への補助率を2分の1から3分の2に引き上げる特別強化地域に全道39市町を指定。釧路市、釧路町、厚岸町、浜中町、白糠町、根室市など
釧路・根室管内の9市町も含まれています。しかしタワーは1基数億円。3分の1を市町が負担するのは荷が重いのが現実です。
それは高知県でも一緒だったそうです。3分の2に国の補助というのは南海トラフ地震に備える自治体と一緒。ずっと道内の自治体は「南海トラフ並みの補助を」と国に
求めてきました。それが実現したという事。ただ、高知と北海道には大きな違いがあります。高知県は地元自治体が負担することになっていた3分の1をすべて県が補助することにしたのです。高知市はお金を出す必要がなくなったのです。これがタワーをたくさん建設できるようになった理由です。
そこで釧路市をはじめ道内の自治体も道の支援を呼びかけています。また釧路市などは普段は老人福祉センターなどの公共施設として利用し、津波発生時には
避難施設となる鉄筋コンクリート造りの複合施設を大楽毛地区に2棟建てる計画。複合施設はタワーと違ってどこまで国が補助をしてくれるかはっきりしません。
今後、国、道などとの調整が必要になってきます。もちろんこの様な施策は行政が行いますが、私たち一人一人も防災に関心を持ち、声を上げていかないと
何も進みません。ハード事業だけでなく、普段の心構えを含めたソフト面の対策も必要です。

2023.0303 O.A 「今回がラスト・・・」 [varied stories]

上村知弘さん(フォトグラファー&ガイド)
http://www.tntnaturecon.com/

もう12年以上アレコレとお話しを伺ってきたのですが、諸々の事情で今回がラストとなりました。思い出は尽きず・・・うち数回はスタジオにもお越しいただきました。
とにかくカナダユーコン準州の素晴らしいところをたくさんご紹介いただき、なかなか行けない国の事を上村氏のお話しで行った気分にもさせていただきました。
あらためてユーコンの魅力をお聞きしたのですが、「やっぱり何と言っても広大な自然、そこに暮らす動物たち、数あるアウトドアが魅力ですね。
そして、そこに暮らす人々の心のあたたかさも。」とおっしゃっていました。
コロナ禍でガイド業もできず、現在は大学で別の仕事をなさっています。コロナがかえた世の中の流れ、動きの中で今後を模索した方々が多いと思います。
上村氏も同じく、様々なことを考えたそうです。未だ、答えは出ていないとおっしゃっていましたが。
ユーコンでのゲル暮らしも最終ステージに入った感じと。そもそも極北での暮らしをしたいと選ばれた土地。
今後のもう一つの目標が半自給自足の生活。そのために他の土地に移る可能性もあるそう。
「おそらく今年1年はユーコンにいると思いますが、来年はどこにいることになるのか?まだ決まっていません。もしかしたらユーコンにいるかもしれないし・・・」
次のステージはおそらくカナダの他のどこか、もしくは北海道道東の可能性も・・・ありそうです。
生きていく上で何を価値観とするのか?人によってそれは違います。何を幸せと感じるか?何が生きがいとなるのか?
コーナー出演は終わっても彼とは繋がっていく予定です。また、何か変化があったら番組内でもご紹介できればと思っております。
この場をお借りして本当に長きにわたり支えていただいた上村知弘氏にあらためて感謝申し上げます。ありがとうございました。今回も彼オススメのご自身の写真から。。
※写真は上村知弘氏からお借りしました。
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