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2024.0328 O.A 邦楽 [chord 5]

・sûre danse / 米米CLUB
・SPY / 槇原敬之
・$10 / 林田健司
・You were mine / 久保田利伸
・Make-up Shadow / 井上陽水
・夢で逢えたら / ラッツ & スター
~今回は邦楽一般。村田の好きな6曲です。
セレクトは村田氏。今回の出演は、村田氏とmidoriでお送りします。彼の出演ラスト回になります。

厚岸ホッカイエビの資源管理サクセスストーリー〜耳学問2(黒田 寛編) [fun science]

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「個人的には、NHKで昔放送されていたような<プロジェクト〇〇>番組で取り上げられても 良いと思う位の成功事例で、資源管理を徹底するというような精神論ではなく、きちんとした科学的な知見に基づいて漁獲や保護のルールを『自主的に』作り、それが成功したことは本当に評価されるべきポイントだと思うんですよ。」と始まった今回のお話し。
まず、厚岸のホッカイエビの年間漁獲量、2009年以前はほとんど5トンを超えることない不漁状態で推移していました。もう一つの注目点は、2007年の漁獲量はほぼ0トン。これはエビが全く獲れなかったということではなく、2007年のエビ漁の初日に、あるエビ漁業者が使用する加工場に衛生管理指導が入り、班長は2007年のえびかご漁の休漁を決定したことで、2007年の漁獲量がほぼ0になったそうです。
ただし、この2007年の一年間の休漁が大きな転機となるのです。当時の班長が、衛生管理を改善したほか、水産技術普及指導所を訪ね、科学的な知見に基づいたエビの生態や資源管理について学ばれたそうです。そして、2008年から資源管理のための改善策が実施されます。一つ目は、オスの小さなエビ(次の年にメスになる小さなエビ)を残すために、エビ篭の網目と漁獲されるホッカイエビのサイズの関係を漁業者が実験的に調べて、網目の幅を3.3cmにして、それまでよりも1cm網目の幅を大きくしました。二つ目は、エビ篭の数を、一人あたり250篭から50篭に減らしたことで、漁獲圧を下げる取り組みをしたこと。さらに三つ目は、操業期間を見直して、卵をもつメスを獲りすぎないようにしたこと。具体的には、操業期間を以前の5月1日~12月29日の8カ月間から6月20日~8月20日の2カ月間に縮めたこと。すごい決断だと思います・・・と黒田氏。さらに、それまでは「小」「中」「大」という出荷サイズの基準があったのを、「小」サイズは漁獲しないことから、「小」サイズを抹消したことも勇気ある決断だったと。さらにその後は「特大」というサイズが追加されます。その結果、ホッカイエビの漁獲はどうなったか・・・2008年や2009年(改善直後の1-2年)は、5トン未満で漁獲量としては大きく上がりませんでしたが、一方、1キロあたりの単価は1.5倍に。2006年以前は1キロ2000円前後が、2008年以降は1キロ3000円前後に上昇。そして、2012年以降は漁獲量も10トン以上で推移、高い資源水準と単価の高い漁獲が維持されているそうです。
「本当にすごいです。。。とにかく、強調したいのはこのような資源管理を、道や国(行政)から「やれ」と言われて実施したのではなく、漁業者の代表(班長)が考え、専門家の指南を得て、漁業者みんなの同意のもとで協力して資源管理に取り組んでいるところなのです。」
まだ、続きます。「さらに、徹底しているのは、2008年以降、漁期の前と漁期の後に、ホッカイエビの資源調査を漁業者自ら実施していることや、漁業者が操業日誌をつけ、その漁場情報を関係者で共有するなどの取り組みが行われていること。また、ホッカイエビを「大黒しまえび」としてブランドしたことも成功への重要なポイントになりました。」独り勝ちではなく、皆で勝つというこの体制が、共有の水産資源を管理するには大切なことで、なかなかできるようで、できないこととおっしゃっていました。自主的な資源管理がこれ以上ない成果をもたらしたわけですが・・・厚岸周辺のアマモ場は本当に大切な共有財産で、厚岸にそそぐ湿原河川、厚岸湖、厚岸湾があってはじめて成立する自然環境ということは忘れてはならない事実。厚岸湖と厚岸湾の間付近に位置する「あるアマモ場」の中には、全ての成長段階のホッカイエビが生息しているアマモ場もあり、このようなホッカイエビの揺りかごのような生息環境をどのように維持していくのか?が、今後の資源管理の重要なポイントになると黒田氏。いずれにしても、ホッカイエビを持続的に利用するためには、ホッカイエビを獲りすぎない資源管理に加え、厚岸周辺のアマモ場を守る必要もあり、そのためには陸域環境を含めた厚岸周辺の自然環境を大切するそんな取り組みが今後も不可欠であると考えられる・・・ということなのです。
※写真は黒田寛氏にお借りした資料です。
※音声はこちら・・・https://open.spotify.com/episode/7oPOuGRNaLoth6uK9LCADq

キタサンショウウオも光りものがお好き?(照井 滋晴編) [nature treasure]

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「先日サンショウウオの調査方法についての研究成果を札幌で発表する機会があったので、その内容をお話ししたいと思っています。」
単純にサンショウウオをどうやって捕まえるかという方法。以前は陸にいるサンショウウオを捕まえる方法として落とし穴の話をしていただきました。今回研究成果として発表したのは水の中の話。
まず、サンショウウオを含む両生類の捕獲方法には、能動的な手法と受動的な手法の2種類があり、 能動的な方法は、移動中の個体や転石・落葉などの下に隠れた個体を木や石をのぞきながら探す手法や水の中にいる個体をタモ網などの道具を使って捕獲する方法。 対して、受動的な方法は、トラップによる捕獲。 陸上でのトラップ法として落とし穴を教えていただきましたが、水の中ではどのようなトラップが考えられるでしょう?
実際に海外では、両生類の幼生や水中生活をするイモリ類の成体を捕獲する方法としてカゴ罠が使われ、その効果についてたくさんの報告がされているそうです。
でも、日本国内ではカゴ罠を使って水中で両生類を捕獲したという報告はほとんどなく・・・それならば本当に効果的なのか実際にやってみようと思い立った照井氏。
「サンショウウオを守る活動をしていると、どうしても捕獲しなければいけない場面が何度もあります。例えば公共工事などでサンショウウオの幼生がいる水たまりが埋められてしまうとなれば、できるだけ多くの幼生を捕獲して埋められない近くの水域に移すということもよくあります。 そんな時、たくさん捕獲できる方法があれば、より多くのサンショウウオを守ることができるので、試してみる価値のある研究なのです。」
実際には、サンショウウオの幼生が水の中にいる夏の時期に、たくさんいそうな水の中にカゴ罠を放り込む作業を実施。 ただカゴ罠を入れるだけではおもしろくないので、海外の研究で水中トラップでの両生類の捕獲効率を向上させるとされるグロースティックと呼ばれるものをカゴ罠に入れると、本当に効果があるのか?ということも検証することに・・・。 グロースティックは軽くバキッとおると蛍光色に光る棒のこと。今回の研究では、サンショウウオの幼生がいる水の中に、餌も何もいれていないカゴ罠と、このグロースティック1本だけをいれたカゴ罠を沈め、翌日に幼生が捕れているか確認。この実験は、3ヶ所のサンショウウオの生息地で3日間実験。どこの生息地でもグロースティックを入れたカゴ罠の方が入れていないカゴ罠よりも多くの幼生を捕獲することができたそうです。捕獲した個体数の合計は、グロースティックを入れた罠で117匹、入れていない罠で37匹。グロースティックを入れた罠の方が約3倍多く幼生を捕獲できたということ。この結果から、まず、カゴ罠はサンショウウオの幼生を捕獲する方法として使えるということが判明。さらに光る棒を入れるだけで、その効果はさらに上がるという事もわかったのです。
「今回の研究で試したカゴ罠の場合、水の中に沈めるだけなので生息環境を破壊する可能性は低いので、タモ網と同じくらい幼生を捕獲できるのであれば利点としてはとても大きいと思うので、今後普及していくと良いなと感じています。 」
※写真は照井滋晴氏からお借りしました。
※音声はこちら・・・https://open.spotify.com/episode/20YAea1bfYhlVbSULxFoqC