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unique glass [close to you <art編>]

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日本の画家のデッサンを元にイタリアの職人がガラス作品を製作する。
そんなコンセプトのもと展示された作品が並んだとてもユニークな展覧会です。
そもそも1993年から始まった日動画廊のプロジェクトにより生まれた日本とイタリアのコラボレーション。
仕事を委嘱された日本の画家たちは、自身の作風を反映した原画を描き、イタリア ムラノ島の工房の職人たちが、長年培ってきた技術とセンスを注いで
完成させたものです。
「えっ?この原画で、この作品?」というものもあります。
それはイタリアと日本の文化の違いもあるでしょうし、職人と画家の相性の問題もあるでしょう。また、個々の感性の違いもあるかもしれません。
でも、そこが面白いのです。
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日本の画家が、普段はどのような作品を描いているのかもわかるような展示になっているので、その世界観も伝わると思います。
ガラスのオブジェ的なアートな作品が目を引きます。
じっくり原画を眺めてからガラス作品をみると・・・その工程を想像したり、様々なイメージが頭の中を渦巻くのが感じられると思います。
1人でじっくり鑑賞するのも良いのですが、誰かとああでもない、こうでもないと話しをしてみるのも面白い鑑賞の方法かもしれません。
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(ガラスの不思議展は9/5まで釧路市立美術館で開催中)

2021.0616 O.A 杉元内科医院 院長 杉元重治氏 [close to you <dr.編>]

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まずはワクチンのこと・・・。65歳以上の方のコロナワクチンの接種はだいたい順調に進んできました。64歳から19歳までの方には書類は届いたのですが、まだ予約はできない状況です。当初はファイザー製ワクチンを人数分確保したという報道もあったので、一般市民ももちろん先生もそう理解していたと。ところが・・の事態です。これは釧路市という問題ではなく国の問題、世界各国での問題かと。需要が非常にのびて供給が追いついかないからなのか、その辺りはわかりません。釧路では大規模接種はもうやらないという新聞報道もありましたが、今後各病院・クリニックで今のペースでできるかというと難しい感じがすると個人の見解を教えてくださいました。「毎年行われている季節性のインフルエンザのワクチンが10月の末位から始まるのですが、今年もおそらくする事になると思うので、コロナワクチンとインフルエンザのワクチンを同時に打つという事だけはなんとしてでも避けたいと思っていますね。」最近は飲み薬の開発も進んでいると新聞に載っていました。発症した場合やワクチンが効かない変異株の出現に備えて新しい治療薬の開発も重要。国内では口から飲むタイプの抗ウイルス薬の臨床試験も始まったそう。ただ、まだ長い道のりもありそうです。「外来でいただく質問として、解熱剤のことがあります。2回目の接種の後で副反応が出る方もいらっしゃるので、それを懸念されて薬を購入し市販のお薬も無くなっている所もあると。少し過剰反応ではないかなという気もします。実際に沢山のご高齢の方にも接種していますし、自分自身もそう感じますが、そんなに問題はなかったという印象です。」
さて、釧路赤十字病院の精神科の病棟が来年4月に中止になる事はご存知でしょうか。科自体はなくならないそうですが、今までいらした常勤医の先生がいなくなり、非常勤の先生が今後診察していく感じになるそうです。入院させなければならない患者さんを収容する病床はなくなるという事です。釧路管内では入院できる施設が4箇所ほど。今後9月までは現行の体制で維持。その後は病床を徐々に減らしていくことになるそう。この地域では認知症を始め、今後の大きな問題になると。「一つの職種だけで頑張るのは限界があり、ほかの職種の方も含めて能力をあげて頑張らないとダメかなと。時間と労力が必要だと思っています。」

意外と身近な深海??(満澤 巨彦編) [varied experts]

日本周辺の海底地形図rev.jpgプレート境界を流れる酒匂川.JPG
釧路沖にもヒマラヤ級の深海が・・・・・というお話しです。
なぜ、日本の周りには深海、特に海溝やトラフがあるのか。
釧路の南東方向、海の下には千島・カムチャツカ海溝があるのですが、その深さ、なんと7000mを少し超える深さ。
釧路からの距離は約180km。その距離に、山で言うとヒマラヤ山脈級の深さの海溝が横たわっているそうです。
海水がなければ、ずっと谷状の地形が広がっていると言うわけです。ただこれは見えないので、山から麓の眺めをイメージしていただくしかありません。
釧路のすぐ沖からは海溝に向かって峡谷状の釧路海底谷も延びています。その長さ150kmを超えるそう。
さて、この様な深い海、海溝ができるかと言うと、日本がプレートの境界、特にプレートの沈み込む場所に位置しているからなのです。
プレートとは地球の表面を構成している大きな岩盤。北海道は関東以北と同じ北米プレートにのっています。
この北米プレートの下に太平洋プレートが沈み込むことで、北からアリューシャン海溝、千島・カムチャツカ海溝、日本海溝、伊豆小笠原海溝が形成されています。
伊豆小笠原海溝の南のマリアナ海溝は世界で一番深い場所があり、そこは10920mとも言われているそう。
西日本はフィリピン海プレートが本州のあるユーラシアプレートの下に沈み込むことで、南海トラフや琉球海溝が形成されています。
プレートが沈みこむことで深い海ができるのですが、地震や火山など大きな災害の原因もプレートの沈みこむことと関係しているのです。
確かにプレート境界があることで、地震が起こるのですが、一方で雄大な景色や火山活動による温泉という恩恵、
深海が近くにあることから栄養豊富な海水が沿岸に湧き上がることから美味しい魚が獲れる等の恩恵も受けていることも忘れてはならないのです。
※尚、写真は JAMSTEC 満澤巨彦氏からお借りしました。
・写真左上は日本周辺の海底地形図(ⒸJAMSTEC)
・写真右上はプレート境界を流れる神奈川県西部を流れている酒匂川(写真の対岸<西側、見えているのは箱根の山々>はフィリピン海プレート、
こちら側(東側)は北米プレート。どこにでもありそうな河川の風景に地球科学上重要な境界があるという事を知っていただきたくて・・と送って下さった写真。)

2021.0716 O.A 「意外と近い?山と海」 [varied stories]

鈴木雅章さん(翻訳者・ライター)

3月に引っ越してから約4ヶ月。3日間近所を散策してみた報告です。初日は、自宅から歩いて30分ほどの小山。Rumbalara Reserve(ランバラーラ保護区)というところ。
頂上までの高さは130メートルほど。歩いて30分ほどで頂上に着き、住んでいる街、ゴスフォードを見下ろす事ができるそう。
実は、車でも頂上まで行けるそうですが、健康のため?あえて歩いて出かけたとおっしゃっていました。
頂上には銅像が4体ほどあり、そのうち1つは、マシュー・フリンダーズというイギリスの航海者。
オーストラリア大陸を周回し、"Australia(オーストラリア)"という名前を使うことを勧めた人のものだそうです。
鳥のさえずりが聞こえ、オオトカゲやワラビー等もいるそうですが、彼は遭遇できなかったそう。
続いて、2日目。車で30分ほどのキルケア(Killcare)に。山側のトレッキングコースからビーチに降りていく予定だったそうですが・・・。
出発時間が遅く、また山道が本当のトレッキングコースで、アップダウンが激しく時間がかかり、
ビーチまで行くと戻る頃には暗くなってアブナイと判断し、途中で引き返したそうです。
そして、3日目 。キルケアビーチの隣のボウディ・ナショナルパーク(Bouddi National Park)に。ボウディは先住民アボリジニの言葉で「heart」という意味だそう。
「コースタル・ウォーク」という海岸沿いを歩く道がつくられていて、全長は8キロメートル。 眺めがとても良かったとおっしゃっていました。
山を歩くトレッキングコースが途中で閉鎖中。ただ、通行止めのテープが引きちぎられていて、誰かが通った跡があったと。
どこかの子どもが途中まで行って引き返してきたそうですが、ルールを破ってしまってはやはりどこでも危険が伴いますよね。
「サンドイッチではなく、あえて大きなおにぎりをつくって行き、海岸で食べました。大自然の中で食べるおにぎりはやっぱり最高ですね!!」
※写真は鈴木雅章氏からお借りしました。
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2021.0715 O.A 洋楽 [chord 5]

・Bring It On / SEAL
・Prayer For The Dying / SEAL
・Fast Changes / SEAL
・Kiss From A Rose / SEAL
・Human Being / SEAL
~今回の洋楽編、SEAL 特集です。
セレクトはToshi氏。今回の出演は、Toshi氏&midoriでお送りします。

砂岩脈とチャートの妙(境 智洋編) [fun science]

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昆布森から伏古、そして幌内(ポロナイ)。
おそらくテンネル層が出ていて、3900万年くらい前の礫岩層。この辺り一体が河口域。河口に上流からの礫を貯めていった場所になると思うと境氏。
テンネル層の特徴で中に凝灰岩が入っているのが見える。それが流れてきたか降り積もったか。
ここで復習。道東の海岸線で一番古いと言われているのが汐見層。今から6000~6500万年前。白亜紀と第三紀の境目あたりが汐見層のあたりから始まる。
その汐見層の上が別保層、それから春採層。その上がテンネル層。ここは礫岩が主体となる。この辺りはテンネル層が厚い。
もしかすると化石が入っているかもしれない・・・なんて!!。
すぐに現れたのが珪化木。そして葉の化石。しっかり模様が見える。
テンネルの特徴として珪化木、植物の化石、そして赤いろのチャートが入り込む。
釧路川の東側の海岸は赤い砂浜。その元となるのが赤のチャート。
そしてここには砂岩脈が見える。とても変わった形をしているものが一つ。
亀裂が生じて砂が入り込む。過去に大きな地殻の変動があったか?それは想像するしかないのかな?

イシイルカのこと(笹森 琴絵編) [nature treasure]

1イシイルカとシャチ 撮影 笹森琴絵).jpg 2イシの赤ちゃん 笹森.jpg 3波しぶきをあげるイシイルカたち@釧路 笹森.jpg 4イシ型イシ @噴火湾 笹森.jpg
笹森氏が海の暴走族と呼ぶ「イシイルカ」について。
北太平洋の固有種で冷水域に分布しています。ですから北海道大好きなわけです。実はイシイルカ2タイプいるそう。
イシイルカ型とリクゼンイルカ型。リクゼンイルカ型は北日本の太平洋側からオホーツク海の中央部のみ。イシイルカ型は分布域全域。
例えば噴火湾や羅臼沿岸では主にイシイルカ型が主。そして釧路沖には両タイプともに来遊し、さらに混合群もいるそうです。
2タイプとも体長は2m前後。腹部は白、他は黒に近いダークグレー。ただ、リクゼン型イルカの方が白い範囲が大きいそうですが、船の上からは見分けるのは厳しそう。
海面ギリギリを白い波しぶきを上げて猛スピードで不規則ジグザグに泳ぐ姿はまさに・・海の暴走族?!
連続して上がるV字型、あるいはカーテン状に広がるしぶきがあまりに目立つので見つけやすい、もしくは見つかってしまいやすいのだとか。
一方で休んでいる様な時は静かにプカプカ。。。小さい黒い背びれと背中で海の色と似ていて見つけにくいそう。
人間から見ると、用心深さも大胆さも好奇心も適度。行動は気まぐれで奔放って感じがするとおっしゃっていました。
広々とした大海原を舞台に、水しぶきを大らかに派手に上げている暴走族みたいな彼らを見るたび、彼らこそ、まさに野生動物だといつも思うんですよね。。。」
※写真は笹森琴絵氏からお借りしました。

nothing beats this. [close to you <art編>]

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2021.0622に開催された 北海道高等学校文化連盟釧根支部 美術展・研究大会にお邪魔しました。
コロナ禍で去年実施することができず、さらに今年も延期か中止か・・となったそうですが、
生徒たちに生の作品を鑑賞する機会を与えたいとやっと開催することができたとおっしゃっていました。
会場には去年受賞した生徒の作品とその発表者。そして釧路・根室地区の美術部の生徒たちが。
発表する以外の生徒は自分の気になる作品を選び、その作品の前に座り、制作者の意図や思いを聞く。
発表する側、聞く側ともに真剣で、まさに生きている授業という感じがしました。
先生も普段は見ることのできない生徒の表情に実現して良かったと思われたそう。
去年はweb上での発表を行ったそうですが、
「先生!やっぱり作品はナマモノです。私たち直に見たいです。」という声を生徒からあがったそう。
その様な意味からも今回の開催は意義深いものだったと思います。
私も会場で生徒同士のやりとりを聞かせていただきましたが、熱くて真剣な生徒たちの今の声を聞くことができました。
来年はどの様な形になるのかはまだわかりませんが、いろいろな形で模索する先生の姿、それに応える生徒たちの姿に微笑ましく頼もしさを感じた時間でした。
なお、今回は釧路北陽高等学校 美術部顧問 竹本万亀氏にお話しを伺った模様をお送りしました。

2021.0707 O.A おかだ歯科 院長 岡田実継氏~2~ [close to you <dr.編>]

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いまは、口腔ケアはとても大事と思っている方が多いと思います。歯と全身疾患の関わりは1996年くらいから言われ始めたそうです。
「もともと糖尿病と歯周病は深い関わりがあると言われていました。糖尿病になると歯茎が弱りやすい。第6番目の合併症と言われているんです。最近は歯周病が進むと糖尿病も悪化するというデータも出てきています。だから双方向に影響するということ。」でも歯周病を予防するのはなかなか難しいそう。歯周病は歯周病菌が原因。
40歳前後をさかいに40歳より前は虫歯で歯を抜く確率が高く、それ以降は歯周病で歯を抜かざるを得ない確率が高くなるそうです。
症状は歯茎から血が出る、グラグラする、歯茎が腫れる、口臭がひどい等。
セルフケアするのがなかなか難しい場所もあるので、定期的に歯科医医院に行って歯石を取ったり、歯のクリーニングをすることが望ましいそう。
次に口腔ケアと心臓病、早産・低体重児出産にも関わっている話しもあるそうです。ですから口腔ケアはとても大事ということなのです。
続いて嚥下関連のお話しです。ケアマネージャーの資格を取得した時に色々な職種の方と知り合い、今までわからなかった世界が一気に広がり、勉強したいと思われたそうです。そこで2012年に医師、歯科医師、薬剤師、看護師、言語聴覚士等のリハビリ職種、栄養士、介護職等の多職種の有志が集い「釧路摂食嚥下研究会」を立ち上げたそう。嚥下障害は年齢を重ねるとともに飲み込む力が弱くなったり、唾液が少なくなったり、背中が丸くなり姿勢が悪くなることによっても起こるそうです。また、認知症で食べ物を認知しなくなったり、食べ方が早食いになったり、なんでも食べてしまう等嚥下障害を起こす元になるいろいろな疾患があるのです。その研究会も3年前に法人化したのですが、例会等も自粛中。今後は研修会も参加して行きたいとおっしゃっていました。
ホームページを立ち上げていて、そこから嚥下に関する質問・相談等も受け付けているそうです。https://enge946.jimdofree.com/
最後、水のいらない液体歯磨きのお話しを。実はこれ阪神淡路大震災の時に直接の原因ではなく誤嚥性肺炎でなくなる方が多く、それから企業が取り組み始めできたもの。災害時にはとても役にたつものだと感じました。本当は一家に1個用意するだけでも災害時に安心できるアイテムだと思いました。

能の歴史続き・・・(中西 紗織編) [varied experts]

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今回は「声」に焦点をあてて、日本音楽史の中の声楽表現についてお話しを伺いました。
まずは催馬楽(さいばら)伊勢海の音源を。平安時代に隆盛した古代歌謡。元来存在した各地の民謡・風俗歌に外来楽器の伴奏を加えた形式の歌謡です。
管絃の楽器と笏拍子で伴奏しながら歌われた「歌いもの」の一つであり、多くは遊宴や祝宴・娯楽の時に歌われたそうです。
雅楽の中の声楽。能の古い時代に遡ると日本音楽の中でこの様なものがあったという一つの例です。
そして声明(しょうみょう)常楽会の音源。声明とは、仏典に節をつけた仏教音楽の一つで、儀礼に用いられるそうです。
催馬楽に比べるとよりお経の様な感じで、仏教的な要素が含まれているのが感じられました。
ところで、西洋ではどうなのでしょう?声明とグレゴリオ聖歌はよく比較されるそうです。
声明は仏教の聖歌。グレゴリオ聖歌はキリスト教の聖歌。どちらも神様やお釈迦様を讃えるもの。
宗教的要素や目的が似ているのが共通点で、そしてどちらも単旋律です。
グレゴリオ聖歌は複数の人数で歌い、そこに不協和音が起こると濁ってしまう。できるだけそれをなくす歌い方をします。
声明はその様なことを求めていないので複数のお坊さまが一緒に唱えても問題ないのです。その考え方、美意識は大きく違うところかもしれません。