SSブログ

2022.0224 O.A 邦楽 [chord 5]

・ひとり咲き / チャゲ&飛鳥
・万里の河 / チャゲ&飛鳥
・ボヘミアン / チャゲ&飛鳥
・モーニングムーン / チャゲ&飛鳥
・僕はこの瞳で嘘をつく / チャゲ&飛鳥
・LOVE SONG / チャゲ&飛鳥
~今回は邦楽一般。チャゲ&飛鳥(CHAGE and ASKA)特集です。
セレクトは村田氏。今回の出演は、村田氏&midoriでお送りします。

スケトウダラ SURIMI s'il vous plaît(黒田 寛編) [fun science]

資料1.jpg 資料2.jpg 資料3.jpg
資料4.jpg助宗(すけそう)だらと呼ぶ方もいらっしゃると思いますが、専門家の間では「スケトウダラ」と呼ばれます。
スケトウダラ、と聞き、すごく身近に感じる人は少ないと思います。
鍋を囲む時等は「マダラ」や、その白子である「タチ」が主役になり、スケトウダラを囲む事は少ないかもしれません。
ただ、竹輪やかまぼこなどの練り物、特に、ちょっと高級な練り物にはスケトウダラのスミリが混ぜられています。
例えば、フランスではカマボコや練り製品のことを”SURIMI”と呼んでいて、一時期、SURIMIブームがあったと。
そんな事もあり、イタリアとスペインのグループは、最新の研究機器(次世代シーケンサー)を使い、
スリミの表示が正しいかどうかを確かめる様な研究もしていて、ヨーロッパでスリミが熱い状況にある様です。
もう一つ、スケトウダラで忘れてはいけないのが「たらこ」や「明太子」。
スケトウダラの卵が「たらこ」として珍重されています。九州の博多でお土産を買いに行くと、高級品には
「北海道噴火湾産」と書かれていて、御土産なのか地産地消なのか迷う事が道民のアルアルかもしれません・・と黒田氏。
また、ロシア語でスケトウダラは「ミンタイ」と呼ばれています。「明太子」の「メンタイ」はロシア語の「ミンタイ」に由来するという説があるそう。
さて、北海道周辺では、主に2つのスケトウダラの系群、集団がいると考えられているとのこと。
一つは北海道の西方沖の日本海で卵を産む日本海北部系群と、もう一つは北海道の噴火湾周辺で卵を産む太平洋系群。
スケトウダラの太平洋系群、12月~3月が主な産卵期で、1月に特に多くの卵が海に産み落とされます。
スケトウダラは底魚と呼ばれ、親は、大陸棚の底付近で暮らしていますが、卵は浮遊性、海面に近いところに浮き上がり、海の流れに流されながら成長するのです。
ただし、成長は非常にゆっくりで、通常は卵が産み落とされて10日~2週間は孵化しないまま。0℃近いと1カ月以上も孵化しないそうです。
マイワシ等の卵が数日で孵化することと比較すると、スケトウダラの卵は非常にゆっくりとした成長です。
さて、その卵、年によって様々ですが、多い年だと100兆個以上の卵が浮遊すると推定されています。
太平洋系群の資源量、全年齢の尾数は約100億尾以下と推定されているので、殆どの卵は浮遊はしてもその後成長する事なく死んでしまうことに・・・。
「卵が海に産み落とされ、卵から生まれて成長して親になり、再び卵を産むというこの自然のサイクルは、かなり奇跡に近いことなんだといつも感じています。」
スケトウダラ太平洋系群の増え方ですが、何年かに一度、非常に生き残りが良い年があり、その時に生き残ったスケトウダラが全体の資源を支えるという仕組みになっているそうです。2005年、2007年に生き残りの良い年があり、その後、すごく生き残りのいい年が訪れていません。そこが心配と。
通常10年に数回は生き残りのいい年があることから考えても、非常に珍しい現象であることがわかるそうです。
※なお、写真は黒田寛氏にお借りした資料です。

エゾサンショウウオ 幼形成熟って?(照井 滋晴編) [nature treasure]

IMG_3769.jpgIMG_3882.jpgIMG_3881.jpg
今回はエゾサンショウウオのお話し。全長11cm~20cm程度の小型のサンショウウオです。キタサンショウウオは14cm程度なのでエゾサンショウウオの方が少々大きめ。体色は、背面に金色のラインが入ったりするキタサンショウウオとは異なり暗褐色で目立った斑紋などはありません。決定的な違いは後肢の指の数。キタサンショウウオは4本、エゾサンショウウオは5本。エゾサンショウウオ、日本の固有種で、世界的にみると北海道のみに局所的に分布する種。そのため、国際的な希少性が非常に高い種なのだそう。対して、キタサンショウウオは、国内では北海道の釧路湿原域と上士幌町、北方領土の国後島に局所分布するのみで、非常に貴重な感じがしますが、世界的にみると、6か国にまたがって分布する、世界で最も分布域が広いサンショウウオとのこと。エゾサンショウウオは、周りに落葉広葉樹や針葉樹があり、湧水や沢水が流れ込む池などで産卵。釧路地方では4月上旬~4月下旬頃に産卵するのが普通です。卵嚢は水中の枯葉や枯れ枝などに産みつけられます。卵は、30~40日位で孵化し、13~17mm位の幼生が生まれます。この幼生には、孵化した年の7月中旬~8月下旬に変態・上陸するものと、幼生のまま越冬して翌年の春以降に変態・上陸するものがいるそうです。キタサンショウウオでは、幼生のまま越冬するようなことはほとんど起きません。 
戦前の話になりますが、白老町の俱多楽湖には、幼生の形態を保持したまま成体サイズに達し、成熟する幼形成熟個体が確認されていました。ただ、当時すでに湖に放流されていた養殖魚のヒメマスによる捕食圧によって数を減らし、1932年の発見を最後に絶滅してしまったと考えられているそう。
ちなみに幼形成熟のサンショウウオというとあまりイメージがつかないと思うのですが、実は気づいていないだけでご存じの方が多いはず。ペットショップ等で見かける機会もあるウーパールーパー、あれはメキシコサンショウウオというサンショウウオです。
そして本題。2020年、2021年に俱多楽湖と同じ胆振地方に位置するある池で、幼形成熟した個体が約90年ぶりに発見されたニュース。俱多楽湖の報告が100年年近くも前という事や発見者の方が研究半ばで亡くなり、残された資料も限られていたことから、エゾサンショウウオの幼形成熟現象を疑問視する声もあったようです。今回の発見で、エゾサンショウウオにおいて幼形成熟が生じることが改めて確かめられました。発見したのは北大の研究チーム。ただ単に成熟サイズのエゾサンショウウオ幼生を見つけて、大発見だと言っているわけではありません。大きいだけではなく、本当に成熟しているのかもしっかりと検証。繁殖期である2021年4月に採集された2個体から精液が放出されることを確認し、実際に精子が形成されていることを顕微鏡観察で明らかにしました。さらに、この精液を通常の成熟メスから得た未受精卵に塗り、受精するかを調べる事で、本当に生殖能力をもっているかを検討したのです。そこまですることで、本当に幼生の形態のままで成熟していることを証明し、約90年ぶりの大発見になったのです。ちなみに今回発見された幼形成熟個体はすべてオスだったそうで、メスは発見できていないそうです。
※写真は照井滋晴氏からお借りしました。