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ストーリーからおう〜6/30の水無月祓(中西 紗織編) [varied experts]

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IMG_4721.jpg今回は「水無月祓」という能について。
「水無月」とは旧暦の六月のことですが、まさにその名前がタイトルに入っている能です。
この「水無月祓」は上演される機会が多くはないそうですが、シンプルなストーリーで、ハッピーエンドの能。
タイトルの「水無月祓」は、「なごし夏越の祓はらえ/夏越のはらい」の行事のこと。
毎年6月30日に全国の神社で行われる、けがれを清める儀式のことだそう。年末の12月31日にも同じように大祓の行事が行われます。
「水無月祓」は、まさにこの夏越の祓が行われているその日の出来事が描かれた能とのこと。
ストーリーはシンプル。かつて恋人同士だった男女が別れ別れになってしまい、その後再会し、めでたしめでたしというエンディング。
能では、ハッピーエンドは多いとは言えず悲劇的な内容の能が目立つのですが、この能は違うようです。
恵の雨が多い夏から、豊作の秋へと向かう風物詩を背景、賀茂の社、つまり上賀茂神社と下賀茂神社、上賀茂神社には雷の神様が祀られ、下賀茂神社には雷の神様の親である神様が祀られているそうです。
その賀茂の社を舞台とし、清らかで涼しげな御手洗川がそばに流れているという、そんな清々しい風景が見えてくる能とのことです。
能《水無月祓・・・作者不詳 世阿弥か?
登場人物・・・・・シテ:狂女 ワキ:都の男 アイ狂言:所の者
場所・・・・・・・京都 御手洗川の辺り 参拝者が身を清めるという
季節・・・・・・・六月晦日(6月30日)
曲柄・・・・・・・四番目 狂女物
●冒頭の都の男の名ノリ:能では、登場人物が自分の名前や境遇を説明するところから始まることがよくある。
「これは下京辺に住居する者にて候。我さる子細あって播磨の国にくだり、久しく室の津に逗留のあいだ、相馴れし女の候に、都にのぼりなば必ず迎へ妻となすべき由、
堅く契約申して候」・・・ 結婚を約束していたわけです。妻としてこの女を迎えようと人を遣わしたところ、なんとその女は行方知れずになってしまっていたという・・・
まあなんと悲しいこと、というわけ。折しも今日は夏越の祓なので、賀茂の明神に参詣して再会を願おうと思った、というところから物語がはじまります。
●男はアイ狂言の「所の者」その地元の男と対話する:地元の男によると、若い女物狂が巫女のような恰好をして、人々に茅の輪のいわれを面白く舞い歌いながら
語りきかせて茅の輪をくぐらせているというので、都の男は見物に行きます。
物狂や狂女という存在は、大変面白い芸を得意としている存在、例えば歌ったり舞ったりすることが得意な人物。能にはその様な人物が時々登場します。
●男は狂女に語りかけます:男「いかにこれなる狂女。・・・夏越の祓の謂はれこそ聞きたう候へ」女「わらはは狂人なれども、祓の謂はれを申して聞かせ参らせ候べし」
二人は言葉を交わすのですが、まだお互いのことに気づかない。観客としては、ヒヤヒヤ、ワクワク。でもやはり狂女物なので芸尽くしという考え方があるのでしょうと。
狂女でもあり、巫女の扮装もしているので、どこか白拍子のような趣きもあるわけです。ですからこの後、烏帽子をつけて白拍子の様な姿で面白く舞を見せることに・・。
天照大神、詞章「あまてるおおんがみ」となっているそうですが、その神代の物語が語られ、夏越の祓の謂われが説明されます。
昔、天照大神が葦原の中つ国の御主となられた折に、荒ぶる神々が「五月蝿」と詞章にあり、それは夏の蝿のこと。夏の蝿が飛び騒ぐように障りをなしたので、
事代主の神がそれをおさめてお祓いになった、これが、夏越の祓に始まりですと、女はそのように語ります。
●物着 中ノ舞:物着で烏帽子を付け白拍子のような装束になり、その後中ノ舞を舞う。舞い終えると、女は水に映った自分の姿を見て、お歯黒や眉や髪も乱れて、
あらこれは恥ずかしいことと嘆き、その場に倒れ伏して号泣。
●夫婦の再会:そこでようやく男は、別れ別れになっていた妻ではないかと気づくのです。女も呼びかけられる声が夫の声の様だけれど最初は夢ではないかと思いながら、
よく見れば夢ではない、本当に夫が目の前にいるとわかるのでした。再会できたのも賀茂の明神のお導きだと、二人して「げにまことありがたや」と感謝の祈りを捧げ、
夫婦そろって帰っていくのでした。めでたし、めでたし、というお話でした。
「夏越の祓が導いた奇蹟とでも言いましょうか。これまでの悲しみや苦しみが清められ澄んだ心で、愛する人と新たな一歩を踏み出す。こんなお話も能にはあるのです。」

2022.0610 O.A 「オーストラリアのびっくり裸足文化」 [varied stories]

鈴木雅章さん(翻訳者・ライター)

今回は実はVIVID SYDNEYという光の祭典について伺う予定だったのですが、鈴木氏がインフルエンザに罹患してしまったという事で行けず・・・。
そのインフルエンザですが、今オーストラリアで流行っているそうです。A型にかかったそうですが、医師には数ヶ月後にBもやってくるので予防接種をすすめられたとか。
学校でも流行っているそうで、彼は息子からうつったとおっしゃっていました。
もしかすると今年に冬には北半球にもやってくるのでしょうか・・・。covid19との両立状態になっているそうです。
彼が行けなかったとおっしゃっていたVIVID SYDNEYですが、2009年から毎年行われ、2020年、2021年は、新型コロナウィルスの影響により中止となり、
今回は3年ぶりの開催になったそうです。シドニーの複数の会場で開催される世界最大級の「光、音楽、発想の祭典」フェスティバル。
ビビッド・シドニーの開催される約3週間の間、「光」(Light)「音楽」(Music)「発想」(Idea)をテーマにした興味深いイベントがシドニーの街中で行われるそう。
Musicは、期間中多くのコンサートがシドニーの複数のコンサートホール等で行われ、Ideaでは、各分野の著名人による講演やワークショップ等が行われるそう。
まだ、期間があるので、調子が戻ってきたら出かけてみたいともおっしゃっていました。
さて、今回はオーストララリアのびっくり風習、裸足文化について教えていただきました。彼が一番最初にカルチャーショックを受けたのが裸足で歩いている人たち。
ビーチの側はもちろんですが、街中のショッピングセンター、カフェ、電車の中にも裸足の人がいるそうです。
普通の服装を着ていて足もとは裸足。なんだか不思議ですよね。彼もオーストラリアに住み始めた頃には「郷に入っては郷に従え」という事で
裸足で歩いたこともあるそうですが、とにかくあまりリラックスできる状態ではなかったそうです。
この文化、BBCでも特集が組まれたそうで、なぜオーストラリア人は裸足が好きなのか?
まず、気候が良い事。そしてビーチの周りから生まれた文化であるという事。そして、移住した人たちが開放的な気分で始めた事という結びだったそう。
彼も同じく、気候が良い事が一番の理由かな?と。ただ、夏はアスファルトの上は非常に熱い事や何が落ちているかわからないという事でリラックスはできなかったと
おっしゃっていました。アジア人に比べて足の裏の感じが違うのでしょうか?
※写真は鈴木雅章氏からお借りしました。
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