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2023.0928 O.A 邦楽 [chord 5]

・midnight cruisin' / 濱田金吾
・ディスコ・ギャル / 朝比奈マリア
・FUNKY FLUSHIN' / 山下達郎
・Midnight Pretenders / 亜蘭知子
・セプテンバー・バレンタイン / 佐々木幸男
・夢で逢えたら / ラッツ&スター
~今回は邦楽一般。ズバリ・・・夜特集です。
セレクトは村田氏。今回の出演は、村田氏とmidoriでお送りします。

2023年のサンマ棒受け網漁の見通し(黒田 寛編) [fun science]

fs0928mr,kuroda.jpgサンマの季節が始まりました。サンマの棒受け網漁が始まるのが8月10日から。今年は花咲港で1キロ 14万越え、札幌や東京の市場では1キロ20万円越えというニュースも耳にします。1キロ20万円とすると1匹あたりは2万5000円くらい、もはやサンマは大衆魚ではなく超高級魚。というのもサンマの日本周辺海域への来遊量が2010年代から減り続け、今はサンマ来遊資源が底の状態にある事、しかも太った大きなサンマがかなり少なく、さらに、特に8-9月にサンマを捕る場合、日本から非常に離れた公海に行かなければサンマが捕れないというサンマ漁業にとって厳しい現状があります。漁場が遠いと油代もかかり、その油代も高騰。小型船で沖に行くのは危険も伴い、また、漁場が遠いと港に戻るまでに数日以上かかる事もあり、鮮度の保持も難しいにもかかわらず、高値の大型サンマが少ないという複合的な問題があるとおっしゃっていました。
水産庁が7月28日にプレスした「2023年度サンマ長期漁海況予報」について。
この資料は、2023年8月~12月のサンマ棒受け網漁がどうなりそうか?という見通しを、科学的に説明した資料。マスコミや水産業者さんにはよく知られた存在だそうですが、一般の方にはほとんど知られていません。この資料には三つの見込みが記されています。
1:来遊量、昨年と同程度に低水準(昨年と同じくらいサンマがとれない)という見込み。
2:1歳のサンマのサイズについては昨年を上回る(昨年よりも少し大きいサンマがとれる)という見込み。
3:魚群は公海を中心に来遊する、ということなので、道東や三陸近海へはあまり来遊しない、漁場は日本から離れた沖になるという見込。
なぜ、このような見込みが立てられるのか?毎年6~7月(サンマ棒受け網漁が始まる1-2か月前)に日本近海~西経165°の太平洋でサンマの分布調査を実施。今年は調査船を3隻使った大規模な調査を実施。
まず、これまでの研究ですでにわかっている事として、日本近海~経度180°までの海域に分布するサンマが、その後成長し、西側(日本周辺まで)回遊して漁獲。ですから、6-7月の日本近海~経度180°までの海域に分布するサンマの分布量がわかれば、8月~12月のサンマ棒受け網漁でとられるであろうサンマの数やサイズがおおよそわかるという事。サンマの寿命は2歳なので、実際、日本近海~経度180°までの海域には0歳と1歳が混在することになり、漁獲の主体となるサンマは1歳で、その1歳のサンマの割合は、今年は30%程、昨年は23%程なので、若干、今年の方が割合が高い。分布量は昨年より今年が低めですが、「1歳魚主体の来遊量は昨年と同程度の低い水準」と発表。
次に2点目、サンマの太り具合について。今年6-7月の調査によると、27cm以上の1歳魚の体重は90~110g台が主体で、昨年よりも10gほど重い傾向。これが漁獲される頃には+20gほど太ると考えられています。ですから「1歳のサンマのサイズについては昨年を上回る」という見込みが報告されていると。
では、なぜ、今年のサンマの魚群が公海を中心に来遊すると予想されているのか?これには三つほど理由があると黒田氏。
一つ目の理由は、サンマの回遊モデルというバーチャルなシミュレーションに基づいています。まず、6~7月のサンマ分布調査で1歳のサンマが捕れた場所がわかります。その場所に、サンマを模した粒粒を仮想の海の中に入れ、仮想的な海の中でサンマを泳がせ、どの様な経路で日本周辺に来遊するか?を予測。結果として、かつてのように日本近海(道東沿岸や三陸沿岸)にはあまりサンマは来遊しないことが予測されているそう。
次に、二つ目の理由は、「極端に北上する黒潮」と「弱い親潮」に原因があるそう。今年は、親潮が弱く、道東沿岸に沿って冷たい水が分布しづらい状況にあり、それに加え、この夏は黒潮が仙台湾よりも北にまで北上することがある特異的な海の状態。北からの冷水の勢いが弱く、逆に南からの暖水の勢いが強いことで、三陸~道東海域が顕著に高水温化。そもそも、サンマは、親潮が運ぶ冷たい水を追いかけるように南下してくるのですが、弱い親潮と北上する黒潮により、この先も道東~三陸沿岸に冷たい水が分布する可能性が低く、そのため、サンマは道東沿岸のはるか沖(公海)を南下すると考えられているのです。
さらに「今年のサンマの魚群が公海を中心に来遊すると予想されている」三つ目の理由として道東沿岸周辺にはマイワシが分布することも影響すると考えられていると。「興味深いことに、マイワシとサンマは何故か同じ海域に分布しない特徴があり、サンマがマイワシを避けている、あるいは、マイワシがもともとサンマのいた水温帯を占拠するという事実が観測されています。また、道東沿岸周辺には秋にマイワシが分布することが予想されていて、この道東沿岸のマイワシ魚群を避けるように、サンマは道東沿岸のはるか沖(公海)を南下すると考えられています。」
※写真は黒田寛氏にお借りした資料です。
※音声はこちら・・・https://open.spotify.com/episode/4eT41MJfzPWs4hBYLx41Ps

ウチダザリガニと子供たち(照井 滋晴編) [nature treasure]

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今回はこの夏に照井氏が講師をした子どもたちとのイベントについて。春採湖に生息する特定外来生物ウチダザリガニに関するイベント。毎年釧路市が企画しています。まずは春採湖の湖岸で、子どもたちと一緒にウチダザリガニの防除体験。イベントの前日にウチダザリガニを捕獲するためのカゴ罠をいくつか仕掛けておき、それを子どもたちと一緒に引きあげていくというもの。暑いのが苦手なウチダザリガニとれなかったらどうしようという心配をよそに、多くはないもののある程度の数のウチダザリガニを捕獲することができたそうです。 そして、今年はいつもとは違うことをしたいということで、もう一段階踏み込んだ内容を加えたと・・・。
全国的によく行われるのは、捕獲したウチダザリガニを食べてみよう!というものなのですが、春採湖の場合は水質もそんなに良くなく心配があるので、食べるということはできません。 そこで、捕獲したウチダザリガニを解剖し、ウチダザリガニについてさらに詳しく学ぼうという内容をプラスすることしたそう。実は昔とは違い、今は生き物の解剖はかわいそうだとか気持ち悪い等の理由で避けられてしまうイメージがあるそうです。 そこで、解剖パートは全員参加にはせず希望者だけということに。 あまり参加してくれる子どもたちはいないかなと思っていたそうですが、多くの子どもたちが残ってくれたと嬉しそうに教えてくれました。
解剖パートでは、ウチダザリガニの体のつくりや雌雄の違いについて、いつもの学習会では説明しない部位にまで注目して詳しく話を・・・。 「子どもたちは気持ち悪がるどころか、細かいところまでしっかりと観察をしていてこちらが驚かされました。 そして、実はというと今回のこの解剖パートでは、ただ解剖するだけではなく、さらに特別なことをしてもらおうと考え、ウチダザリガニの体内に住んでいるある生き物の観察まで行いました。 」
その生き物というのは「ヒルミミズ」 世間的にもほとんど知られていない生き物で、研究している人間も日本中探しても片手で数えることができるくらいしかいないとてもマイナーな生き物。ザリガニとは切っても切れない縁のある生き物たそうデス。 そんな生物がいるのだということをぜひ子どもたちに知ってもらいたいと思い、札幌からわざわざ「ヒルミミズ」の研究している方を今回のイベントのためにお越しいただいたそう。 ヒルミミズは、ザリガニのどこに寄生しているのかというと、胴の部分の殻の中には呼吸のための鰓があり、そこにいることが多いとのこと。 そこで、ザリガニを解剖する際に、鰓も取り出し、その中にいるヒルミミズを探したのです。ウチダザリガニに寄生するヒルミミズは1mm~2mm程度の本当に小さい生物なので、肉眼で見つけることは困難で、顕微鏡を使って観察を行ったそうです。
「ヒルミミズというマイナーでかつ、うねうね動くような生き物は、子どもたちが嫌がるかなと思ったのですが、解剖と同様にそんなネガティブな反応もなく、とても真剣に観察していて、子どもによっては「かわいい」なんて感想もありました。 」それを聞いたヒルミミズの研究者は、なかなか言われない言葉に嬉しさ半分、驚き半分という感じで、イベントの講師をした私やヒルミミズの研究者の方が子どもたちから新しい気付きをもらった感じとおっしゃっていました。
※写真は照井滋晴氏からお借りしました。
※音声はこちら・・・https://open.spotify.com/episode/2ln8Xt2DqR8khRj5k16j5u