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pillar considerations [close to you <art編>]

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苫小牧を拠点に世界で活動を続けている藤沢レオ氏。コロナ禍で海外で活動できない今でも精力的に道内で活動を続けていらっしゃる彼に最近の作品について伺いました。
2014年に始めた「場の彫刻」シリーズ以来、一貫して「柱」をモチーフにした作品を手がけています。
「起源のモニュメント」と「柱の研究」について。
オニグルミの木を切り、皮を剥ぎ、そこに現れた真っ白の肌。あまりにも綺麗すぎて加工することをためらうほど。
人類とともにあった木、柱。人類が歩き始めた頃からそれは存在したはずであり、それとともに生きてきた人類。
ある意味、木が人類を支えてきた。それは現在までも続き、今の世界を作り出したのでは?と。
過去を想い、歴史を想う。温故知新の気持ち。「とにかく木は偉大です、生命力がすごいのです。あらためてそのことを今回作品づくりをしながら感じました。」
「柱」は人類が文化的な生活を手にする。その始まりを想起させるもの。過去と現在の人類のストーリーを接続する意味もあるのだろうと思います。
円形の鉄の枠に内蔵されたレンガの破砕物を土台とし、クルミの枝をはじめ、埋蔵物の作品が金彩され、まるで土の中から出てくるかのような状態で存在する。
この時代に生きている価値観、ハッとする気づきを与えてくれる作品群はご覧になった多くの方に衝撃を与えたそうです。
「現代の武器、ライフル銃の銃床は木でできているんです。そこで使われているのはクルミなんですよ。
加工しやすいということと適度な柔らかさということもあるのですが、人類の暮らしをずっと支えてきたのに、今では武器にも使われてしまうという、
そういう矛盾を孕んでいるわけですね。僕が普段扱っている鉄も同じように人類を豊かにしてきたけれど、産業革命後、大気汚染の原因になったり、
大量生産の主たる材料になったり。そういう様々な矛盾が僕が使う材料には含まれていて。。。
ですからそういう部分をもっともっと研究を続けて、より見えるようなカタチで作品化していきたいと思っています。」
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※尚、写真は藤沢レオ氏からお借りしました。

2021.0922 O.A 市立釧路総合病院 泌尿器科 谷口成実氏  [close to you <dr.編>]

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今回は結石のお話し。最初は腎臓で作られ腎結石に。石が小さいと尿の流れはせきとめず、無症状が多いそうです。
それが腎臓と膀胱をつなぐ細いチューブである尿管に落ちてくると尿管結石となり、尿の流れが滞り、腹痛や腎臓も腫れ上がり背部痛が生じるそうです。
尿管結石は小さいと尿の流れに任せて痛みながらも下流に移動。ただ、大きいと止まってしまうことがあり、痛みだけではなく腎臓の機能が低下したり、発熱の原因となることも。治療としては石のわきに管を通したり、音を集めて石にあてて壊す体外衝撃波や内視鏡を使ってレーザー光線で壊してとってしまう方法などを組み合わせて行われるそうです。尿管を通って膀胱に落ちた石は膀胱結石となり、ほとんどの場合は尿道を通して体から排尿できるそう。
たまに途中で引っかかり排尿困難となり処置が必要なこともあるそうです。食事で再発が半分に抑えられるとの事ですから、その予防が重要になります。
結石の成分によっても予防は変わるのですが、最も頻度の高い結石はシュウ酸カルシウムという結石。
尿量を増やして飲水は2ℓが推奨されているのですが、夜間頻尿の方は1ℓくらいでも・・。困っている病気を優先してという形の治療になるのでしょう。
水分は水道水、番茶、麦茶等のお茶が良いそうです。ビールは利尿がついて良い様に感じますが、プリン体が入っていて結石形成に働くのです。
シュウ酸という物質の摂取を減らすのは有効。ホウレンソウ・タケノコ・サツマイモ・ナス・ピーナッツチョコレート等です。
コーヒーや紅茶にも多く含まれているので、とる量を減らすか、もしくはカルシウムと一緒にとるのがコツとの事。
例えば、ホウレンソウは茹でて削り節をかけたり、コーヒー・紅茶はミルクを入れる等、食事で一緒にとると結合して吸収されずに便で排泄されるそうです。
また、クエン酸はシュウ酸とカルシウムが尿中で結合するのを抑えてくれるそうで、ミカンやレモン、酢などが良いとの事でした。
さて、9月30日(木)19:00〜20:30 道東排尿 on-line セミナーが開催されます。
・帯広協会病院の排尿ケアの取り組みについて(帯広協会病院:小林和則先生)
・北海道大学病院における排尿ケアチームの活動について(北海道大学病院 泌尿器科総合地域医療システム学分野 橘田岳也先生)
他、ディスカッションも行われるそうです。興味のある方はぜひチェックしてみて下さい。

漂流者は海嶺を越えて(満澤 巨彦編) [varied experts]

1JAMSTEC横浜研の地球を模した半球スクリーン(海流を投影).jpg2本州から離れる黒潮の様子(黄色の筋).jpg3「海嶺」文庫本(上、中、下).jpg
日本の周辺の代表的な海流は、暖流として黒潮、寒流として親潮があります。
日本の南側を流れる黒潮は房総半島を超えたあたりで東に向かって流れますが、その勢いは徐々に弱くなります。
また、釧路沖を南西に流れる親潮も宮城県沖あたりで黒潮とぶつかり、東に向きをかえます。
東に向きをかえた黒潮、その北側を流れる親潮はその後無くなるのではなく、特に黒潮は最終的にはアメリカ西海岸まで続いているのです。
黒潮続流と呼ばれ、蛇行を繰り返し、沢山の渦を形成し、東に流れていることが衛星観測やスパコンによるシミュレーションで確認されています。
東日本大震災で発生した津波による流失物が北米の西海岸に多量に漂着したというニュースもありました。
さて、三浦綾子さんの小説「海嶺」。「海嶺」とは海の嶺、つまり海底山脈の事を言います。海溝は溝でプレートが沈み込む場所で形成されます。
海嶺は海底の山脈で、地球科学では海底が拡大し、プレートが生まれる場所のことをいうそうです。
小説の題名が「海嶺」なのは、漂流者が海の嶺を超えて漂流するという事、そして、助けられた後も様々な試練があり、それを乗り越えるという事からきているそうです。
小説では、静岡県沖の遠州灘で遭難した千石船が黒潮系の流れに乗って1年2ヶ月かけて北米西海岸のカナダに近いオリンピック半島に漂着し、
生き残った3人の若者がその後日本に帰ろうとするのですが、鎖国により帰ることができなかったという史実をもとに描かれています。
満澤氏はカナダの海洋研究所にいらした時にこの小説を知り、米国のワシントン州南のオレゴン州との州境にあるバンクーバーに行き、記念碑を見てきたそう。
さて、日本では巨大地震に備えて・・という話題が報道されています。「南海トラフの巨大地震が発生した時の海洋流失物の対策も重要な課題だと言えると思いますが、
私が知る限りでは、十分な対策がなされている状況ではないと思います。地球温暖化同様、今後対策が求められる重要な課題だと思います。
私たち個人でできることは小さいですが、SDGs的には少しでも環境に優しい生活を心がけるということが必要でしょう。」と満澤氏。
※尚、写真は JAMSTEC 満澤巨彦氏からお借りしました。
・写真左上はJAMSTEC横浜研の地球を模した半球スクリーン(海流を投影)
・写真中央は本州から離れる黒潮の様子(黄色の筋)
・写真右上は海嶺」文庫本(上、中、下)

2021.0917 O.A 「違い色々(アメリカにて)」 [varied stories]

達川慶輔さん(ゲストハウスオーナー)
https://thegeek.jp/

アメリカでは何を食べるにしてもサイズが日本とは大違い。まずそこにビックリなさったそう。
留学前から話には聞いていたそうですが、それでも目の当たりにすると実感!!
よくあるファストフード店で頼むハンバーガーのやコーラのサイズがとにかく大きい。
バーガーはお肉の厚さがものすごく、飲料のサイズも日本のLサイズくらいが通常のサイズ。
グローサリーショップではガロン単位の牛乳や数キロ単位のお肉などは当たり前と・・・。
牛乳は日本の1リットルの6倍くらいある感じ。あくまでイメージです。本当は4倍くらい?それにしてもものすごい量です。
達川氏はBBQも大好きとのことですが、それも大きな違いがあるそうです。日本でいうBBQは、焼肉や焼きそばや海鮮等色々なものを少しずつ楽しむ感じですが、
アメリカのBBQはブロックステーキ、大きな野菜、手作りバーガーといった感じだそうです。
KoreanBBQはサムギョプサル、インド系アメリカ人の自宅に遊びに行くと、スパイスのきいたチキンなどが・・。
「BBQ一つとっても文化・宗教・人種的背景によって違いがあるのを再認識できる国でもあるのです。アメリカは・・。」
他には、ファーマーズマーケットやスーパーマーケットに並んだ時に前後に並んでいる人から話しかけられるスモールトークの文化も面白いです。
他愛のない会話をその場かぎりで楽しむそう。見知らぬ人と軽くおしゃべりをする・・なんとなくフレンドリーな感じがします。
それはパブでも同じこと。ほとんど立ちながらビールを楽しむスタイルとのことですが、ここでもその場で友達になり、スモールトークを楽しむそう。
ずっと立っていて疲れないのかな?と思ったのですが、2~3時間は平気でその雰囲気を楽しんでいるそうです。
※写真は達川慶輔氏からお借りしました。
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2021.0916 O.A 邦楽(動物が主人公のアニメ曲特集) [chord 5]

・ムーミンのうた / ムーミン主題歌
・ど根性ガエル / ど根性ガエル主題歌
・緑の陽だまり / 山ねずみロッキーチャック主題歌
・ガンバのうた / ガンバの大冒険 オープニングテーマ
・ロックリバーへ / あらいぐまラスカル オープニングテーマ
・となりのトトロ / 映画 となりのトトロ エンディングテーマ
~今回は動物が主人公のアニメ曲特集です。
曲のセレクトはもちろん斎藤氏。今夜は斎藤氏とmidoriでお送りします。

自然が造るアートの壁 (境 智洋編) [fun science]

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知方学(チッポマナイ)から東側の高い壁にはアートがたくさん。
以前訪れて感動してから約1年。やはり見るたびに感動を与えてくれる。
どうしてこんな模様ができるのか?それは地球の長い歴史の中で自然に問いかけるしかないのかもしれない。
ここは汐見層と別保層の間にたまっている堆積物が見える場所です。
上には泥岩、礫岩等海の底の堆積物が見えている。その時々の堆積の環境によって見えるものが違うそう。
上には春採層も見えているので、石炭層も出てくるはず。海からの高さは150m以上?
海の時代から川の時代に変わっていく地層を見ている感じでしょうか。3900万年くらい前から4500万年くらいまでの堆積物?
波打ち際の岩の曲線を見て・・・波が作った曲線がなんとも言えないほど美しい・・と境氏。
よく見ると、チッポマナイの泥岩砂岩層が当時どういう堆積をしたのかが見えてきます。
単純に水平に堆積したのではなく、堆積しながら窪地に土砂が流れ込んだり、斜面で流れが変わったとか、堆積した時に色々な環境が変わったのが見えてくるのです。
岩石は固まっているけれど、長い年月の間にゆっくり動いたり、おされることによって変形したり・・・
何回も繰り返していくうちに様々な模様ができてくるそう。
これくらい綺麗に堆積の模様が見えている場所は、今までの海岸線ではありませんでした。ここが特有なのかも。
「この海岸線には白亜紀と第三紀の境界線がどこかにあるはずなんですよ。まだあまりきちんと調査されていないのですが。」

白いクジラやイルカ(笹森 琴絵編) [nature treasure]

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白い生き物といって思い浮かぶのは?ウサギ、ヤギ、ホワイトタイガー、ホワイトライオンを
テレビ等でもご覧になった方はいらっしゃると思います。
全身が真っ白で目の色が赤や青であれば色素欠乏症であるアルビノだと言われています。
ただ、体のどこか一箇所でも色が確認されたら、それはリューシスティックであると。
それは体毛や皮膚が白くなった個体ですが、色素が少ないだけでメラニンを生成することが可能なのだそう。
鯨類にも白い個体はいます。新聞にも掲載されていたのでご存知の方も多いのかな?
85種の鯨類のうち、20種で確認されているそう。
例えば、1991年からハワイに来遊するザトウクジラの「ミガルー」
2010年初確認の北太平洋コマンドル諸島付近のシャチの「アイスバーグ」
2008年にメキシコ太平洋沿岸で初確認されたコククジラ「ミルクガロン」
等々様々な場所で確認されているのです。
もちろんイルカにも・・・。噴火湾に毎夏やってくるカマイルカにも白いイルカたちはいるそうです。
白い鯨類がどこかで観察されるたび、目が赤いとか黒いとか、模様があるとかないとか、アルビノだ〜とかリューシスティックだとか鯨類関係者の交流サイトが賑わうそうです。そんな中、印象的だったコメントを紹介いただきました。「原因はなんであれ、まずは彼らが健康で無事に生き抜く様、祈ろうじゃないか・・・」と。
氷海に生きるベルーガの様に環境に適合して白いわけではないのであれば、彼らはカムフラージュが不完全で、自然界では敵や餌の目を欺くための武器が揃っていないということなのです。また、太陽光から悪影響を受けやすいとも言われているそうです。
「人として野生動物と関わる目的には、撮影・愛好・研究・保全等々多々ありますが、自分は見守る者であると自負する者が何かを語るなら、その言葉には血が通っているべきだと私は思うのです。それは、同じ生き物である彼らへの深い理解、共感と愛情に他ならないと・・・。」
※写真は笹森琴絵氏からお借りしました。

annormal world 2 [close to you <art編>]

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高校3年生で漫画家デビューをした安野モヨコ氏。少女漫画誌と契約していたそうですが、23歳で独立し、フリーの漫画家に。
20代女性向けの漫画雑誌に描いた「ハッピーマニア」が大ヒットし一躍有名になったのです。
その後、多数の連載を同時進行で進め、ヒット作を連発。週刊誌の記者を主人公にした「働きマン」と魔女の女の子が主人公の「シュガシュガルーン」は
ほぼ同時期に描かれました。
体調不良や鬱を患いながらの執筆活動中、2008年に仕事をセーブすることを決めます。ただ、「オチビサン」だけは新聞に週1回描き続けていました。
彼女が住んでいた鎌倉の豊かな自然の中で暮らすキャラクターを描いたのです。それを描きながら自身も癒されていたのだと・・熊谷氏。
そして大変な時に彼女を支えたのが、夫の庵野秀明氏。思うように仕事ができない、辛い時期を乗り越える大きな支えになったのです。
2013年11月から「鼻下長紳士回顧録」で5年8か月ぶりに連載復帰しました。この作品は2020年、第23回文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞を受賞しています。
フランスパリの娼館を舞台に、主人公が小説家を目指して奮闘する作品。
今までは読者が求める作品を描き続けた彼女が、自分が楽しむため、自分も楽しいと思える漫画を描いた作品です。
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(アンノーマル 安野モヨコ展は9/20まで北海道立釧路芸術館で開催中)

2021.0915 O.A 愛知県がんセンター 名誉総長 大野竜三氏~2~ [close to you <dr.編>]

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今回はリビング・ウィルについて。もとは英語のliving will。英語に関して世界で一番権威のあるとされるオックスフォード英語辞典では、
「重病になり自分自身では判断ができなくなる場合に、治療に関しての自分の希望を述べておく書類、
特に、医師たちに治療を中止し死ぬにまかせてくれるよう依頼する書類」と書かれているそうです。
日本は世界一の長寿国。ただ、病人、認知症患者、寝たきり高齢者、介護なしでは生きていけない高齢者や無理やり生かされている高齢者が意外と多いのが現実との事。
また、厚生労働省研究班の推計では、90~94歳の日本人男性の49%、女性の65%が認知症になり、
95歳以上では、男性の51%、女性の84%が認知症になると推計されているそうです。
そして、認知症予備軍を含まない正真正銘の認知症患者が全国で460万人以上もいると推計されています。
内閣府の調査では、55歳以上の日本人の9割以上が、延命のみを目的とした医療は行わず自然にまかせてほしいと願っているそう。
にもかかわらず、わが国の医療・介護の現場では、無意味な延命治療が日常的に行われていることは周知の事実です。
無意味な延命治療を止めることのできる唯一の方法は、患者さん自身が延命治療の中止を希望され、その意思を表明されている場合です。
といっても、終末期の患者さんは、意識がなくなったり、朦朧としているのが普通なので、その様な意思を表明することはできないのです。
このリビング・ウィル(エンディングノートも同様)なかなか書こうという気持ちにならないかもしれません。ただ誰にでも起こる可能性はあるのです。
「60歳を超えたら書いておいた方が良いかもしれません。それを見直して書き換える事も可能です。私が書いたものがあるので、それを参考にぜひ書いてみて下さいね。」
http://square.umin.ac.jp/~liv-will/new1017.html

能と狂言と歌舞伎の違い(中西 紗織編) [varied experts]

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能や狂言、歌舞伎は伝統芸能と聞きますが、その違いはどんなところにあるのでしょう。今回はあらためてそのお話しをお送りします。
まず、歴史的には、能は奈良時代に日本に伝わった散楽が源流とされ、能と狂言は兄弟みたいな存在、同じ舞台で演じられます。
ものまね笑いの要素とセリフを重視したのが狂言で、歌舞的要素を重視したのが能。
歌舞伎はそれよりも歴史的には新しく1603年に出雲の国のおくにが京都で披露した歌舞伎踊が最初とのこと。
その客層は能や狂言は、将軍や武士等武家社会のトップがパトロンであり、鑑賞するだけではなく自分でも演じていたそう。歌舞伎は一般大衆向け。
演目は、能は物語の出典が由緒正しきことが重要、狂言は太郎冠者、登場人物の多くは無名の人々。
歌舞伎は能や狂言から題材をとったものや歴史上の人物が登場したり、無名の人々が登場したり、観客にとって身近な存在が主人公になるものが多いそう。
その他一目でわかる違いもあり、まずは足袋の色。能は白足袋、狂言は黄色の足袋。
次に面。能はシテと呼ばれる主役がつけることが多く、狂言は動物や鬼など人間以外の存在がつけるそう。
さらに化粧。能や狂言はしませんが、歌舞伎は大掛かりな化粧をします。いくつかの定型があり、その役の性格や身分などを示す役割を持っているそうです。
楽器に関しては笛や大鼓、小鼓、太鼓等は能と共通ですが、歌舞伎はこれに三味線が入ることも。また様々な効果音も。さらに歌舞伎特有な掛け声も。
そして、舞台が大きく違います。能は左右非対称で舞台装置はありませんが、歌舞伎は舞台に花道がある大掛かりな舞台装置があります。
能は喜劇のミュージカル、狂言は喜劇、そして歌舞伎はエンターテイメントと言えるかもしれません。
※参考資料:(右上の写真)
・観世銕之丞(2012)『能のちから――生と死を見つめる祈りの芸能――』青草書房。
・小林康治,森田拾史郎(1999)『能・狂言図典』小学館。
・丸山伸彦監修(2014)『演目別歌舞伎の衣装 鑑賞入門』東京美術